
『全修。』と星座 広瀬ナツ子の月星座がしし座だと思ったのに調べたら水瓶座だった
こんばんは。今日もおつかれさまです。
タイトルの通りのことが書きたい。
『全修。』広瀬ナツ子の月星座がしし座かと思ったのに調べたら水瓶座だったっていう話をしたい。
西洋占星術からきた人へ
『全修。』っていうのは、アニメで、広瀬ナツ子ってのは主人公です。
『全修。』からきた人へ
月星座っていうのはテレビとか雑誌のランキングに載ってるのとは違うやつです。
あれは生まれた時に太陽がどこにいたかっていう情報で太陽星座と呼んだりします。
月星座は生まれた時に月がどこにいたかっていう情報です。
生年月日と出生地と出生時間で調べられます。
この記事では月星座っていうのは、ないのにあると騙してる、その人間の不得意領域を得意だと誤解させてる、なんだか厄介な星座と扱います。
いや、意味がわからないよ?って思った人、そう思うのは当然だ。
でも説明せずに一旦先に行きます。
まず、『全修。』が好きって話をしたい
『全修。』面白い。
動きに爽快感がある。演出にしがみどころがある。
私の予想では、最後は『初恋ファーストラブ』を『滅びゆく物語』のリメイクにしてこれが私の初恋!ってやるために、アニメの中でラスボスをナツ子が描いてルークを裏切らなくちゃいけないんだああああ!でもナツ子がルークに討たれるから世界は救われるし死んだナインソルジャーも生き返るんだあああ!
次にこの記事の展望を書きたい
情熱が表現できたので、この記事のみちしるべを書きたい。
自分が迷子になりそうなのと、疲れそうなので、制約を書いておきたい。
この記事では、やわらかく簡単に書いて三部構成にしたい。
序:広瀬ナツ子って月しし座では?って思った話
破:調べたら月水瓶座で、( ・ὢ・ ) ムムッってなった話
急:解釈し直すとこう!ってことはこう!って話
広瀬ナツ子って、月しし座では?って思った話
道しるべ書けたので、この記事の物語の本筋に入ります。
ホロスコープをちょっとだけかじってて、『全修。』見てた私はまもなくこう思いました。
広瀬ナツ子って月しし座では?
根拠1 恋愛がわからなすぎてトラブってる
ナツ子はオリジナル長編アニメ作品『初恋ファーストラブ』の監督を引き受けたが、初恋がわからなくて絵コンテが描けないでいる。そのせいで、プロジェクトに暗雲が立ち込めている。
初恋狩り・初恋のカツアゲ・毎日パンを加えて疾走し体当たり、などのパワハラ活動を積極的に行い、周囲に被害が出ている。帰宅中の女子高生にも初恋狩りをしようとし、通報されている。
初恋の感覚が一向にわからないのにそれに執着するあまり人の道を踏み外している。
恋愛体質ならぬ、恋愛欠損体質は、月しし座に見える。しし座は恋愛を司る星座で、月星座がしし座であるということはそれが欠けているということだからだ。
根拠2 王として振る舞おうとしてトラブってる
ナツ子の行き詰まりでプロジェクトが動き出さない危機に対して、チームメイトはカバーをしようとする。「絵コンテを誰かに出さないか?」「Aパートだけでも先に出さないか?」「作画監督の候補を選んでくれないか?」ナツ子の答えはNOだ。「自分がやった方が早いから」である。
監督なのにスタンドプレーに固執しプロジェクトが危ない。
「一人で作ってる気になってんじゃねえぞ」というチームメイトからの一喝に対しても、ナツ子は「あ?」と威圧し、引かない。説教したはずの強面男が小娘に萎縮し、対立を避けてしまう。空気がギスギスし、陰口を言われてしまう。
「俺についてこい!」を発動しているのに、周りが不安を感じ、頼るのをためらっている。
これは、自分はしし座だと確信してる月しし座に見える。しし座が王の星座といわれるのは、その華やかなスター性で人が集まり心酔して、周りに担がれるからだ。月しし座は、その素質が足りないのにあるという幻想に囚われてしまうから、親分肌や姉御肌であろうとして「こいつ偽物だぞ…?」と思われてしまう。
根拠3 描きたいものがわからなくてトラブってる
しし座は自己表現が得意だ。しし座のキーワードは" I create "あるいは" I will " である。自分のものを作り、それを見せるのが好きなクリエイターとも言われる。野望を掲げ、そこまでの道を我が物顔に歩くとも言われる。
描きたいものがなくて焦っているナツ子、自分が何を創作したいのかがわからなくて苦しんでいるナツ子は、月しし座に見える。
高校生時代のナツ子が初監督した美大のアニ研のMV作品は、先監督の絵コンテをたたき台にした。ナツ子のスタジオコンコンでの監督デビュー作品『スケバン魔法少女暗黒学園』は漫画原作がある。今回の『初恋ファーストラブ』はおそらく、原作がない。(七話)
まだひとつある。
根拠4 孤独で変わり者なのに好かれる
学生時代の広瀬ナツ子は奇人変人ポジで、一人でいるけど楽しそうだ。
俗世には興味がなく、人に対して熱がなく好き嫌いがなさそうで、天才と評価される。
そして、そんな変わり者の姿が魅力的でトゥンク…///する人間たちがいる。
これらは水瓶座の特徴である。
つまり、月光反転させて水瓶座を使って成功を掴んだ月しし座に見える。
月光反転って何?って思った人、いいご質問です。
補足。月光反転って何?
