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米川の水かぶり(2024年2月12日)

宮城県登米市東和町の米川にユネスコ無形文化遺産にもなっている「米川の水かぶり」という火伏せ行事に行ってきました。

米川の水かぶりとは

登米市東和町米川の五日町地区に古くから伝わる火伏せ行事で、毎年2月の初午の日に行われます。
地区の男だけが水かぶりの姿になり行事に参加できます。男たちは裸体の腰と肩にワラで作った「しめなわ」を巻き、「あたま」と「わっか」を頭から被り、足にわらじを履き、頭に火の神様の印であるかまどのすすを塗ります。この水かぶり装束を身につけ、男たちは火の神様に化身します。
水かぶりの一団は大慈寺の秋葉山大権現と諏訪森大慈寺跡に祈願した後、奇声を上げながら町に繰り出し、家々の前に用意された水を屋根にかけ、町中の火伏せをします。
人々は男たちが身につけた「しめなわ」のワラを抜き取り、自家の火伏せのお守りにします。
水かぶりの一団とは別に、鐘を鳴らす墨染僧衣のひょっとこ(火男)と天秤棒に手桶を担いだおかめが、家々を訪れご祝儀をいただきます。

登米市/ユネスコ無形文化遺産「米川の水かぶり」

会場になっている大慈寺に着くと、前日の荒浜磯獅子踊りのイベントで一緒だった龍笛奏者の山下進さんや、元東北歴史博物館館長の笠原信男さんとお会いする。他にも石巻の方にもお会いする。やはりこういうお祭りには来ていらっしゃるなと思う人達。

また、仙台げいのうの学校・縦糸横糸の小岩秀太郎さんともバッタリ会う。小岩さんはイギリスから音楽家のMonnaさんと写真家のマティアス・コラルさんを案内をしていて、ご紹介していただきました。ヨーロッパを中心に10年以上かけて、様々な民俗風習の写真をアナログカメラで撮影しているとのこと。今回は日本の東北の風習、文化をテーマにまわっているとのこと。(このお話はまた別記事にて:ただいま執筆中)

お水が入った桶が街中に置いてありました。これを使って神様の化身が建物へ水を屋根に向けて思い切り撒く
大慈寺山門

少し長かった開会の挨拶の中、能登の震災に対する追悼と義援金を募っていました。本当、一日も早い復興を祈っています。

大慈寺境内の秋葉権現と諏訪森大慈寺跡で御祈祷、御祈願するまではまだ神の化身では無いみたいで、

「御祈願前に藁を取らないでくださーい!!御祈願前はまだ神様の化身ではないのでご利益はありません!!」

と何度もアナウンスしていました。それだけ、みなさん待ち侘びたお祭りなんですね。地元の方々の興奮が伝わってくる感じです。

秋葉大権現前での御祈願
秋葉大権現御祈願後 火男とオカメが先頭

表の通りへ出ると今か今かと神様の化身を待ちわびる沢山人たちが溢れていました。

「カメラなどの機器に水がかかり故障した場合も一切の責任は負いかねますのでご注意してください!」

と、何度もアナウンス。僕はiPhoneだから大丈夫だけれどやはり濡れるのは厳しいので、しっかりと気をつけることにする。

諏訪森大慈寺跡での御祈願の後、街へ繰り出す化身達

街へ神様の化身が奇声を上げて繰り出すと、一気にギャラリーの人たちのテンションが上がります。水も屋根に向けてバシャバシャと激しく上がります。ソソっと近づいて少し藁を抜き取ってアリガタヤ〜と思っていたら、ベテランの方々が凄い勢いで化身から藁を剥いでいく。来年も来れたら僕も頑張ろう。

剥いだ藁は家の屋根に上げると一年家事にならずに済むという言い伝えがあるそう。また、この行事の神の化身はお寺の小僧さん、修行僧がやり始めたというお話も耳にしました。

大慈寺の表の通りが少し落ち着いてすぐに岩崎鬼剣舞の公演が始まるのですぐに境内に戻る。

イベントステージ 仏の化身の鬼剣舞と神の化身の水かぶり
岩崎鬼剣舞の方々 皆さんお若い

この日の岩崎鬼剣舞の記録などは別記事にまとめました。

鬼剣舞も終わると通りはとても静かになっていて、水が入っていた桶も綺麗に片付けられていました。

水かぶりの宿(化身の男達が準備などする場所・・・?)
片付けられた桶

そのまま歩いて車を停めている公民館まで行き、車を出そうとするとチーン、チーンとおリンの音がする。火男とオカメが静かに練り歩いて清めていた。なんか、良いな。
(家々を回り、ご祝儀を戴く役割だそう)

会場や公民館で配られていたチラシやパンフレット

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Yukihiko Yotukura(yukki)
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