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翻訳サービス「DeepL」vs「Readable」どちらのほうがオススメか?

皆さま、突然ですが「翻訳サービス」は活用していますでしょうか?

今では市民権を得た、Google翻訳、DeepL、生成AIによる翻訳。
特に、私は大学院から今に至るまで海外論文を読む際には『DeepL』という翻訳サービス(アプリ)を使い倒してきました。

その中で、最近『Readable』という翻訳アプリに出会いました。
これは日本の会社によって開発されたもので、なかなか使い勝手がよく、驚いております(しかも安い!)。

今回の記事では、翻訳アプリ『DeepL』と『Readable』の特徴や、強みと課題を比較してみました。

ややマニアックな話ではありますが、海外論文を読まれる方には、お役に立つ情報になるのでは、と思っています。それでは、早速まいりましょう!


英語学習をやめた日

のっけから寄り道ですが、「翻訳アプリ」にまつわる個人的な話を、ふと思い出しました。

そういえば、私(紀藤)は5年前くらいまで、英語をそれなりに一生懸命勉強をしていました。スパルタ英語塾というのに通ったり、英語経験もないのに単身カナダへコーチングワークショップ(3日間)を受けに行ったり。

結果、TOEIC800点を超えるくらいまでは英語力は伸びました。
おお、いいじゃん、この調子で頑張ろう・・・!

なんて思っていましたが、”ある時”を堺に、英語学習は中断しました。

その”ある時”とは「Google翻訳が急成長したとき」です。

たしか、2017~2018年くらいだったような気がしますが、それまではポンコツな翻訳しかできていなかったGoogle翻訳が、ある時を境に、どんどん精度が高まってきたように見えました。

そして思ったのです。「・・・あれ、これ自分で翻訳するより、翻訳アプリのほうが正確だし、早いんじゃね?」と。

それから、「なぜ英語を勉強するのか?」がよくわからなくなってしまい、それを境に英語塾を退会する、となったのでした。

翻訳アプリを使いこなそう

基礎的な英語力(TOEIC600程度くらい?)があって、単語や文法などで検索ができれば、今は翻訳アプリ等の力によって、海外の情報へのアクセスは、極めて容易になっています。

そして、ChatGPTなどの生成AIの助けもあり、更に翻訳の世界は加速したように見えます。今では、「英語を自然な日本語のように翻訳するのはテクノロジーの仕事」(一定程度までは)というパラダイムになっているように思います。

その中で、「翻訳アプリ」を使いこなすことは、自分自身の手で情報を渉猟し、知識を収集する上でも、かなり有用なスキルだと思うのです。

そういった意味でも、これからご紹介するDeepLやReadableの情報は多少なりともお役に立つかも、、、なんて思ったり。

『DeepL』の特徴

まず、DeepL(ディープエル)の特徴です。

1.翻訳の精度の高さ
2.多言語(32言語)の翻訳が可能
3.PDFやPPT,Wordなどのファイル形式を維持したまま翻訳可能

精度が高く、ファイルをそのまま訳してくれるのがありがたいです。

料金は1ヶ月に3ファイルまでなら無料です。私は、Advancedの1ヶ月に20ファイルまで翻訳できるものを利用していますが、だいたい余らせています。もったいないので、もっと頑張ります(汗)

料金プラン https://www.deepl.com/ja/pro/change-plan#team

『Readable』の特徴

次にReadableの特徴です。

1.レイアウトが元論文と同じ形で翻訳してくれる(DeepLは崩れる)
2.左右の見開きで翻訳前・翻訳後を比較できる
3.値段が安い(使い放題で月額980円)

実際に使ってみると、「日本語翻訳のために作られたソフト」という感じがして、とても使い勝手がよいです。
細やかなレイアウトへの配慮、左右の見開きなど、実際の実績も「大学などの研究機関で使われている」というのも、信頼性を感じます。

料金プラン https://about.readable.jp/?_gl=1*1j08irh*_gcl_au*MTMwMDE0NTYzNi4xNzMzOTY1OTEy*_ga*ODUxODY3MDg5LjE3MzM5NjU5MTI.*_ga_W2QLFBJMM2*MTczNTE3NzM2NS4xMC4wLjE3MzUxNzczNjUuMC4wLjA.#Pricing

「DeepL」と「Readable」の翻訳の違い

では、最も気になる「翻訳」の面では、どのように違うのでしょうか。
以下、実際にある論文を翻訳した結果を比較してみました。

題材にした論文は「Workplace Courage: Review, Synthesis, and Future Agenda for a Complex Construct(職場における勇気)」です(記事の内容はこちら

GOODポイント(長所)の比較

「DeepL」のGOODポイントは、「細かいところもしっかり翻訳してくれる」ところです。Readableだと、小さい文字や図や表の文字は、翻訳されずにそのまま残っていることもあります。その点DeepLが優れています。

一方「Readable」のGOODポイントは、PDFソフトで開くと「見開きで翻訳前・翻訳後が確認できる」ことです。あれ、この翻訳どういう意味だろう?と思った時に、視認性が高く、翻訳前の文章を見ることができると、正確に理解することに繋がります。

正確性をチェックできる英語力があるならば、Readableのほうが、ストレスなく読むことができるのかもしれません。

MOTTOポイント(短所)の比較

対して、MOTTOポイントについてです。

DeepL」の欠点は「レイアウトが崩れること」があります。二行にわたっていたり、図や表が2ページに跨って翻訳されていたり、あるいは古いタイプの論文(PDFが印刷したもの)だったりすると、その崩れる確率はより強まります。(地味に、ストレスだったりします)

一方、「Readable」の欠点は「翻訳されない箇所があること」です。
例えば、他よりも小さい文字で表示される箇所(補足や図・表の文字)などは、そのまま残っていることもあります。
英語力が高い人なら問題なく読めるかもしれませんが、私レベルだとこれでいいんだっけ?と不安になります。結局、未翻訳の部分をDeepLに翻訳させて再度確認、となったりするので二度手間となります。

まとめと感想

「価格」「みやすさ」「翻訳の質」、それぞれを検討して思った、個人的な結論です。

正確性をチェックし、未翻訳部分をある程度読める英語力があるならば、「Readableがおすすめ」です。使い放題で、値段的にも安く、見開きチェックは魅力です。

英語力に自信がなく、細かいところまで全部翻訳してほしい。かつあまり値段にはこだわらないのであれば「DeepLがおすすめ」です。

私は英語力がやや足りないので、今のところReadableを軸にしつつ、DeepLと併用しています。もう少し使い込んでいけば、また違う形に落ち着くかもしれません。

改めて、ここ1年~半年くらいで、生成AIの登場を含めて、論文の読み方が一気に変わりました。これからもますます変化していくのだろう、と思います。新しい技術は取り入れつつ、自分自身もアップデートしていきたい、そのように思った次第です。

最後までお読みいただき、ありがとうございました!

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