クジラアタマの王様[Amazonオーディブル感想文]

タイトル/クジラアタマの王様
著者/伊坂幸太郎

灰色の動かない鳥ハシビロコウはラテン語でクジラアタマの王様というらしい。

夢の中で怪物と闘ってそれに負けると現実の世界では悪いことが起こる。いや現実の世界で悪いことが起きるから夢の中で怪物に負けるのか､､､どちらが本物なのかわからなくなるパラレルワールドのお話し。
物事は一見悪事のように見えても本当は良い行いだったり、ある人にとっては良いことでも別の人にとっては都合の悪いことだったりという二面性がある。正義は一つではない。伊坂幸太郎節炸裂だ。

2019年7月に刊行されたこの本の中では新型インフルエンザが流行し、それに感染して人々がパニックになる様子が描かれてる。まさに予言の書だ。離れて見る分にはコミカルで滑稽だった。でも、2020年から2023年までのコロナ禍はパラレルワールドではなく空恐ろしい現実だった。それを私達は生き延びて今ここにいる。