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【考察10】お化け好きのための科学①【心霊現象や超常現象を肯定する論法】




1.お化けを肯定するための前提

お化けという物質と肉体を超えた実体・意識・心の存在形式を肯定するためには、宇宙が虚実の時空が直交して重なりあう二重構造からなりたっていることが前提になります。わたしたち生者が知覚できる物質的次元であるこの世は影絵のように射影された「影の世界」であり、霊的次元のあの世にこそ真の物理的実在が展開されているのです。既知の物理学と生物学の基本概念である時間、空間、力、物質、生命、意識、心などは、あの世が表現する派生的、二次的な概念にすぎません。物理現象のみならず、生命・精神現象を含めた宇宙の本体はあの世であり、この世はその一部です。


2.霊の力学

あの世も、この世の現象と同じくニュートン力学の運動法則にしたがいます(逆にいえば、あの世には相対性理論および通常の量子力学の法則や原理は働きません。詳細は後々)。しかし、そのふるまいは線形性をもつ単純なものではなく、複雑系や複雑系に基づいた有機体論システムを基本として運行されます。なぜならば、単純系では宇宙そのものに生命・精神や知能がなりたたないからです。

以下、コトバンクより抜粋

複雑系は、以下の三つの特性によって特徴づけられる。

 その第一は開放性である。開放性とは、系の外部にエネルギーを放出したり、外部からエネルギーを吸収したりすることを意味している。これに対して、外部とエネルギーなどのやりとりをしない系を閉鎖系という。閉鎖系は単純系に分類される。複雑系はまず第一に開放系でなければならない。

 第二の特徴は非線形性である。非線形性の反対語は線形性である。線形性とは自然数の足し算の効果を意味し、たとえば電池の直列接続のように、3ボルトと3ボルトの合計は6ボルトになるという単純な性質を表している。非線形性は、単なる足し算の効果に何かがプラスされた効果の表れを意味し、漢方薬における相乗効果のように、個々の作用の和よりも大きな効果がもたらされる性質の数学的な表現になっている。

 第三の特徴は、近年とくに注目されている自己組織性である。単純な物質系では、鉄が磁石になるような自発的な秩序化の現象が知られているが、それはあらかじめ定められた単一性の変化であって、多様性を備えた予測の困難な組織化現象ほどには複雑ではない。一方、生物の免疫系や人間社会などの複雑系は、さまざまに変化する外部環境に適応するように、自分自身を自律的に制御しながら多様に変化し組織化していく。このような性質を自己組織性という。開放性、非線形性、自己組織性によって特徴づけられた複雑系が示す諸現象は、その系を構成する要素間の相互作用に還元することができない。複雑系に特有な自己組織化の性質は、要素間の相互作用の内容までも変えてしまう。要素を分離して系全体の機構を探るという従来の科学の方法は、複雑系を解明するには不十分である。


3.あの世や心霊現象は近代科学の方法論だけでは解明できない

あの世をつかさどる有機体論システムの解析に対しては、客観性や再現性に基づいた近代科学の手法そのものに限界が現れます。近代科学が前提として分離してきた「観測者と観測対象」や「内的経験と外的経験(主観と客観)」「作用と被作用」「部分と全体」などの対関係に制御不可能な影響が生じるため、その方法論は自明ではありません。
近代科学が法則(数理的理論)に基づいて生起する再現可能な客観的事象のみを真理とする限り、世界そのものの全体性は理解されることはありません。

有機体論システムと近代科学の限界については、以下の記事を参照してください。