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作者: 岸田衿子・文、中谷千代子・絵『かばくんのふね』を読んで
絵本の情報
作者: 岸田衿子・文、中谷千代子・絵
タイトル: かばくんのふね
発刊: 1990年9月15日
作者について
岸田衿子: 1929年、劇作家岸田国士の長女として生まれる。東京藝術大学油絵科を卒業後、画家を志すも肺病を患い詩人になる。20代から一貫して幼児向けの絵本、またその翻訳や詩作等を中心とした活動を行った。2011年死去。
中谷千代子: 1930年、東京府生まれ。岸田衿子とは東京美術学校で同級生として知り合って以来の親友。1957年ごろより絵本に興味を持ち、岸田に誘われて福音館書店で絵本制作に携わることになった。1981年逝去。
概要
1966年発刊の絵本『かばくん』の続編。
雨が降りはじめ、洪水になってしまった動物園。
かばくんとかばのこは動物たちを乗せる「ふね」となって大活躍する。
個人的な感想
24年越しのブランクを感じさせない続編。
前回と打って変わって、今回のかばくんはアクティヴ。
かばくんたちの全く動じる気配のない愛嬌たっぷりの表情は、周囲にとっては惨事でもある洪水の世界を牧歌的なものにしてしまう。
岸田の簡潔で浸透度の高いリズミカルな文章も、中谷の美しく澄んだ情景描写も味わい深い。
特に印象的だったのが雨の描写。
雨を表現する暗めの水色を、ページ一杯に塗る大胆さにプロの技が発揮されている。
素人がやれば台無しにすらなりうるアプローチ。(私自身、幼少時に経験あり)
そして背中にちょこんとのった"かめのこ"のスケール感が、とっても可愛らしい!
関連リソース
書籍購入用リンク
関連書籍
『かばくん』(岸田衿子・文、中谷千代子・絵、1966年発刊) ※、本書の前編にあたる
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。