ホームベーカリーで作るフォカッチャ(解説編)
前回は ホームベーカリーで生地を捏ねてフォカッチャを作るレシピをご紹介しました。
マニュアル操作で生地を捏ねる実際の手順が、ザックリとお分かりいただけたでしょうか。
今回は、捏ね方のもう少し詳しい解説です。
レシピ通りに作っているのになんだか上手くできない、という方は参考にしてみてください。
1.まず最初に材料を正確に計りましょう。
デジタルスケールを使って「重さ」で計ります。
パンの場合は基本的に計量カップ計量スプーンでは計りません。
パンの配合の割合を示す「ベーカーズ%」は すべての材料を「重さ」で計って表します。
2.粉は、強力粉と薄力粉を半々で混ぜて使います。
混ぜることで粉の力(たんぱく質含有量)を落とし、サックリ歯切れ良さを出します。全量を強力粉にすると生地の弾力が強くなります。
3.イースト量
イースト量6gは短時間で発酵させるために多めになっています。
時間に余裕がある方は減らしていただいて構いませんが、減らすと発酵が長く掛かります。例えば4gに減らすと一次発酵・室温28℃で40分くらい、二次発酵も様子を見ながら伸ばします。
4.今回は生地にもオリーブオイルを混ぜています。
これも短時間で作るためで、オイルを加えることで冷めても柔らかさを保ちます。
5.あらかじめ粉にイースト・砂糖・塩を合わせておいてください。
これは 短い捏ね時間でも材料を均一に混ざりやすくするためです。
6.お水(仕込み水)は冷水を用意します。
これは夏の場合です。一番大切なところです。
一般的にパン作りでは 捏ね上がりの温度を目標の温度(今回は26~28℃)に捏ね上げるため、季節に合わせて仕込み水の温度を調節する必要があります。
この「捏ね上がりの生地温度」が発酵のスタート温度になり、どんな風に発酵させていくかを大きく左右します。
夏は、モーターの熱や室温の影響で特に上昇しやすくなります。
捏ね上げ温度が目標を超えてしまうと パサついたパンになりやすいので気をつけてください。
7.ホームベーカリーのパンケースの中に仕込み水→粉類の順に入れて、本体にセットします。
8.捏ね時間の目安は15分。
できるだけ早くひと固まりになるように、ゴムベラで落とします。
捏ね始めの温度を計ったら、オリーブオイルを入れていきます。
直ぐにオイルを加えることで、よりサックリ歯切れ良さが増します。
ホームベーカリーで捏ねる場合、特に夏はモーターの熱の影響で生地温度が高くなりがちです。
「捏ね始め」と「捏ね上がり」の温度を毎回計って、ご自分の機種が何℃くらい上昇するのか大まかに掴んでおいてください。
(私の使っている機種はだいたい5~7℃上昇します)
少しでも上昇を防ぐため 夏は本体のフタを開けて捏ねていきます。
9.15分捏ね終わったら、グルテンチェックをしてみましょう。
生地の一部を切り取って薄く伸ばしてみます。
滑らかに伸びていきますが 少し力を入れると簡単に契れていきます。
この「簡単に契れるくらい」がフォカッチャの捏ね上がりの目安です。
滑らかさが足りないと感じる場合は、もう5分程度捏ね時間を追加してみてください。
10.きれいに丸めて捏ね上げ温度を計り、一次発酵へ進みます。
ここまでがホームベーカリーでのフォカッチャの捏ね方になります。
11.つまり、大切なのは自分で判断しながら捏ねていくということです。
使っているホームベーカリーが違えば 捏ね上がりの状態も違います。
季節によっても変わるし 粉の種類が変わればさらに変わってきます。
どんな状態に捏ね上げるのか 具体的なイメージをしっかり掴むこと。
生地を知ることはその第一歩です。
何度も生地を触って 薄く伸ばしてみてください。
今回は初めての方でも簡単に短時間でできるように、とフォカッチャを選んでみました。
こちらのnoteでは もっと手軽にパン作りを楽しんでいただけるよう、ホームベーカリーやパンこね機を使ったパン作りのコツをお話ししていきます。
できるだけ基本的なパンを掘り下げて行きたいと思っています。
よかったらまた ご覧くださいね。