月光反転法は、月の欠損理論に基づく、欠損への対処方法です。
月の欠損理論とは、「全ての人間は欠損を持って生まれてくる」という考え方に近く、月星座というのが、その人にぽっかり空いた穴である、ただし人は無意識に生きると月に騙され、月星座こそが自分の姿だと思いこんでしまう、そうすると人生が進んでいるという手応えがなくなり絶望する、という感じの理論です。
・しし座ってのは、恋愛、クリエイティブ、自信、スター性、などなどを表す陽キャで華やかな星座だぞ。
・しし座欠損ってのはこれがないってこと。月星座しし座ってのはこれを持ってないのに本人はあると思い込んでることがあるぞ。
・月しし座の人は、しし座は育たないんだけど、反対の位置にある星座の水瓶座は生まれつき得意で自由自在に使えるぞ。
・月しし座に限らず、すべての月星座は反対の位置の星座を意識的に使うことで、月が悪さを止めるぞ。これを月光反転法というぞ。
広瀬ナツ子は、『滅びゆく物語』との出会いによって水瓶座に月光反転し、水瓶座の一面を使って才能を開花させ、22歳という若さでオリジナル長編アニメの監督の座を手にした。しかしそのポジションがナツ子にしし座性を自認させてしまい、反転は元の位置に戻り、月に囚われ、人生で初めて行き詰まっている。この状況を打破するには、しし座性の幻想を断ち切り、意識的に水瓶座を使って、太陽星座獲得を目指すこと。これが広瀬ナツ子=月しし座の解釈です。
月しし座や、月光反転法の説明のために、元専図の露理ついりさんのYouTubeを引用元として貼った。月の欠損理論と月光反転法はマドモアゼル愛先生のご発案だが、ついりさんの月解説動画はマドモアゼル愛先生のお墨付きがあり、初心者に届けるための砕けたエンタメ、そして丁寧な長尺なのでこちらを引用した。
月の欠損は、厳密にいうと七歳児レベルまでの才能は持って生まれてくる。故にできると思い込む、しかしそれ以上の成長がないということだが、説明が長くなるのでこの記事では「ない」と雑に言い切っている。
月星座が人の欠損で、月光反転した月の反対の星座が生まれ持った才能=本当の自分。それなら、太陽星座って何?そう思った方、いい質問です。
太陽星座は、私たちが後天的に獲得していく得意科目で、生まれた時点では持っていません。しかしこの星座を自己イメージし獲得を進めると充実を得られる星座と言われています。言い換えると、この星座を獲得していく人生を味わうためにこの世に生まれた、という星座です。
補足。じゃあ、ナツ子の太陽星座は何に見えるんだ?
七話まで見た感じでは太陽星座はよくわかりません。課題が明確なので月星座推理は捗るけれど、そこまでです。
もっというと、物語の展開を予想するときには、太陽星座の推理より月星座の推理の方が楽しいので、物語の主人公の太陽星座にあまり興味が向かないです。
紫と黒を着ていること
滅びゆく物語を推理して理解し極めるターンに入るかもなっていう予想
ルークや作品と精神的に深ーく結びつくかもなっていう予想
「いろーんなこと、あなたより知ってるの。勇者くん?この件は私に任せて、大人しくしてなさい?」という4話の台詞の大人っぽい一面
以上の要素で、蠍座はどうだ?ってのは思っていました。
ただ違いましたね。公式HPに誕生日が貼ってありました。
調べたら月水瓶座で、( ・ὢ・ ) ムムッってなった話
広瀬ナツ子って、月しし座っぽい主人公だわと思ってたが、タイトルでネタバレしてる通り、月しし座ではなかった。
公式サイトより。
広瀬ナツ子。22歳。誕生日|2月7日。
『全修。』の現実世界は2019年で、はまぐり弁当の消費期限が2019年9月13日。
よって広瀬ナツ子の生年月日は、1997年2月7日。
広瀬ナツ子は、月星座水瓶座、太陽星座も水瓶座の新月生まれ。
出生地東京の場合、何時に生まれてもこの日生まれは全部月水瓶座。
この章では、広瀬ナツ子の水瓶座と新月生まれであることについて書きたい。
広瀬ナツ子=月水瓶、反転しし、太陽水瓶
よりによって月水瓶座だ!
