「息子のIBS治療に母としてどう向き合うか」ゲスト:管理栄養士はゆこさん【鈴木店長とKapanのスペース配信レポ】
こんにちは、cowhappiの鈴木店長です。
今回は、6/11(金)19時〜開催した、鈴木店長とIBSYouTuberのKapanで行っているスペース配信に、初ゲスト管理栄養士はゆこさんをお招きしました。
お子様がIBS治療中であるはゆこさん。
低FOD食を始めたきっかけや家族のお腹の不調にどう向き合いながら生活されているかなどを深掘りさせていただきました!
※会話中のIBSに関する治療法や症状については、はゆこさんのお子様に限定したエピソードです。あくまでも一つの事例として捉え、参考情報としてください。この情報により自身の治療や症状を判断することはお控えください。
◆管理栄養士 はゆこさん自己紹介
・特定保健指導を中心に食育やアレルギー、離乳食の相談をしている管理栄養士
・中2の次男がIBS(一昨年4月にIBS発症→去年4月から本格的に悪化)
この子についてのことを Twitterアカウント(@fodmap1) で呟いている
・長男と三男がいて男の子3人を育児中
・IBSなのは次男のみ
三男は便秘なので酸化マグネシウムを1年くらい飲むよう継続中
ちなみに旦那もお腹弱い系
◆IBSである息子さんの話
・野球チームで副キャプテンをしていて、チームの要だったので負荷がかかりプレッシャーで追い込まれてしまった。
・最初はお腹が痛いのでごはん食べないまま、遅刻してでも試合に行っていた。このようなことが続いたので本人の意思もあり野球は辞めた。
・最初腹痛が発症したときは野球チームをやめて症状が治まったので治療は特にしなかった。
その時は一時的な心理的影響だと認識したが、コロナのストレスから症状が再発。
・お腹が痛すぎて土日の野球にいけなくなったのが最初の症状。
症状としては、
下痢や出そうで出ない不快感
いつ出るか分からないから不安でトイレにこもる
一番つらいときは24時間お腹が痛い
学校に行けない
通学中もトイレに行きたくなるから移動が怖い
不安と腹痛の繰り返しで負の連鎖となる
◆初めは、3日間でやめてしまった低FODMAP
・低FODMAPの存在を知り、ネット検索や書籍で知識を得た。
・息子は小麦食品が好きなので、まずはパンやお菓子が食べられなくなったことがかなりつらそうだった。
・はゆこさん自身も経験が浅く、食べられなくなった食べ物の代わりの準備が出来ていなかったと今では振り返る。
・低FODMAP導入で治るかも分からないのにストレス度の高い食事制限をされることに強い抵抗感を息子が示した。
→その為、始めて低FODMAPを挑んだときは3日でやめた
◆大学病院でのIBS・低FODMAP臨床治療
・はゆこさんが自身で調べた大学病院で診察治療を開始。
最初、小児科でイリボー処方、ガス症状が悪化(この時IBS治療はなし)
しかし改善がなく、大学病院の科を転々とする。
→転々とした結果、IBS(過敏性腸症候群)であると診断
・はゆこさん自信が栄養士の専門誌で「低FODMAP」の存在を知る→その時は3日で低FODをやめた(不慣れな食事法にストレス負荷が高かった為/子供自身もつらそうだった)
・通院していた大学病院で運良く低FODMAPの臨床研究されている先生がいることが分かり、そのことをきっかけに一度挫折した低FODを再開しはじめているところ。
・大学病院から、息子本人に向けて基本的な低FODMAPの栄養指導を受けた。その情報とはゆこさん自信の栄養士の知識に沿って低FOD食を実践中。(大学病院は誰でも診察を受けられるが、紹介状がないと初診料が高いと思う)
・低FODMAPの臨床をしている主治医の先生に担当を変えてもらってから、子供の症状が劇的に変わった。大きな変化でいうと学校に行けるようになった。何をしたかといえば、低FODMAPを実施したこととと飲んでいる薬の処方を症状に合わせて見直してもらったことくらい。
(鈴木)IBSや低FODに理解のある先生に診てもらうことによる精神的な変化が息子さんにはありましたか?
→最初に低FODやった時に挫折していた為、初めは低FOD食事に息子も否定的だったが、改めて大学病院の先生に言われたことで「もう1回やってみる」と決意。理解のある先生が言うことで治療として気持ち変化したのかもしれない。無駄なことじゃないと前向きに思えているようだった。
(鈴木)IBSである次男くん以外の家族の食事はどうしてますか?
→朝は各々好きなものを食べる(次男は米粉パン)
昼食(お弁当)と夕食は家族みんな同じ食事
一品ぐらいは低FODじゃないものはあるけど、基本は同じ
仕事柄、アレルギー食の知識もあるので代替食レシピについては知識の中から編み出している。
例えばネギの代わりに小松菜など。小松菜はなんにでも使えて便利!
・低FODMAP食を作るで何がしんどいかと言えば、やはり何が低FODで何が高FODかという点。いちいち調べないといけないので負担がかかる。
・あとは、お昼は必ずお弁当を作らなければいけないプレッシャーがある。
・コープの冷凍米粉パンを頼ってる(宅配が便利)
米粉パンは手作りもする。米粉パンの調理は難易度高し!
・低FOD対応食材の取り扱い場所や代替食に関する下調べ準備によって、継続出来るかできないかに大きく関わってくる。
(鈴木)家族での外食は行きますか?
