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中国(鄭州、開封、安陽、洛陽)

(35番)  2019年   6月
17回目の中国へ行ってきました。
今回は少林寺に行ってみたかったのです。
昔、映画で「少林寺」を見て主演の「リー・リンチェイ 現在はジェット・リー」のカッコよさに憧れたタイプでして。
参加者は男性2名、女性7名の計9名でした。
華僑3世の方がいらして、買い物の時など中国語を助けてもらいました。
 
最終の日程表を見てビックリ。空海が西安へ遣唐使船に乗り、仏学を学びに行った際、滞在したお寺が二つも含まれていて、何か縁のようなものを感じました。
後記: 当時これを送った相手は皆知っていますが、実は「四国八十八か所巡礼」を済ませたばかりだったのです。
 
当時の留学生は20年間も帰国できないという決まりになっていたのに、空海はたったの2年間で帰国しました。お師匠さんの第七代恵果阿闍梨の教えも3か月でマスターし、第八代として「遍照金剛」という名前が与えられました。
外国人にその称号を与えたことはいかに空海が優秀であったかを示しています。
空海は中国に留まって教えを広めるよう懇願されたにも拘らず、自分は日本で困った人々を助けなければならないという信念のもと帰国の道を選びました。
因みに「空海」という名前は足摺岬の素晴らしい景色を見て自分でつけたもので、「弘法大師」というのは亡くなった後、醍醐天皇より頂いたものです。本名は佐伯真魚(まお)ちゃんといいます。かわいいですね。
 
ついでに雑学を。
小倉あんに使用する小豆は「大納言」という種類で、空海が唐から持ち帰ったもの。
日本の小豆よりも二回りほど大きめで煮ても皮が破れなくて縁起が良かったのです。
空海と知り合いの和菓子屋さんが天皇に献上するために、切腹の習慣のない公家の役職名にちなんで大納言と命名しました。
小倉あんの由来は京都の小倉山付近で栽培をしたために、この名が付けられました。
 
今回訪問した河南省は黄河文明発祥の地で、世界遺産としては龍門石窟、殷墟(いんきょ)遺跡、少林寺が登録されています。
ガイドさんによると中国には「黄河を見ずして中国を語るなかれ」という諺があるそうです。
漢民族の始祖は約7千年前の炎帝(えんてい)と黄帝で二人は兄弟だったそうです。
 
6月15日(土)
成田から約四時間のフライトで鄭州(ていしゅう)へ。
出発の待合室の案内板には現地の気温が37度と出ていて嫌な予感・・・
ここのところ、23度くらいで日々を暮していたので。
乗り換えがないのでら~くちん!鄭州新鄭国際空港は2年前に出来ました。
 
6月16日(日)開封(かいほう)の観光
 1.鉄塔
宋時代(960~1127)建立で高さは約56メートル、瑠璃レンガでできている。創建時は木製で高さも120メートルあったらしい。

2.大相国寺(だいしょうこくじ)
空海や最澄も滞在をした。555年建立で64の禅院等があり、1,000人以上の僧侶が修行をしたこともある。
黄金に輝く銀杏の一木彫りで7メートルの四面千手千眼観音像がある。
一番奥に大師堂があり、空海の銅像が建っている。31歳の時なので、若くて凛々しい。寄贈者は愛媛県の人の名前が多い。

3.龍亭公園
明代に再建された宮殿がある。

4.宋都御街
宋時代の商店街を再現して作られた町

5.清明上河園
北京の故宮博物院に所蔵されている「清明上河図」の世界を再現したテーマパーク。
いろいろなアトラクションを行っており、太鼓の演奏、高下駄の踊り、雑技団、火を口から吹く人等を見学。スタッフは皆、当時の服装をしており、雰囲気がよく出ている。
 
6月17日(月)安陽(あんよう)の観光
1.殷墟遺跡(世界遺産)
BC17世紀から11世紀に都があった場所。中国最古の甲骨文字が発見された。自分の名前の文字を書き写してきた。

2.登封(とうほう)にある嵩陽(すうよう)書院
儒教の書院で北魏時代(484年)に建造された。ヒノキの老木があり、樹齢4500年。
 
6月18日(火)登封の観光
1.少林寺(世界遺産)
北魏の孝文帝により496年に創建された。唐の李世民を13名の僧侶が権力争いから助けたことにより、庇護を受けることとなった。これはお寺の境内にある石板にそのことが書かれている。
千仏殿にある窪みは僧徒達の修行により凹んだもの。
銀杏の木に小さな穴がいくつもあいていて、僧侶たちが指の気功の練習をした跡。そうすることで、指で立つことができるのだとか。
 