先に引用した通り、水瓶座はしし座と逆位置にある星座で、性質も結構違う。
つまり、月の欠損理論で鑑定するときには、前章の内容を覆していけばそれがナツ子ということに。
ナツ子は恋愛を知ってる
ナツ子は王様だ
ナツ子はクリエーターだ
ナツ子は自分を水瓶座だと評価してるが実は(まだ)そうではない
ナツ子解釈の全修が必要な事態に(´・ω・`)
ホロスコープが物語にあっていないのか?いやいや。
月だけじゃなくて太陽も水瓶座だから、この結果は予想より楽しい。
月しし座反転水瓶座より、月水瓶反転しし太陽水瓶のナツ子の方が、主人公っぽいし、巨匠になれそうだし、おもしれえ女っぽい。
なんだ。それじゃあ、月の欠損理論ってもの自体が、モノはいいようなのか?
それは一理ある。真逆の二つの性質を取り上げて、あなたは一見何々に見えるけど、実は何々で〜というのは昔から使われてきた心理トリックだ。
疑って気をつけるべきなんだろうが、この考え方は好きなんだ。月の欠損理論の考え方というのは、疲れた人を再生できるし、人を見て予想して当たったり外れたりするのにゲーム性があるから楽しい。
ホロスコープでも因果律でも進化論でも、それを創作上や現実の事象に当てるという行為自体が、その世界を何眼鏡で見るかっていう選択の一つだ。
だから予想と全く違う結果が現れること自体は、理論の有用性や体系知識を傷つけないと思ってる。どの眼鏡を選ぶかっていう選択の基準にはなるとして。
とはいえ、このテーマは月の欠損理論へのキラーワードだから、解答が長くなってしまった。
月星座と太陽星座が同じ星座だとどうなる?
『全修。』から来た人で、ここまで読み飛ばさなかった人の中には、混乱してる人がいると思う。
水瓶座が欠損しているのに、太陽星座が水瓶座っていうのはどういうこと?
(水瓶座が獲得できないって話なのに、水瓶座を獲得しようってのは無茶では)
(月星座は獲得できないって話はどこへ行ったの?)
論理的な疑問だ。
この、月星座と太陽星座が同じという生まれは、新月生まれと呼ばれる。
生まれた時が新月だと、こういうステータスになる。
月の姿が色々あるうち、新月である時間は僅かだから、このステータスはレアだ。
では、月の欠損理論は新月生まれをどういう解釈するのか。
その問いには答えが二つある。
欠損がないのが欠損という考え。太陽星座獲得の階段に切れ目がない
月星座獲得の階段が七歳児レベルで一旦途切れて成長が頭打ちに。月光反転を経て太陽獲得の階段を見つけて大いなる太陽の人生をスタートするという考え
完全無欠ゆえに、人間にはみんな欠損領域があるという感覚がわからないのも、社会で過ごす上でトラブルを生むし深く傷つくだろう。
ただし、広瀬ナツ子の物語の場合は、課題は本人にあるので、2かなと思う。
新月生まれは大物になる。
こう言ってる人が多い。
普通は月星座の領域を欠損するから全星座を獲得することができないが、新月生まれはそれができるから
一つの星座の太陽(良い作用)と月(悪い作用)を隅々まで味わう人生になるから
太陽星座獲得の道のりが人一倍ツラいから
巨匠を目指すナツ子なら、こうした運命は望むところかもしれない。
ただ、乗り越えるにはしし座を意識的に使わなくてはならなくて、すると自分の初恋の相手はルークだっていう自覚をしないといけない。
こんな主人公のストーリーは素敵だと思うけど、皆さんはどうですか?
補足。『滅びゆく物語』のヴォイドってなんだ?
