Stay Alive
実を言うと、今、とても悲しいのである。
これまでも、悲しみに暮れることはあったし、今もなお癒されない悲しみがいくつかある。それは僕にとってずっと背負うべき重しだ。
ただ、今僕をおそっている悲しみは、どうも手に負えそうにない。
時を過ごし、僕の背中に乗っかって僕の腰を少し折る程度のものではない。
僕はもう、この悲しみによって、潰れてしまうかもしれない。
雨上がりの朝に、道端で潰れているヒキガエルのように。
灼きつける陽射しのなかで、ぼくは淀んだ水面を見ていた。
ちいさないのちが、蓮の葉の陰で動いてる。
かわいらしく、いとおしく、
そのとき、僕の心配事はどこかに消えていた。
僕の撮った動画には、あなたの声が残ってる。
弾むようなかけ声、やさしい囁き。
川辺の道を走って、どこまでも行きたかった。
あの橋も越えよう、もうひとつ越えようと、笑いあったけれど
いつの間にか、帰り道、夕暮れの道だ。
僕は、胸の詰まりを抱えながら、ここに密かに言葉を吐く。
生き延びるためにはなんだってする。
追いかけてくる悲しみに追い越されないうちに
僕はどんなことだってする。
どんなことだってするさ。