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Oasis『...There and Then』– ブリットポップの栄光を極めた時代

いよいよ、ライヴ盤漁りが止まらなくなってきた。

リリース情報

発売日: 1996年10月14日 (VHS), 1997年11月12日 (DVD), 2001年10月15日 (DVD再発)  
ライブ会場: メイン・ロード (マンチェスター), アールズ・コート (ロンドン)  
再発特典: 2001年版にボーナス音源とプロモーションビデオ収録

トラックリスト

1. Programme Start  
2. The Swamp Song  
3. Acquiesce  
4. Supersonic  
5. Hello  
6. Some Might Say  
7. Roll with It  
8. Morning Glory (Acoustic)
9. Round Are Way  
10. Cigarettes & Alcohol  
11. Champagne Supernova  
12. Cast No Shadow  
13. Wonderwall  
14. The Masterplan  
15. Don't Look Back in Anger  
16. Live Forever  
17. I Am the Walrus (The Beatles cover)
18. Cum on Feel the Noize (Slade cover)

イントロダクション

1996年、Oasisは世界の音楽シーンを席巻していた。『...There and Then』はその頂点を捉えたライブドキュメンタリーで、主にマンチェスターのメイン・ロードとロンドンのアールズ・コートでのパフォーマンスを収めている。本作はOasisの絶頂期を象徴しており、観客との一体感やバンドのエネルギーが生々しく伝わってくる。

セットリストの強さ

『...There and Then』の魅力は、その選び抜かれたセットリストにある。スタジオ録音と異なり、ライブならではのダイナミックさと荒々しさが際立っている。例えば「Acquiesce」や「Supersonic」はスタジオ版では緻密に構築されていたし、「Cum on Feel the Noize」のアレンジも保守的だったが、ライブでは荒々しさが魅力となって観客を熱狂させている。

更に、「Morning Glory」のアコースティック版は、ノエル・ギャラガーのボーカルが引き立つアコースティック・バージョンだ。ノエルの声質はリアムとは異なり、より感情的で温かみがある。このアコースティックパフォーマンスは、新鮮味があり、スタジオ版との違いが楽しめる部分でもある。

賛否分かれるライヴのアレンジ

ライブゆえの欠点もある。例えば「Champagne Supernova」はその壮大さがある反面でやや冗長に感じるかもしれないし、「The Masterplan」ではハーモニカが強すぎて他の楽器が埋もれてしまい、ミックスバランスに不満を感じるリスナーもいるかもしれない。

観客との一体感

マンチェスターのメイン・ロードでのパフォーマンスは、特に観客との一体感が印象的で、何万人もの観衆がシンガロングしながら、Oasisの音楽に陶酔した様子が映像からも伝わってくる。

「Wonderwall」や「Don't Look Back in Anger」といったアンセム的楽曲が演奏されると、観客の大合唱は圧巻で、Oasisが単なるバンドではなく、時代の象徴であったことを物語っている。ネブワース盤より合唱が大音量なのも特筆点。

2001年のDVD再発版: 新たな価値

2001年に再発されたDVDは、オリジナル版をさらに充実させたものだ。ボーナストラックとして、「Roll with It」や「Acquiesce」のプロモーションビデオが追加され、ライブパフォーマンスの裏側に迫る映像も収録されている。この追加コンテンツにより、ファンはOasisのライブがどのように組み立てられ、何がその成功の要因であったかをより理解できる。

総括

『...There and Then』は、Oasisがその絶頂期にあったことを証明する映像集だ。セットリストの構成やパフォーマンスの質はもちろん、観客との一体感、ライブならではのエネルギーが強烈に伝わる。Oasisがいかに国民的バンドであり、時代を牽引したかを活写した重要なライヴ・ドキュメンタリーだ。

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