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魔王と器とイヤイヤ期

我が家にもイヤイヤ期が到来した

もしかしたらうちの子にはイヤイヤ期なんぞ来ないかもしれない、と楽観的に思っていた。

がそんなことはなく、御多分に洩れず来てしまった…

想像していたよりも30倍くらい激しい!

自分の行きたいところへ行けなかったり、持っているものを取られようとしたりすると、発動するイヤイヤ!

まず、キ〜〜〜と声を荒げて喚き始める
(高音と大音量で耳がツライ、完全な近所迷惑)

絶対にお前の言うことに従うもんか!という気概でこちらの動きの逆を突いてくる
(けっこう強い力で引っ張るんだなと感心しながら怪我しないよう注意する)

両者均衡状態に陥ると、先手を切って崩れ落ち得意の床戦に持ち込む
(脇から腕を真っ直ぐにして抱っこできないようにする匠の技を使われる)

床に寝ころげてギャン泣きしながら徹底抗戦を図る
(たぶんもはや嘘泣きなんだろうけど、テコでも動かないし聞く耳を持たなくなり、手がつけられなくなる)

1歳半の我が家のイヤイヤ行動はこんな感じで、きっと2歳、3歳になるともっと知恵も力もついてきて、末恐ろしい想像が浮かんでくる…。

我が家は今のところ幸いにもまだ1歳半のため、多少強引に抱き上げて一時休戦に追い込むことが出来るので、たぶんまだ良い方だと思う。

このままずっとイヤイヤ期のまま成長して、文字通り手がつけられなくなる可能性もなくはない。

自分の両腿をたたいて、顔を真っ赤にして血管張り裂けんばかりに怒っているのを見ると心配になる。
あまりにひどい癇癪が多発しネットで調べたりしようものなら、妻が「発達障害なのでは?」と余計な心配をしてしまうことにもなる。

子供を持つ親なら誰もが直面するイヤイヤ期の対応策。

いったいどうしたら良いの?と思っている親御さんは少なくないはず…

これは、人類の永遠の育児課題なのだろうか…

そもそも、イヤイヤ期はいったい何故訪れるのか。

それは、自分の感情や欲求を上手く表現できないからだと言われている。

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イヤイヤ期は早い子で1歳〜1歳半で始まり、特にピークは2歳前後と言われ、
その手のつけられない状態から魔の2歳児とも称されています。(←これから2歳を迎える我が家にとっては恐ろしい…)

さらに「悪魔の3歳」と進み(←我が家はこのまま成長したら魔王なのでは?!)、

その後は「天使の4歳」と落ち着くようです。(←ホント?!)
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自我の芽生えに伴い、意思や欲求、感情をどう表現したらよいかが分からず、「イヤ!」という表現になってしまう。

本当は自分でやりたい、甘えたい、これで遊んでみたい、あっちの物が気になるのに、、自由にさせてくれない!

なんで?!イヤだ!!

もっと遊びたい!
もっと食べたい!
あっちにいきたい!
これに触りたい!
ヤダヤダヤダーーー!

自分の意思や欲求が受け入れられることと、受け入れられないことがあるということを、この時期に学んでいくことが成長において重要な要素となるのです。

そして次第に感情や欲求表現をコントロール出来るようになり、家庭や社会のルールとの折り合いをつけるようになっていく。

この成長過程において、当然理解&共感して受け止めてあげるのも必要ですが、それで簡単に収まるようなイヤイヤ行動ではないとも思います。

もちろん何かを壊したり、暴力をするのはダメなことだと教えること。それぞれの家庭での一定のルール作りは必須です。

自分でやりたい/やりたくない、これ食べたい/これ食べたくない、こっち行きたい/あっち行きたくない、遊びたい/遊びたくない、登ってみたい/降りてみたい、甘えたい、触ってみたい、気になるetc...

自らの意思でこうしたい、ああしたいという欲求が湧き出てくるのは、生きる上では非常に大事なこと。

この芽をいかに摘まないように育てていくのか。

これが本当に大切なことだと、頭では分かっていても、日々の忙しない生活の中でどうしたらいいか分からなくなってしまう親も沢山いると思います。

ギャン泣きして床でニョロニョロしながら必死に抵抗し、断固として自分の意思を表明する姿を、燦然たる成長の証として誇らしく可愛いものだと思って見守ってあげられるのか。

子供の成長とともに一緒に成長していける存在として、子どもから我々両親も試されているのではないでしょうか。

そう。親としての器を。

2つの大事なこと

我が家でイヤイヤ期に直面して、大事だと思うことが2つあります

  1. 切り換えること

  2. 欲求解消と課題解決

親は子供にこうして欲しい、子供はしたくない。

お互いに平衡状態となった時、お互いにやり場のない思いを感じていると思います。

どちらもなんで分かってくれないの?!聞いてくれないの?!ってなってるはず。

子供自身もその思いをどうやって表現したら良いか分からないため、嫌がったり喚いたり泣いたりする行動表現になってしまうのです。

一方で、親たちもそんな状況ではどうやって止めたり叱ったら良いか分からなくなってしまい、ついカッとなってしまって声を荒げたりしてしまう親も多くないはずです。

そんな均衡状態に陥ったら、

まずは「切り換える」こと!