新月の話題が出たところで、『滅びゆく物語』のヴォイドと天文学のヴォイドと『全修。』のヴォイドと西洋占星術のヴォイドについて書いておきたい。
『滅びゆく物語』は『全修。』の作中劇で、ナツ子の運命を決めたオリジナルアニメ映画。ナツ子は、終始アニメオタクのように描かれるが、基本『滅びゆく物語』の話しかない。
『滅びゆく物語』の作中では、主人公陣営を襲撃する敵をヴォイドと呼び称し、ラスボスは「超空洞ヴォイド」である。
現実世界にはヴォイドという天文学用語があり、日本語に訳すと超空洞であり、超空洞ヴォイドとは、重複語、重ね言葉だ。
超空洞(ちょうくうどう)とは、宇宙の大規模構造において泡沫状に分布する超銀河団が膜のような形となって包含している「銀河がほとんど存在しない領域」[1]のこと。
銀河団の分布を石鹸泡に喩えれば、ボイドは泡の中の空洞にあたる。
主人公陣営がヴォイドを倒すと、黒い空間に続く穴が現れ、そこに負け個体が吸い込まれて消滅するという演出が起こる。ヴォイドあるいは超空洞ヴォイドというものは、この天文学用語のヴォイドが意識されているように見える。
『滅びゆく物語』のキャッチコピーも「虚無が、来る!」であり、ヴォイド=空洞=虚無=結末と通じそうだ。
『全修。』という作品は、過去のアニメ名作のオマージュで彩られており、ヴォイドという言葉にも、過去のアニメ作品の影響がある可能性がある。
2011年のノイタミナのアニメ『ギルティクラウン』にヴォイドという物質が出てくるらしい。私は未履修なのでWikipediaを読むが、それは主人公側の能力の呼び名のようで、違うか〜となる。このアニメは、アポカリプスウイルスによって侵略された日本がGHQの支配下になり、GHQと戦う話みたいなので、現実世界の情勢とはシンクロする。ただ、『全修。』は2019年が舞台なので、違うか〜となる。
このアニメにもアニメ史にも詳しくないのでここの考察はほぼできないが。
一方、西洋占星術にもヴォイドという専門用語がある。
月がどの星座にも属さない時間帯のことで、2〜3日に一度起こり、月の影響が出やすいそうだ。
この時間は日本では月のボイドタイム、英語ではvoid of courseと呼ばれるらしい。
・不注意になりやすく、うっかりミスや勘違いをしやすい
・月ボイド中に決断/決定したことは、あとでやり直しになることが多い
https://mackienekolove.com/2016/01/22/moon-voidofcourse/
この月のボイドタイムは一考の余地がある。
『全修。』は、月や太陽らしき天体のカットを出し惜しみしてきたが、第五話の負けイベントで、『滅びゆく物語』世界の月らしきものをはっきりと描き、その戦闘の中で何度も印象的で不吉な赤い月のカットを挿入してきた。
そしてこの負けイベントでは次のことが起こった。
・タップが初めてルークのピンチ以外で光り
・タップが初めて「尺足らず。作画追加」を要求し
・ナツ子は初めて敵にそぐわないものを召喚し
・ナツ子は初めて敵を倒せず
・敵には日を改めた次話で再挑戦して勝利することができた
(タップというのはアニメーターの道具で、この主人公の変身道具)
月の欠損理論で解釈すると、月が強くなりナツ子の未熟な水瓶座が暴走し反転しし座が隠れ、タップはルークのためでないにも関わらず光った。ナツ子は慎重さに欠け、ミスをし、決断はやり直しになった。こっちはまるで月のボイドタイムみたいだ。
この一致は偶然だろうか?
『全修。』での月の描写。
第一話〜。エンディングにて、ルークが歩く背景で月のような光源を、厚い雲が隠しているカットがある。
第三話。ナツ子の回想でディスティニーが子供の時に使っていたベッドの天蓋部分に新月の意匠がある。召喚されたサーバルキャットマスクがドラゴンスープレックスの技を出すときに背景が宇宙となり、地球と月らしきものが明確に描かれる。ただしこの月は『滅びゆく物語』の月ではない。
第四話。非実在エグジストとメメルンが夜の空を歩くシーンで月が描かれる。この月もおそらく『滅びゆく物語』の月ではない。エンディング直前、ユニオとルークが昼の中庭で話すシーンから、夜にシーンが変わり鳥監督のカットまでの間に短く白い月のカットがある。これがこの世界のものとして初めて描写された月らしき天体だ。
第五話。荒野に卵塊型のヴォイドを見とめるシーンで、この世界の月らしき天体が地平に描かれる。その姿は赤い三日月の細い弧が光るように小さく描かれる。しかし時間が経つにつれ月はどんどん大きくカットに入って行き、しまいにはクレーターまで見える赤い満月のように描かれる。
第六話。墓場でルークとジャスティスが酒を飲むシーンに白い月のカットがある。夜の戦闘シーン前に白い月のカットがある。
第六話で、再挑戦して敵を倒した時、その戦いの前に出ていた月は白かった。戦闘中も出てこなかった。
『全修。』の太陽の描写はどうだろうか?
