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ドイツの童話を読んでみたら、おもしろいだけじゃなかった話。
つぶやきやエッセイなどを楽しみにお邪魔する芋けんしーさんの記事で、楽しい童話と出会えた!
ドイツの児童文学作家プロイスラーの名作。
国際アンデルセン賞作家賞(次席)を受賞されている。
小学3,4年生が対象となっているこのような本は、文字数が格段に多くなるけれどお話がおもしろければ、どんどん読める。読まずにはいられなくなる。
私も、のめり込むタイプなのでそういう時は周りの声が聞こえなくなる。小学生の時「ご飯やで~」の呼びかけも生返事で、よく母に怒られたのを思い出した。
『大どろぼうホッツェンプロッツ』
『大どろぼうホッツェンプロッツふたたびあらわる』
『大どろぼうホッツェンプロッツみたびあらわる』
シリーズで図書館に3冊もあったので、子どもたちの目を盗んでおばちゃんごっそり借りてきた。
読んでいる間は小学生に若返り(笑)
めちゃくちゃ楽しめた。
こんな本知らなかったなぁ~!おもしろかった!!
画家トリップ氏の挿し絵がまた最高。
文中はモノクロだが、絶妙な場面で可愛らしい絵がたくさん描かれている。
本が出る度に絵が少しずつ精巧になっていくけれど、私は第1巻の素朴な絵が好み。(第3巻は見開きから扉への3ページが特別感!自分の名前を書き込む欄まであり♪)
第3巻を読む前に初めて気づく、
主人公が大どろぼうホッツェンプロッツだということを!(タイトルだから、そりゃそうか笑)
登場人物は、
少年ガスパール
ガスパールのおばあさん
友達のゼッペル
おまわりさんのディンペルモーザーさん
(第1巻)
大魔法使いのツワッケルマン
スズガエル=妖精アマリリス
(第2.3巻)
千里眼師のシュロッターベック夫人
ワニ(犬)のバスティ
ドイツ名か発音しにくいところがあるが、大どろぼうホッツェンプロッツがおばあさんの大事にしている<五月は、ものみなあらたに>が演奏されるコーヒーひきを盗むところから始まるので、それを奪い返す少年たちが主人公だと思っていた。
(※五月は、ものみなあらたには、蝶々の童謡なんだって!なんという魅力的なミル!)
謎あり、冒険あり、知恵くらべあり、魔法ありと、とにかく読者を飽きさせないストーリー。他の登場人物もそれぞれにキャラが活きていて物語を楽しくさせてくれている。
これは小さい読者も物語の楽しさを味わえるだろうなぁ。
短刀を7本も腰につけている大どろぼうなのにちょっと間抜けな主人公。
でも第3巻は、大どろぼうがどろぼう稼業を辞めたいというちょっと切実な思いに、大人はなんだか身につまされる話にもなっている。
この世の中で、いつも悪役を演じているくらい、重荷になることはないからな。たえず罪をおかさなくちゃならない。たとえ、その気がぜんぜんないばあいでもだ。たえずおばあさんをおそうし、自転車をぬすむし、そしてたえず警察には気をくばっていなくてはならない。そのために体力はだんだんおとろえ、神経がすりへっていくんだ。
楽しいだけでなく最後には、思い込みで悪を悪と決めつけてしまうことに対しての見直し、物事を違う視点から見ることの気づきを改めて感じた。
今までひどいことをされきたはずなのにガスパールとゼッペル少年たちの、疑うことなく彼のために問題解決に協力するという純粋さも見習うところだ。
(最後に小さい読者が裏切られないで良かった笑)
余談だが、質素倹約ミニマムなイメージのドイツでは当たり前の習慣なのかもしれないが、おばあさんが毎週決まったものを作るその家庭料理が食いしん坊の私には魅力的だったことも、この物語の目を引くところ。
第1巻、日曜日は生クリームたっぷりのプラムケーキ
(+マッシュポテト)
第2巻、木曜日はやきソーセージとザワークラウト
(+きのこスープ)
第3巻、金曜日はアッペル・シュトルーデル
(+どろぼう料理)
世界中で人気を博したドイツの童話。
子どもたちのために翻訳出版してくれた方たちは凄いし感謝したい。
芋けんしーさんの所からお邪魔したTATさんの記事もホッツェンプロッツ愛が溢れていて楽しく必見。
ホント読み継がれるといいなぁ!
芋けんしーさん、TATさん、
ご紹介ありがとうございました(*´꒳`*)