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つくる人も、食する人も、たのしい料理〜COVAのおもてなし
COVAに滞在するお客さまの大きなたのしみとも言える、地元の食材を使ったコース料理。
料理でお客さまをもてなしているのは、伊勢志摩出身の松本シェフ。
COVAから15分の距離の隣村で育ちました。
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いつも笑顔の絶えない松本シェフのつくる料理を食べたお客さまの多くは、「おいしかった」のあとに「たのしかった」とおっしゃるそうです。
梅雨がまだ明けていない7月初旬のある日。
初夏のコースをつくってもらいながらお話を聞きました。
1.COVAの料理
季節ごとに地元の旬の食材を仕入れ、もっとも適した調理法でつくる料理には、松本シェフの感じる季節の機微が反映されていました。
この日の料理は初夏を意識したメニュー。目の前の海で採れた魚介やCOVAの畑で育ったハーブが使われています。
コース一品めは、社長夫妻の思い出の味から始まりました。
NY滞在中に立ち寄ったレストランで食べた、“ベガーズ・パース(物乞いの財布)”
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中身がわからないまま、おそるおそる食べたらおいしかったという当時の思い出と一緒に、味のイメージを聞いて、いろいろと試行錯誤をくりかえしてつくりました。
蓋を開ける時のワクワクと驚き、ひと口でぽこっと食べられる見た目のかわいさが、食事の始まるたのしさをいっそう引き立ててくれます。
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サザエのあおさオイル焼き
あおさオイルは松本シェフお得意の調味料です。
オリーブオイルの中にあおさや玉ねぎを入れ、魚介を中心にいろんな料理に使っています。
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水茄子、真蛸、赤ウニ。
どれも松本シェフが子供の頃から食べている旬の素材を使っています。とくに伊勢志摩の赤ウニは獲れる数も少ないので、海女さんに直接お願いしてあり、手にはいったときにだけテーブルにのぼる貴重な食材です。
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シェフによると、北海道の濃厚なウニとは違うさっぱりとしたやさしい味わいが、水茄子やかるく湯にくぐらせた真蛸ともよくあうのだとか。
ピンク色のフジツボをあしらったり、シャーベットにした橙を添えたりと、目にも口にもたのしい一品です。
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前菜は
石川小芋にゆず味噌
とうもろこしのすり流し
車海老のせんべい
入梅イワシの小袖ずし
ブルーチーズをのせて焼いた紫ピーマン
ヒオウギ貝のムース
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梅雨入り頃のイワシは、あぶらが乗っているので梅干しを添えて。
ミネラルウォーターと塩だけのすり流しは味が濃く、とうもろこしそのもの。繊細な季節の移り変わりを受けとめ、料理は細かく変化していきます。
初夏から夏にかけて、旬の魚でもある鱧(はも)。
湯のなかに落とすイメージがありますが、この日つかった伊勢湾の鱧は脂肪分が少ないので、油料理にすることでふわっと仕上げました。
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鱧を切るシェフの手元を真剣な眼差しでみつめているのは、弟子の東尾さんです。
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理系の大学に通い研究者のみちを志していた若者が、気づけば料理の世界に飛び込んでいました。東尾さんが包丁を持つようになった経緯や、おふたりの絆についてはあらためて。
さて、松本シェフは一品つくるごとに食材を口にします。
どんなものかを必ず食べて、確認するそうです。
東尾さんもシェフの求める味を、舌で学んでいます。
この日のお造りは
漬け鰹の炙り
赤イカのネギ味噌
黒鮑の昆布じめ フィンガーライム柑橘
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赤イカは甘みがあるので醤油はつけずに、味噌とイカが口の中でバランスよく合わさるように仕上げています。1枚のイカの身と包丁を入れた身では、見た目だけでなく食感も全然異なるそう。
地元・和具港で水揚げされた金目鯛
茄子と金目鯛とフォアグラトリュフのソース
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これまで、日本料理の道を歩んできたシェフ。
COVAが立ち上がるまでにいろんなお店を食べ歩き、ときにはフレンチのシェフに相談にのってもらいながら、じぶんの味をみつけてきました。
食べてくれるお客さまの声に耳をかたむけつつ、常に学びを続けています。
次はメインのお肉です。
松阪牛のヒレ肉、シャトーブリアンを炭を使い、直火でじっくり時間をかけて焼きます。
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やわらかく口の中で溶けていきました。
〆のごはんは蛤と赤イカのリゾットです。
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日本料理のシェフと聞いていたので意外でしたが、実は思い出の味でもありました。
3年前に三重県の事業の一環で、スペイン・バスク地方に研修に出かけた松本シェフ。滞在中は料理に明け暮れていたそう。
ピレネー山脈西側にあるバスク地方は、独自の文化や言語を持つ人々が根付いているためか、フランスとスペインの国境中間のような料理が多い印象を受けました。
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デザートは2種
地元の南張メロンの果肉をたっぷり使ったアイスと、思い出の味バスクチーズケーキです
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コース全体を通して、松本シェフのもてなしと心くばりに溢れたやさしい味がしました。
2.料理に目覚めたきっかけ
料理好きのお母さんのもとで育ったことが、大きく影響をしていると言います。お母さんの横に並んで料理を見せてもらいながら真似をし、じぶんなりの味をみつけて大きくなりました。
小学生になる前には、畑で採ったニンジンを切ってバターで炒めて、食べていた記憶があるそうです。
それ以来ずっと、料理は好きなことです
高校生になると、遊びに来たともだちに料理を振舞うようになります。
多いときには20人近くの友人が泊まりに来ましたが、お母さんは嫌な顔をせず、笑顔で迎えてくれたそうです。
シェフも牡蠣があれば蒸して出したり、チャーハンを作ったりと自然と腕をふるうようになりました。
小さい頃から海に泳ぎに行って魚介を獲って食べこと。
畑から採れたての水茄子やきゅうりに味噌をつけて食べたこと。
お母さんが海でとったテングサを干して、ところてんを作ってくれて食べたこと。
松本シェフの食の原風景が、いつも笑顔で迎えてくれるおもてなしに繋がっていました。
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3.地元の食材にこだわりたい
伊勢志摩は豊かな自然の恵みを受け、素材そのままでもおいしい食材がたくさんあります。野菜やハーブの一部は、COVAの農園で育てたものを使っています。
訪れる人にはできるだけ、地元の食材を召し上がっていただきたいと考えています。
そのため直接知り合いの漁師さんや海女さんにお願いをし、旬の魚介を仕入れています。
わさびは県内のわさび農家から。
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鰹節は、学生時代にアルバイトをしていた鰹節屋の友人から。
薪を切るところから一貫して行なっている、今では珍しい鰹節屋さんです。見た目の美しさや凝縮した旨み、工程を知っているからこそ自信を持って使っています。
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松本シェフがこれまで培ってきた様々な繋がりが、COVAの料理には生かされていました。
食事は体をつくるものです。
おいしいことはもちろんですが、どういう感情で口にするのかもそれと同じくらい大切なはずです。
COVAでの豊かな食事は、つくる人の人柄が最後の仕上げになっていました。
朗らかで様子のいいシェフがもてなす料理が、実はお客さまが得られるいちばんの贅沢なのではないかと感じました。
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4.COVAでは一緒に働いてくださる方を募集しています
採用について
https://kakudapearl.jp/recruit/#recruit_point
COVA未来の里海準備室
TEL:0596-28-0231(担当:本多)