『全修。』での太陽の描写。
第一話、ナツ子の回想シーンにて。『滅びゆく物語』の中でナインソルジャーが、九人揃って夕日の前に立っている。
第一話〜。エンディングにて、ルークが走って向かう光源は太陽としては大きすぎるし明確に描かれない。
第二話〜。オープニングにて、アニメスタジオに夜明けが差す、この太陽は現実世界のもの。オープニングにて、ナツ子が作画机で描く砂漠の夜明けシーンの地平に太陽らしき光源があるように見える。「夜明け」の指示書きも見える。これは『滅びゆく物語』の太陽的天体に見えるが地平一帯が光っていて太陽の存在を消す表現だ。オープニングにて、ソウルフューチャーの左に光源からの光のエフェクトがあるが、それは映写機からの光にスライドするので太陽とは言えない。収穫祭はソウルフューチャーに感謝していて太陽には感謝していない。
第五話、ジャスティスが主人公陣営を離脱する回想シーンで地平に沈む太陽らしき天体が描かれた。
第六話、ナツ子の再挑戦、初めての協力戦、ジャスティスの復帰戦、戦闘勝利後、夜が明け、太陽らしき天体が昇るシーンが印象的に描かれる。回想シーン以外で初めて描かれたこの世界の太陽。
第七話、現実世界で二宮がナツ子を好きな気持ちをつのらせるシーンと、県大会記録を出したシーンで、天中の太陽が描かれる。現実世界で蒼井三郎がナツ子の作ったアニメを見るシーンで、思いが昂るコメディ的描写で宇宙までいった時に、太陽が描かれる。現実世界でナツ子が女子高生に初恋狩りをするシーンで不気味な夕陽が描かれる。転生先の『滅びゆく物語』の世界で、昼の中庭で、登場人物全員で幸せな時間を過ごしている時、ナツ子は空を仰ぎ見る。空の天中近くに太陽らしき天体が描かれている。高く昇った太陽が描かれたのは七話が初めて。
制作チームは、『滅びゆく物語』世界においては太陽を、協調の象徴として描いたように見える。
太陽の意匠はこれまでなかった。太陽という言葉すらこの世界の人間からは聞かない。『滅びゆく物語』が太陽のかわりに輝かせるのはソウルフューチャーだ。第二話で、回想シーンの子供ナツ子が友達に対して「太陽のように輝くソウルフューチャー」と説明したのは現実世界でのことだ。太陽の代わりにソウルフューチャーが意匠としても宗教的モチーフとしても人気のようだった。この世界は、太陽の恩恵が隠されている世界なのだろうか?ホロスコープや月光反転法では、人間は太陽への意識が最も大切であると解かれるのだが。
月と太陽以外の天体や星座は確認できなかった。ただ町長の部屋に「ヴィーナスの誕生」らしき絵がかけられていた。美の女神アフロディーテとゼピュロス(西風)が描かれた絵だから、金星あるいは風を指すのだろうか?町長の娘で原作ヒロインのデスティニーは天秤座であるが、天秤座のエレメントは風、守護星は金星である。娘のデスティニーを可愛がる町長の暗示として制作チームはヴィーナスの誕生を飾ったのか?貝の上に立つ女の髪はピンクだった。これは偶然の一致だろうか。
追記。
第二話で、ナツ子による『滅びゆく物語』の回想の中で、世界元老院のような偉い人の会議場が出てきており、その真ん中に地球っぽい陸海ありそうな球体と、球体の周りに衛星軌道を二本の綱で表したようなオブジェがあり、これがこの世界の世界観なのかもしれない。つまり、世界は球体で、その周りを衛星が周回している、という認識があるのかもしれない。
補足。ルークたちのホロスコープは取得できるか?