→家族お寿司屋・定食屋とかは行きます。
マクドナルドは、ナゲットなら息子は症状が出ずに食べられる小麦量なので買って食べている。(厳密には小麦が入っているので完全な低FODMAPではない)
イオンやローソンに売っている冷凍のライスバーガーは(次男は)食べられるのでフライドポテトとナゲットはマクドナルドで買って、家で常備しているライスバーガーと一緒にセット風で食べるなどの工夫をしている。
・息子自身も低FODの食べられる食べられないは大体把握してる。
調子がいい時はこっそりお菓子も食べてる。それくらいの緩さは大事かも!
息子本人が低FODを実践すると調子が改善することを理解しているので継続出来ている。
・お腹の調子が悪化しだしたら、自分から「ゆるめていた低FOD食を厳密にしないとね」と言い出したりもするようになった。
◆治療による体調とメンタル改善は一歩ずつ進んでる
低FODMAP食事療法も薬処方も鍼治療なども、どれも対症療法であると認識している。
そのためうまく組み合わせて本人にあったものを導入することで、完治というよりかは日常生活が過ごせるようになったらいいかなと今は考えている。
◆親として、息子のメンタルとの向き合い方について
(鈴木)息子さんと今感じている気持ちについてなど、メンタル面の話はしていますか?
→機嫌が良いときは少し気持ちを話してくれるので、そういった時に親子で前向きな話しをしている。
私(はゆこさん)はIBSの当事者ではないので、体調の調整を自身ですることは出来ない。食事面と薬を飲んでるかの管理くらいしかサポート手段がない。
自分だったら、自分の体調に合わせてごはんも管理出来るけど、本人じゃないから体調にあったごはんの提供が出来ない面がある。
例えば息子の調子が悪いのに気づかず、ゆるめの低FODレシピを作り続けていたなど適切な対処が出来ないもどかしさはある。
(鈴木)家族がIBSであるという方に対して、伝えたいことがあれば教えてください。
→まずは低FODMAPや病院治療など、出来ることを無理せずやっていけばいいと思う。全くやらないよりはやった方がいいくらいの気持ちで。
あとは、IBSである本人以外の家族全員が無理にならないこと。
子供に対してお腹が痛いことを充分に理解してあげられない時があった。
腹痛でも我慢して学校や仕事に行ってる人は沢山いるというニュアンスのことを言ってしまった時がある。
サボってる、気が緩んでるんじゃないか?という風に受け取ってしまう時期もある。もっとあの時に理解してあげられたらと振り返ることも。
親として、子供の勉強の遅れに対して焦りを感じてしまう。親の焦りを腹痛で苦しんでいる子供にあててもしょうがないというのは分かっててもついそういう態度をとってしまう時もある。
旦那も最初は息子の腹痛で学校を休むことに喝を入れていた。
本人もお腹弱い系なので「俺は腹痛でも仕事に行っているんだからサボるな」と息子に言ってしまっていた。その後、息子が低FOD実践に向き合う姿を見て旦那さんも応援するようになっている。
ご家庭それぞれの関係性や家庭事情が違うけれども、基本的には親は子供のことを心配している。
その心配は親は親自身で解決しないといけないのに、子供にあたって矛先を向けてしまうことはどうしてもある。
アドラー心理学でも言われていることでもあり、本人にあたることで心配を解決しようとどうしても思ってしまいがち。
(学生の場合は、出席日数や単位、内申のことなど心配の種は違えどこういったものが要因となって家族内での焦りと寄り添いの乖離が生まれることはある)
治療法がないのが一番苦しい根源。
だからこそ、向き合うには当事者も周囲も腹痛に対する理解と知識が必須になってくる。
更にその理解と知識は、失敗をいっぱい経験した上で成立している。
◆はゆこさんのIBSや低FODMAPの情報収集について
・今はモナシュ大学が発信している情報を一番閲覧している。
・ブラウザ翻訳機能を使い、モナシュ大学のfacebookやフォドマップフレンドリーというサイトも見ている。
・海外の情報なので日本食の情報が少ないのが残念。
私(はゆこさん)はIBSの息子のサポートのために知見を広げているが、IBS当事者の方で本当に不調続きの方はこんな風に情報収集している余裕もないと思うので、無理せず出来る範囲で小麦を避けてみるなど導入だけでもやってみるのがよい。
・栄養指導の時に良く言っているのは「継続は力なり」である。
ダイエットでもなんでも頑張りすぎると結局リバウンドしてしまう。
だから、低FODMAPに関しても長期的に継続するということを認識した上で出来る範囲で実施。
◆低FODMAPの取り組みが楽になる工夫
・難しく考えず、今まで食べていた食事から高FODに該当するものを避けていくという考え方が良いと思う。その中で作れるものを料理する。
・代替食材での、かさ増しは良く考えている。
例)キャベツの代わりにもやしでかさ増しなど
・無理に新しいメニューを生み出すのではなく、普段作っているものから引き算するように考えてあげた方がおすすめ。
・低FOD献立のルーティンが確立したのは約1ヶ月くらい。
・今でも高FODのもの気づかず食べてしまうことも多々ある。
「食べちゃった〜!次忘れなければいっか〜」くらいの付き合い方で良いと思う!
(最後に)
当事者もそのまわりの家族も、それぞれに最適なIBSとの向かい方があると強く感じました。
今回、はゆこさんの家族の向き合い方をお聞きして、改めて自身のお腹の不調との向き合い方について考えるきっかけを与えてもらいました。
さらに、もっと一人ひとりのお腹の不調と向き合うストーリーが知りたいとも感じた鈴木店長とKapanです。
これからもスペース配信を中心にお腹の不調と向き合ったコンテンツ発信を続けていきます!
スペース配信で遊びに来てくださった皆様ありがとうございました。
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