「音に意思が感じられない」。ピアノの先生からプロっぽいフィードバックをもらって思ったこと。
「音に、”意思”が感じられませんね」
先日、ピアノのレッスンの際に、先生からいただいたフィードバックです。
過去一抽象的であったため、一瞬頭に「?」がよぎったと同時に、
「なんだかプロっぽい指導が入ったぞ・・・!」という、大人扱いされた幼稚園児のような感情になり、ちょっとした興奮を覚えました。
そんな浅い感想を持ちつつ、そのフィードバックの心を聞いてみると、実に示唆に富むお話で、学びに対する多くの共通点があるようにも感じたのでした。
ということで、今日はそんな体験談からお話したいと思います。それでは、どうぞ!
4月29日に「カンパネラ」を弾く(予定)
毎年の挑戦の恒例行事である、年1回のピアノの発表会。次は『ラ・カンパンネラ』という曲にチャレンジすることに決めています。自分にはめっちゃむずいです。。
そして、発表会月1回位の頻度で、ピアノ先生に師事しています。
(ちなみに「ラ・カンパネラ」はこんな曲。こんな風に弾けたら、超かっこいいのですが・・・まあ無理です(汗))
5月頃から「譜読み(楽譜を見てスラスラ弾けるようになること)」を始めて、半年ほど経ちました。
現在、なんとか譜読みは完了しました。
12月現在、めちゃくちゃ汚い鐘ですが、カンパネラっぽい曲の流れは一応形にできている、という感じ。
音に、意思が感じられません
さて、ピアノのレッスンの流れは、まず練習してきたものを、通しで先生に聴いてもらうことから始まります。
約5分30秒の曲を、一通り流して弾いてみます。そして、先日のレッスンでも、そのように流して弾いてみました。
すると、聞いてみた先生は、少し沈黙して、こう言いました。
「なんとか最後まで弾いてみたって感じでしょうか。
なんというか、、、ぼやぼやしていて、音に意思がこもっていないような感じがします」
!!
なんだか、いつもよりもスパイシーなフィードバック。
先月は褒めてくれたのに・・・、と思いつつ、それよりもいつもと違う質のフィードバックであることに、興味を惹かれました。
「たとえばですけど・・・」と前置きをして、先生は具体的に「意思がこもっていないと思う理由」をいくつか教えてくれます。
要は、このようなお話でした。
とのこと。「ギクリ」とします。
まさにその通りだからです。
なんとなく曲の輪郭ができてくると、ダラダラ弾くなどして、むしろ変な癖がついてしまうこともあります。
しかも、自分で弾いている音は、客観でなく主観で聞いています。ゆえにナルシズムのようなバイアスが混ざって、比較的上手く弾けているような錯覚が生まれることも。(だから録音をして、客観的に聞かないと修正は難しいのかもしれません)
その他にも、「”メロディを支える左手の和音”に意思が感じられない」「だから、左手と右手の音の長さや強さが揃っていなくて、ぼやっとして聞こえる」等の指導をされて、しかもそれがことごとくその通り。
その洗練されたフィードバックに思わず打ちひしがれる(良い意味で)のでした。
「指の第一関節」を固くせよ
その上で、具体的にどうすればよいのか?
先生はこのようにアドバイスをくれました。
「”指の第一関節から先”をやや固くするイメージです。
そして軽く弾くようにすれば、ぱきっとした軽い音がでますよ」
とのこと。
抽象度が高いアドバイスを脳裏で咀嚼します。
なるほど、いわば『ハンター✕ハンター』の「硬(こう)」みたいな形かな(できないけど)。あるいは、『呪術廻戦』の「コクセン」みたいなイメージかな、と(これもできないけど)。
そして、気合を入れて弾いてみると、「ちょっと力みすぎ」とのこと(そりゃそうだ)。
もう少しリラックスして弾いてみることにしたら「そうそう!そんな感じ!」とポジティブなフィードバックをお返ししてくれました。
なんだかアニメのキャラになったような気分になりました。錯覚ですけど。
師匠とは「応じてくれる存在」である
さて、レッスンが終わる頃、感想として私から口を開きました。
「音がぼやぼやすると、なんとなく感じていたことが明確にフィードバックしてもらえて目からウロコでした」
すると、先生はこう答えてくれました。
「壊滅的に技術的に弾けない箇所が少ないので、こうした話ができるようになってきましたよね。レベルは上がっていますよ!これからもっと表現の部分にも、入っていけたらいいですね」
とのこと。
力量がある師匠は、自分のレベルにあわせて応えてくれます。
練習不足で、譜読みもできていなければ、先生の引き出しを開けることもできない。
一方、もし自分が基礎的なことができるようになると、高い応用的な話も教えてくれるようになります。
今回のレッスンは、まさにこうした時間だったのかも、、、などと思うのでした。
弟子が頑張らなければ、師匠から多くのものを学ぶこともできない。だからこそ、師匠の引き出しを開けるためにも,弟子はより頑張る必要がある、そんなことを感じたレッスンでもありました。
いやはや、ピアノの世界の奥深さを、改めて感じている次第です。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!