公式サイトより。
広瀬ナツ子。22歳。誕生日|2月7日。
ルーク・ブレイブハート。18歳。誕生日|3月14日。
ユニオ。ルークと同じ日に生まれた。誕生日|3月14日。
メメルン。年齢不詳。誕生日|12月28日。
QJ。不明。誕生日|3月3日。
ジャスティス。不明。誕生日|4月15日。
デステニー・ハートウォーミング。不明。誕生日|10月14日。
滅びゆく物語の公開日は2006年。
ゲンジツの世界に生きたナツ子はともかく、ルークたちのホロスコープは取得できないだろう。
ルークたちの年齢を、2006年時点のものということはできるが、だからと言って、例えばルークとユニオを遡って1988年3月14日生まれと言えるかは微妙だ。鶴山亀太郎のインタビューには構想20年とあったから(七話)それより前に誕生している可能性もある。それに滅びゆく物語の中には西暦はないだろうし、天体の存在や星の巡りが同じとはかぎらないだろうし、時間も現実と同じように進むとは言えない。その代わり、現実世界に当てはめた仮のホロスコープがこのキャラに妥当であるかどうかという検討ぐらいは遊びでしてもいいだろう。
デステニー・ハートウォーミング。不明。誕生日|10月14日。
天秤座。風のエレメント・活動宮・金星。町長の部屋にあった「ヴィーナスの誕生」の絵が天秤座、ひいてはデステニーを暗示している?
天秤座はコミニケーションお化けであり、ソフトで優雅である、そこはデステニーっぽい。客観性があり、おしゃれであり、暑苦しい付き合いは苦手であるはずだが、そこは違うかな。月や月光反転に秘密があるだろうか。
ジャスティス。不明。誕生日|4月15日。
牡羊座。火のエレメント・活動宮・火星。赤がイメージカラーなのは似合ってる。ジャスティスがルークの元を去った時、太陽が沈み、ジャスティスが戻った時、太陽が昇った。でも守護星は火星。
火属性の星座の中では瞬間湯沸かし器に喩えられ、ナインソルジャーをやめるという潔い撤退や違法賭博場の用心棒にチャレンジするという身のフリの軽やかさは牡羊座の情熱の現れ方っぽいかも。すぐ戻ったし。
メメルン。年齢不詳。誕生日|12月28日。
山羊座。地のエレメント・活動宮・土星。革鎧の茶色というイメージカラーや古風な伝統を好むところ、感情の起伏がないところは山羊っぽい。
山羊の野心は物質世界での成功だから、物質界の破滅と精神的平和を願って超空洞ヴォイド推しになったメメルンは違うのかな。でも山羊座が仕事のできる有能な悪魔に例えられるという意味では、戦闘で頼りになって悪魔崇拝のトップみたいな活動してたメメルンは山羊座っぽいのか?
ルーク・ブレイブハート。18歳。誕生日|3月14日。
ユニオ。ルークと同じ日に生まれた。誕生日|3月14日。
QJ。不明。誕生日|3月3日。
魚座。水のエレメント。柔軟宮。海王星。ナインソルジャーの本拠地の中庭に面する食堂には、魚の壁飾りがある。入り口近く、中庭側の壁には魚の壁飾りが二つあり、これはルークとユニオに見える。暖炉側の薪置き場の上には、魚の壁飾りが一つあり、こちらはQJに見える。偶然だろうか?
魚座というのは、12星座中で死の星座と言われている。その不吉さはどこか『滅びゆく物語』を象徴する。全ての星座を体験して世界に溶け込もうとしている魂なので共感性が高い。メメルンに同情して涙したルークは魚座っぽい。キーワードは"I believe"。私もあなたもない。善も悪もない。綺麗も汚いもない。境界をなくし、全て一つの世界にして気持ちよく分かり合い、たゆたおうという星座。
ルークとユニオを「仮に」1988年3月14日生まれとし月星座を求めると何が出てくるか?
