赤マルとリプトン #手紙革命
タカハシくんへ
タカハシくん、久しぶり。
お元気ですか。
お子さんは健やかに育っていますか。
愛妻活動、勉強させてもらってます。
君と出会ったのは、大学時代のアルバイトでした。
仕事にも少し慣れてきた私にとって、やっと先輩らしく接することのできる後輩でした。
最初の第一印象は、「仕事ができなさそうな男」。
今となっては新人なんだからしょうがないことだけれども、
大方の予想通り、君はへまばかりしていました。
ただ、君がただのへらへらしているだけの人間じゃないことは、
話すようになってすぐに気付きました。
一緒にいる人を和ませることができる能力という、社会に出て必ず生きる武器を君は持っていたのです。
ミスをしても、なぜか怒るに怒れない。
それは、他のスタッフも同じだったと思うけど、君に接客してもらったお客さんも同じことを思っていたと思います。
だから、オーダーを間違ってしまったり、出すのが遅くなってしまっても、
君の反応を見たお客さんは、
「お兄さん面白いね。まぁ、いいよいいよ。」
と言っていたのです。
私はそんな君のとてつもない能力を尊敬し、うらやましく思っていました。
ミスの仕方一つとっても君は本当に面白かった。
お客さん同士がけんかしてしまって、その仲裁に入ったところまではいいんだけれど、
うまいこと仲裁できずに間でもみくちゃにされている君も、
お造りを取りに行った帰り、階段で盛大に転び倒す君も、
大人数の宴会があって、その席の責任者であるのにもかかわらず、雲隠れする君も、
全てがちゃんとしたミスだけど、怒れなかった。
怒れるわけがない。
おもしろすぎるから。
本当に素敵な才能だよね。
大切な、大切な思い出を忘れずに、言葉として残すために、
過去のことをさかのぼるんだけれど、
君との思い出はすぐに昨日のことのように脳裏に蘇ってくるのです。
普段は、誰にでも敬語を使って、丁寧な接客も心掛けているし、指示出しも間違っていないんだけれど、
平気で人を斬る暴言を放ったり、笑いながらとんでもないブラックジョークを放ったり、
君のボキャブラリーにはいつも笑わせてもらいました。
へらへらしてても、頼りなくても、君がもつその雰囲気に周りの人間は魅了されているんです。
だから、どんなにミスをしても、どんなに問題発言をしても、君を嫌いになることはないのです。
人を和ませる君の空間コーディネート力は、もちろん元々素質はあったと思うけれど、
それだけではなくて、君がやるべきことをやった先に身に着けた能力でもあると思います。
社会人として当然に誰もができなければならないけれど、意外と難しい
・しっかりと人の目を見て話す
・誰にでもあいさつをする
・名前をすぐに覚える
・自分からコミュニケーションをとりにいく
これらのことを君は確実に行っていました。
だから、年上の人は気にかけてあげようという気持ちになるし、
年下の人は、何かあったら聞いてみようという気持ちになる。
相手を和ませることで、緊張が解け、相手は自分に心を開きやすくなる。
心を開いてくれた人間が周りに増えることで、自分自身が、立ち回りやすくなる。
結果、やりやすいように仕事ができて、成果を上げることができる。
そして、その根底には確かなコミュニケーションがある。
私がタカハシくんから学んだことは、
仕事のしやすい環境を作るために何よりも大切なことは、当たり前のコミュニケーションだ
ということです。
思い出せば、私が忙しくて、焦って、イライラしているときでもタカハシくんは、ちゃんとコミュニケーションをとってくれて私を和ませてくれました。
何度君の作る雰囲気に心が救われたかわかりません。
ありがとう。
結構ドタキャンとかするし、タイミングが悪かったりして、会えないことが多いけれど、どれだけ断られても誘いたくなるんだ。ごめんね笑
将来家族ぐるみで付き合えたらいいなと思っています。
ぜひ、今度ご飯でも、食べにいきましょう。