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【怪異短歌集❸】それは全て赤い女
瞬きをする度少し近づいてくるそれはいったいなんなんでしょう?
「助けてよ、助けて助けて殺される」毎日入る留守番電話
目の端で蠢くように笑ってるそっちを向いても居ない存在
通知音「あんたさ彼女できてたの?」添付された俺と助手席
スーパーのパスタコーナーに血溜まりがあった気がしたんだけどなぁ
学校の窓から墓地を眺めてるこちらを見つめる女が一人
修学旅行の記念写真 2組だけ回収されたその理由
Twitterバグってしまったらしいんだ 何度やっても写真が消えない
人のいない海水浴ゆらゆらと揺れるスカート目にこびり付く
合コンの誰も喋らぬ女から線香の匂いがし始めた
月3万の一軒家 別に女がぶら下がってるだけの話よ
ちょっと待ってごめん涙が止まらないあの人がずっとこっちを見てる
「肩痛い」ダムから帰った弟に濡れた女がしがみつき
青空のビルの上から落ちてくる繰り返す死は笑っていて
廃墟にはドアがひとつありました 入った人は二度と出れない