この日は東京出生地として、14時半くらいまでに生まれれば月山羊で、それ以降に生まれたら月水瓶。私の感覚だと、どちらも月山羊が似合う。
12星座の中で月山羊座の悩みは一番重くて辛いと言われる。月山羊座というのは無能な天使に例えられ、世のため人のために犠牲を払って偉いことをしようとするがうまくいかない。これは『滅びゆく物語』の原作の絶望に似てる。
月光反転した星座は蟹座で、これは家庭的で身内の中で安心に包まれ癒されることができるという徳目で、肩の力を抜いて自分のためとか家族のために好きなことをすると月を克服でき、人生を豊かにできる。仲間を全員失うことで月光反転の道を絶たれ月に固執して絶望する原作ルークにはぴったりだ。ルークは庭づくりや料理など家庭的なことが得意という意味でも月山羊が似合う。ユニオは自爆魔法でルークを助けた姿が、蟹座の由来となった蟹の話に通じる。
新月水瓶座の広瀬ナツ子は月しし座の広瀬ナツ子とはここが違う
1 巨匠を目指すので正解
9歳の広瀬ナツ子は、『滅びゆく物語』との出会いによって、自分が情熱を傾けるべきものを見つけた。これによって、しし座に矯正され月光反転した。
習字作品「早春」が貼ってある小学校の教室で、ナツ子の作品だけは「巨匠」と書かれている。そんな勝手を先生が許したのは、ナツ子のこれしか書かないという気持ちと、「巨匠」の字のうまさでなし崩し的にというところがあったのかもしれない。その方がしし座っぽいからね。
ナツ子は、「巨匠」になるという野望を宣言し、アニメーターへの道を走りだす。
こういう雑で大きな目標の立て方と、将来のビジョンを周囲に語る様子はしし座っぽい。
新月生まれであり、風格と奇才どちらも備えた巨匠になれそうだ。
2 オレンジ色好きが活かせる
月水瓶座のナツ子はしし座の色のオレンジを近くに置くことで月光反転を維持し太陽の意識を借りることができる。
9歳のナツ子が『滅びゆく物語』を見た時の服
17歳のナツ子のリュックとセーラーのスカーフ
アニメーターのナツ子のスマホ、ストップウォッチ、ホッチキス、マグカップ、置き時計、ティッシュ
ナツ子が私物にオレンジ色を選ぶのは、ルークの剣キングブレイブソードの発光色の影響かもしれない。
3 「孤高」自認がしし座を殺す
22歳という若さでオリジナル長編アニメの監督の座を手にしたナツ子は、しし座の情熱と力技、ファン(プロデューサー)のサポートによって得たポジションにも関わらず、変わり者の天才という自己イメージを持ってしまう。
自分の水瓶座領域を肯定してしまい、自分の未熟さに素直に取り組むことができない。月水瓶座が悪く出てしまってる。
月水瓶座性はファッションにも表れていると見ることができる。顔を覆うボサボサの黒髪や、体を隠すダブダブのローブのような紫色のパーカー、人間離れしたような個性的ないでたち、あれも水瓶座性を指向する自己演出ということもできる。実際に第六話でナツ子が殻を破る時には、髪をあげ、パーカーを脱いで腰に巻き、半袖の白Tシャツで運動部のように作画にあたる。クールで孤独な変わり者の天才は一旦忘れて、バカでホットで人を巻き込むような自己イメージが持てると問題を好転させるのかもしれない。幸い、転生中のナツ子はしし座がよく出ていると思う。
巨匠になると宣言しまくっていた頃のように、アニメ制作チームにもバカででっかいプロジェクトの野望を語りまくれば、しし座力で打破できると思うが…?
4 アニメと関わる方法=個人主義にアップデートが必要
ナツ子は大爆死アニメのオタクだったことや、アニメーター修行をしすぎたことの弊害で、人と体験を分かち合う経験がない。野望に忙しかったので孤独を気にしてこなかった。
ナツ子は自分が一人でいるのが好きだというセルフイメージを持っているけど、月水瓶座なので、ユニオに「友達いないだろ」と言われてちょっと傷ついてしまうし、「友達なんて要らない」と返しても声に強がりの響きが混じってしまう。太陽水瓶座の人は、本当に友達いなくてもこうはならない。
子供レベルの幼稚なスタンドプレーでは他人とうまく関わることができず、商業オリジナル長編の総指揮者なんて無理だ。
個人主義とアニメーターとしての成功体験とを分けることができない。
第六話ではこの課題を認識して新しい自分を試せたように見えたがどうだろうか。
ナツ子が帰還して監督をまたできるようになったら、チームメンバーが誰でも好きなように意見を言えて平等に議論をできるような風通しのいい環境にしようと、ナツ子が気をつけるといいと思う。それが水瓶座の太陽的な活かし方だと思う。
5 描きたい作品があるのに気づいていない
ナツ子は今まで、実はオリジナル作品がない。高校生の時に手がけたMV作品は監督の原案があったし、スタジオコンコンでの監督デビュー作品には漫画原作があった。
『滅びゆく物語』の世界でも、自分が過去にした仕事を描いて悦に浸っている。
誰かが描きたいものではない、自分が描きたいものはなんなのか?それに取り組むことが必要になる。
6 無自覚で永遠の初恋してる
ナツ子は自分のことを「変わり者のオタクで、恋愛に興味なし」と思い込んでいる。そのため初恋がわからないと悩む。でもそれは月が見せてる幻想だ。
ナツ子は『滅びゆく物語』のルークにとっくに恋してる。現実世界で何を描けばいいのかわからなかったのに、ルークがピンチの時は何を描きたいのかわかってる。それって、ルークを助けたいからアニメーターを目指したってことだろ。
反撃の狼煙はいつなんだ?
