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1973年のピンボール[Amazonオーディブル]

タイトル/1973年のピンボール
著者/村上春樹

「風の歌を聴け」「1973年のピンボール」「羊をめぐる冒険」は村上春樹の青春3部作だという。
実は「風の歌を聴け」を読まぬまま「1973年のピンボール」を聴いた。
どこから聴いても村上春樹だし、なんなら「羊をめぐる冒険」から聴いても大丈夫なんだろう。スターウォーズのように順序は関係ないような気がする。もちろんそれぞれに完結している。

本の中で北海道開拓者の武器は生まれついての貧しさだけだった、とある。北海道開拓者の貧しさは何にも代えがたい武器だというのは実感する言葉だ。
私ごとだが我が家に息子の友達が泊まりに来た。大学時代の話しである。
寝るのに布団と寝袋とどっちがいいかと聞くともちろん布団で、という。ワイルドやないなぁと笑いながら布団を用意したが、後日聞いたところ、夜中暖房がなくて寒かったらしい。我が家では寝る時は暖房がないのが普通で部屋の中は寒いのが通常なのだ。そんな家で育った息子は風邪をひかない。暑さにも寒さにも強い。泊まった友達は奈良の子で家の中はヒートショックのおきない整った家に住んでいたのだろうと思う。
貧しさは武器なのである、大いに納得した。
とここまで書いて、これって「羊をめぐる冒険」の話しやったかちょっとわからんようになった。

小説はわたしとネズミのそれぞれの別れについて、ジェイとの、双子の女の子との、配電盤との、町との、ピンボールとの別れが書かれている。

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