2023年7月の記事一覧
夏の星々(140字小説コンテスト第4期)応募作 part6
季節ごとの課題の文字を使ったコンテストです(春・夏・秋・冬の年4回開催)。
夏の文字 「遠」
選考 ほしおさなえ(小説家)・星々事務局
7月31日(月)までご応募受付中です!
(応募方法や賞品、過去の受賞作などは以下のリンクをご覧ください)
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優秀作(入選〜予選通過の全
花散る雨、里に恋しなりゆく(3)(完)【短編】
終.はなちるさとで永久に
「……また、話しても、ええの?」
――……いや、もう声はかけられない。そもそも、今回は本当に特例だ
「……そ、か」
こうなるかもしれないと、どこかで覚悟はしていたが、どうしようもない名残惜しさ、寂しさがわき上がり、ちりちり、と胸の奥を痛ませる。
――そんな顔をするな。姿は見えないだろうが、私はいつもこの辺りに居る
「……桜の事はもう願わへんけど……話し
花散る雨、里に恋しなりゆく(2)【短編】
弐.あめあられ桜雨
忘れたくなくて、少しでも思い出に関わっていたかったのだ。唯一の理解者がいなくなった現実の受け入れ方、どんな風に心を落ち着かせたらいいのか、今でもわからない……
「おばあちゃん……ほんま急やったんよ。元気そうやったのに…… 病気が見つかった時は、もう手遅れやった……」
自分自身でもずっと操り切れなかった何かが、口にしていく度に暴れ出す。小さな心の中に収まり切らないモノ