ナツ子の場合、月水瓶じゃない太陽水瓶座の獲得段階に入ったサインは『滅びゆく物語』の謎を解き、作品を理解する時だと思う。
なぜならば、水瓶座のキーワードは、" I solve " 我、解く。あるいは、" I understand " 我、知る。だから。
月水瓶座のナツ子は『滅びゆく物語』を、「わけがわからない」が「好き」と感じた。理解ができない、だけど心が惹かれてしまう。
月から脱して太陽に入った時、水瓶座性で作品を理解できるはずだ。
運命1 恋を自覚し世界を修正し巨匠となる
月の欠損理論でこの物語を見たときに、ナツ子がハッピーエンドを得るということは、ナツ子が月星座水瓶座の幻想を断ち切り、意識的にしし座を使って、太陽星座水瓶座を獲得するということだ。
この作品の場合、意識的にしし座を使うということは、自分の初恋を自覚すること。
太陽水瓶座の獲得を目指すということは、鶴山亀太郎の世界のうち、ナツ子は何を修正したいのか見つけること。
ルークを助けたいというしし座のパッションで、太陽水瓶の革命する力を獲得し、鳥監督の作品と対峙するということが必要になるだろう。
運命2 初恋は実らない
世界の全修に成功した時、ナツ子の魂が求める世界は水瓶座的な世界だ。
水瓶座は、博愛と平等が行き渡り、個人がそれぞれ個性的であり、同じくらいのレベルで議論を交わすことができる世界を望む。
ナツ子のしし座性がルークにトゥンクして、ルークが特別だとしても、彼を独占することはナツ子の中のいい感じの答えではないだろう。
ナツ子が書き換える世界は友情の物語になるだろう。そして初恋は過去のものとなり、思い出になるだろう。
補足。しし座と水瓶座の統合の演出
新月生まれのナツ子は、しし座と水瓶座を両方得意にできる。これは月の欠損理論を使った作品の見方であって、制作チームがそんなことを考えてるかはわからない。
ただ、しし座をオレンジ色、水瓶座を水色とすると、オレンジと水色を一緒に使った視覚的演出はちょいちょいある。例えば、作画机に座る前の変身シーン?で、最初にタップにまとわりつく二つの気の流れはオレンジと水色。メメルンに見せたエグジスト様の花びら演出も水色とオレンジ色。9歳や高校生のナツ子の服装。
広瀬ナツ子という名前は、広瀬が水瓶から出て広がっていく水の流れのイメージ、ナツ子が夏の太陽のしし座のイメージととることもできる。
補足。『全修。』は水瓶座っぽいっていう話
まずアニメ芸術がそもそも水瓶座っぽい。
理想主義的であり、俗世に興味を無くしたようなところがある。
次に、全修というテーマが水瓶座っぽい。
水瓶座は、革命の星だ。それまで凝り固まっていた社会通念やヒエラルキーによる支配が強いてくる理不尽に対して反抗的だ。すでに作られた世界も気に入らなければ従わないというパワーがある。
そして、主人公が水瓶座的魅力に溢れている。
この記事で書きすぎたからもう書きたくないが。
最後に、この作品が作られ生まれた時代に、水瓶座の時代がきたよってことを言いたい。
水瓶座の時代とは?
時代を司る冥王星が2024/1から水瓶座に移行する。過去15〜6年間山羊座にいた。ここから21年間、水瓶座に冥王星がいる。
プラトン年周期2160年周期が、これまではキリストが生まれてから今くらいまで魚座。今くらいから水瓶座がスタート。
我々一人ひとりの、水瓶座性が問われる。
水瓶座は自由と平等を愛する博愛の星座。フリーダムで軽ーい時代がくる。
西洋占星術全然知らないっていう人で、なんか『全修。』の感想読みたいっていう人向けに書きたかったんですが、最後の方書き疲れしてしまい、あんまり配慮できませんでした。読んでいただきありがとございました。お疲れ様でした。