記事『科学者を惑わし導く惑星逆行』
【大学の授業・自然科学史のレポート・前期で習った授業の中身からなんでもいい】
惑星がなければ、きっと地球が万物の中心であるという考え方のままだっただろう。キリスト教としても人間は神の創造物の頂点であり地球を支配しているという考えを中心にしていて、その宗教が世界中に広がり力を持っているのだから、惑星という存在の観測さえなければそのまま考え方を変えることなどなかっただろう。
故に、惑星が逆行していることは人類にとって大事なことだったと思う。カスティーリャの王アルフォンソ10世は「万能の神が創造に着手する前に、わたしに相談していたなら、わたしはもっと単純なものを推薦していたはずだ」と言ったそうだ。しかし、もし神がいるのだとしたら神は、惑星を作ることで地球が回転していることを分からせ宇宙という領域までも自分の場所であるんだぞということを示そうとしたのではないか。
惑星逆行とは、一般に惑星が背景の星々(恒星)の間を毎晩少しずつ東へ移動している(順行)のに対し、外惑星はときどき西へ移動することを指す。この現象は、外惑星が地球に比べて公転の速度が遅いため、地球に追い抜かされるときに起きる。
この惑星逆行のコペルニクスが「万物の中心にあるのは太陽だ」と唱えるように至るまでの天文学においての影響と占星学における要素と影響についてまとめていく。
まず初めに先に挙げたように紀元前三世紀ごろは「地球は停止していてその周りを太陽、月、惑星、星が回っている」とされていた。
その後、古代ギリシア人が惑星の運動を測定した時、すでに知られていた五つの空を彷徨う惑星の軌道は複雑であることを発見した。水星と金星は朝と夕方に太陽のすぐ近くで回っていて、火星と木星、土星は背景の恒星に対して780日、12年、30年で一周し複雑な逆行ループをしていると観測した。
そして、プトレマイオスが『周転円』の考えを洗練させていった。これは「副軌道」を惑星が回り、その副軌道の中心が太陽の周りを回るという考え方だ。この考え方は16世紀まで続いた。
また、アラビアでは天体の位置を計算する「位置天文学」の実践、13世紀後半にカスティーリャの往アルファンソ10世がスポンサーになり「アルファンソ表」の編集が行われ、新しい観測結果と数世紀に及ぶイスラム圏の記録を結び付け、プトレマイオスの説に新たな正確さをもたらした。このデータは17世紀初頭まで惑星の位置を計算するために用いられた。
そして、コペルニクスがプトレマイオスの考えに疑問を呈することになる。プトレマイオスのモデルは大変複雑なものになり、予測と観測結果を一致させるために周転円が加えられていた。コペルニクスは最初の現代的な提案し、宇宙の中心を太陽に変えた。しかし、天体の軌道は完璧な円運動で回転する透明の急に組み込まれているというプトレマイオスの考えにはしがみついたままであった。その結果、軌道のある部分における惑星の運動速度を調節するために独自の「周転円」を導入する必要があった。
このように科学者たちは惑星の動きを証明するために頭を悩ませそれぞれの答えを導き出した。
次に、占星術においての逆行の影響について述べる。
水星は88日、金星は224日、火星は687日、木星は約12年、土星は約29・5年、天王星は84年、海王星は165年、冥王星は258年かかって太陽を一周する。
占星術では、地球上に観測点を置くため、これらの惑星の見掛け上の運動も複雑な様相を帯びてくる。逆行中は順行中より効果が不安定になり、影響力がストレートに表れにくいとされる。逆行が意味するものは、未来よりも過去への意識であり、停滞やトラブルが暗示されることもある。振り返りややり直し、再挑戦というポジティブな意味合いもあるとされる。現代日本で一番注目される逆行として、水星逆行がある。水星の効果は、「知性をつかさどる、思考力、知覚力、識別力、学習能力、コミュニケーションなどの一切の精神的能力を支配(『占星学』ルル・ラブア 実業之日本社 2017年より)」である。このように、より身近な内容で個人的な影響を受けやすいため注目されやすいようだ。そして、コミュニケーションや情報伝達、移動などに関することでトラブルが起こりやすいとされている。大局観的な視野にかける傾向があるため、現代日本では一番流行っているのだろう。また、年に3回ほど訪れることも日常生活の不具合の理由付け、言い訳として使われる理由になるのだろう。次に起こるのは9月27日から10月19日である。次もきっと話題となることだろう。
このように惑星の存在は我々人類において重要であったことがわかる。惑星が逆行していなかったら、いまだに地球が中心であると疑わなかったのではないだろうか。水星逆行が本当にそのような影響を及ぼすのか私にはわからないけれど、月の満ち欠けと潮の満ち引きが関係しているようになんらかの関係があってもおかしくはないのかもしれない。また、水星逆行が行事のようにこの三年ほどで一般化した理由はわからないけれど、○○ムーンといったような月の観測についてもよく言われるようになったため、社会全体に天文学や占星術など宇宙がブームメントになっているのだろう。人々が宇宙に対して改めて興味を持ち始めたのだろうか。それは素敵なことであり、『宇宙兄弟』や『チ。』などの漫画が流行していることもこれを裏付けている。
人類は永遠に宇宙を想っていくのだろう。過去を知り、未来に興味を持つことが科学では大事なのだ。
【参考文献】
二間瀬敏史、2017年、『宇宙用語図鑑』、株式会社マガジンハウス。
ルル・ラブア、2017年、『占星学』、実業之日本社。
アダム・ハート=デイヴィスほか、2018年、『科学大辞典』、三省堂。
竺覚暁、2017年、『図説世界を変えた書物 科学知の系譜』、グラフィック社。
相賀徹夫、1985年、『日本大百科全書 6』、小学館。
基礎知識|ARI 占星学総合研究所 (arijp.com)(2021/07/31)
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ただ今、水星逆行中であります。
いやぁ、変なこと起こってますか?
私は昨日、急いで行かなきゃいけないのに、変な車に進行を停められる、電車が止まってる、電車の予定が狂ってるから間違える、楽しいことがあるはずなのにずっと楽しみにしてたイベントなのに現地まで行っても「行きたくない、やだ、辛い無理、帰る」という思考が止まらない。そんな日をすごしておりました。
理由も泣く涙が止まらず、嗚咽しながら目的地に入ることなく家に帰りました。
これは確実におかしい。
まるで、その場に行くなと言うような妨げ、もしかしたら、その場に行くとなにか良くないことが起きたのかもしれない。
それぐらい変な日でした。
何かに取り憑かれたか、そうでなければ、水星逆行のせいです。
水星逆行のせいだっ!って言い訳をしつつ、休みましょう。ゆっくりしましょう。
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