気持ちを切り換える、
意識を切り換える、
場を切り換える、
音を切り換える、
身体の状態を切り換える、
状況を切り換える、
タイミングを切り換える

何でもいいから切り換えてみる

イヤイヤモードのスイッチをOFFにすること

「嫌だー!!!!」となっている感情や意識を落ち着かせて、別の意識に向かわせる

例えば

・その場を離れる
・別の場所に行く
・親がやりたいことをやってしまう
・突拍子もない踊りをみせる
・歌をうたう
・意識を別の方向にむけさせる
・好きな絵を見せる
・聞いたことのない音を聴かせる
・動物を見せる
・動物の鳴き声を聴かせる
・笑わせる
・大声で笑う、一緒に笑う
・くすぐる
・スマホの特定のアプリを起動する
・高い高いする
・何度も抱きしめる
・親も泣く
・親も喚く
・シャワーする
・好きな音楽やアニメを流す
とにかくなんでも良いので、色んな方法で意識が別の方向に向くように試してみれるだけ試してみる

周囲の目や恥ずかしいとかを抜きにしたら、子供の意識を別の方向に向けさせる方法は沢山あると思います。

それでも何をしても変わらなかったら
・飽きるまでやらせる
・疲れるまでやらせる
くらいでしょうか。

とにかく、イヤイヤモードを如何にしてOFF出来るかをまず第一に考えてみることが重要。

欲求解消と課題解決

子供の意識を別の方向に切り換えてその場を乗り切れたら、次です。

まず子供が何をどうしたかったのか。何故やりた(くな)かったのか。よく観察し、どうしたらその欲求(やりたい/やりたくない)が解消できるかを(一緒に)考えて設定してあげる。

具体的には、やりたいことができなくてイヤイヤしてる時は、切り換えたあとでやりたい事が解消できるようしてあげる。

やりたくないことがあってイヤイヤしてる時は、切り換えたあとでやりたくないことを別の方法でチャレンジできるように解決してあげる。

楽しくないから歯磨きしたくない場合は、楽しく歯磨き出来るような遊びを導入してみることもひとつの手です。

例えば、子供が飲んでいたコップの水を机にこぼしてビチャビチャと遊んでいるのを、取り上げようとするとイヤイヤする場合。
(我が家でもやられる迷惑行為)

子供は、①水を注ぐ行為をしたい、②ビチャビチャと水で遊ぶ感覚を楽しみたい、③親の反応を見てふざけている、④それ以外の何らかの理由で、遊んでいるものと思われます。

①の場合は、注ぐ行為を学んでいる可能性もあるので、注ぎ方を教えてあげて、存分に大きめの容器へ注がせてあげるのも一つの手

②の場合は、水がピチャピチャする感覚や冷たいのを楽しんで遊んでいる可能性があるので、次の機会にたとえばお風呂で思いっきり水遊びさせるのも一つの手

③の場合、どこまでやって怒られないか、大人の反応を見て学習しているので、これはここまでやっていいorダメなことを教えてあげること。予め夫婦間で家庭のルールを決めた上で挑発にのり怒らずに接するのも一つの手

④の場合、例えば水を相手に飲ませてあげたくてやってる行為の可能性もあり、その水を受け取って飲んであげると喜ぶかもしれません
子供をよく観察して、検証を繰り返していくのも一つの手

(引用:https://kodomoe.net/serial/ouchi-montessori/25030/)

イヤイヤ期の行動分類

こうして一つの行動をよく観察してみると、イヤイヤ行動を4つに分類することができる。

1.発達や教育上に必要な行為/行動

2.純粋に楽しく遊びたい行為/行動

3.大人をからかったり反応をみてる行為/行動

4.それ以外の行為/行動

「1.発達や教育上に必要な行為/行動」は、多いに推奨される行動で、子供自ら意欲的に学習して進んでやってもらえるよう、親はサポートして見守っていきたい。

「2.純粋に楽しく遊びたい行為/行動」は、メリハリをつけて、子供が遊ぶときは状況が許す限り目いっぱい遊べるように親は時間を作るなり準備しておきたい

「3.大人をからかったり反応をみて試すような行為/行動」は個人的には正直好ましくないが、ダメなこととやっていいことをきちんと区別して教えられるように、普段から親は意識しておきたい

「4.それ以外の行為/行動」は、状況に応じるしかないが、例えばもし障害などがあればそれに準じた対応となるし、とにかくも親は行動をよく観察し子供の表現や行動を見逃さないようにしたい

全ての子供に合うような方法はやっぱりなくて、子供それぞれに合う方法を、親がトライアンドエラーを繰り返しながら模索し続けるしかないのである。


イヤイヤ期のその先、反抗期について書いた記事もあります。
https://note.com/course_key/n/nfbcc0bd23457

親子関係で解消できない想いを抱えてしまうと、子供は成長しても親離れ出来なくなってしまうことがあります。

深く抱え込んだ想いは、不登校や引きこもり、病気などを引き起こすこともあります。

イヤイヤ期も反抗期も、親が全てを受け止める覚悟を持って付き合っていくことで、未来の子供が救われることもあると思い、我が家では育児に格闘しています。

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