少林寺のある登封の人口は50万人で、武術学校が50校、生徒数は10万人。映画のおかげで、貧乏な村だった場所が一躍豊かな観光地になった。
学校の近くを通ると、塀の隙間から生徒が怒られている様子が聞こえてきた。厳しそう・・・
一番いい場所にあるお土産屋さんの年間の家賃は5千万円。ひえ~!
中国のお坊さんは結婚もできないし、肉も食べることができないが、少林寺ではタンパク質を補うために、李世民が曜日を指定して食べることを許した。
プーチン大統領も仏教徒で、武術にも長けている(柔道家)のでここを訪れたことがある。
後記:この一文、あくまでもガイドさんの説明で今となっては削除をするかどうか迷ったのですが、このまま残します。
 
インドの高僧達磨がここの山の上(1280m)で9年間も壁に向かい座禅を組む厳しい修行の末開眼し、527年に禅宗を開いた。行きたいと思ったが、往復で二時間半もかかると聞き断念。
禅宗のお坊さんが両手ではなく何故右手だけで、挨拶をするかという話は達磨大師と弟子の慧可との間に起こった話。長くなるので、興味のある方は「少林寺の赤い雪」で検索してください。
 
2.ショーの見学
少林寺でそこのお坊さんたちの少林寺拳法が見られると思い込んでいたので、少々ガッカリ。
場所もお寺ではなく近くの建物の中にあって観光客相手用にショー アップされていた。途中観光客も参加をして真似をする。ほとんどが中国人だが、皆上手で驚いた。やはり、本場で見ると臨場感があり、30分間だけだったが、ま、楽しめた。

3.塔林
歴代僧侶の墓が248基ある。最近亡くなった方の塔には車、飛行機、パソコン、新幹線などが彫ってあったりする。時代を表しているなあ。
中国の新幹線にも乗ったことがあります。車内販売のコーヒーが美味しかった。

4.洛陽の竜門石窟(世界遺産)
471年から400年以上かけて完成した。大小合わせて10万体に及ぶ仏像が彫られている。唐の高宗により造営が始まり、則天武后も多額の資金を援助した。3年間分の彼女の化粧品代だとか。
その中でも廬舎那仏は世界一美しいお顔立ちと言われ、一説には則天武后がモデルとも。
東大寺の大仏はこの廬舎那仏をモデルにしたと伝わる。当時留学をしていた玄ほうが模写をして帰ったのだとか。
洛陽とは太陽が沈む場所という意味で、女性が立てる場所(当時はそう思われていたのであろう)である為、中国で唯一の女帝である則天武后はここに都を移したと言われている。

龍門石窟


 
ここは35年前に訪問済みで、2回目でした。当時はまだ人々の服装は人民服の人が多かったし、買い物も兌換券という外国人専用の紙幣を使いました。
その時は上海から西安まで列車で19時間かけて移動しました。西安に近づくにつれて車窓からは、洞穴に住んでいる人々が見えてきて「今時、こんな生活をしているんだ!」と驚いたことも。
今や電気カートじゃなきゃ移動できないほど整備されており、遊覧船で対岸から全景まで見られるようになっており、年月の流れを感じました。

龍門石窟

5.関林廟
関羽の首塚がある廟。赤兎馬の像もちゃんとある。
関羽は219年に呉の孫権によって荊州で命を落としたが、首は曹操のもとに届けられ、手厚く葬られた。何故かと言うと関羽は一時期、蜀の劉備の奥方二人と共に人質として曹操のもとにいたことがある。その時に劉備を裏切るように仕向けたが、決して揺らがなかったことで、忠義に厚い人物として曹操はすっかり気に入ってしまった。劉備のもとに返す日も部下が背後から襲おうとしたが、それを止めさせた。
 
関羽は武将なのに何故「商売の神様」と言われるのか。それは商売にとって一番大切な信用のある人間だったから。
 
6月19日(水)洛陽の観光
朝食時にレストランが開くのを待っている間に後から来たある外国人に「6時半から開くと聞いていたのに、いつ開くの?」と中国語で話しかけられた。キョトンとして、日本人なので分からないと言うと英語になった。
後からぞくぞくと外国人が入ってきて、聞いてみると研修生で、タンザニア、モザンビーク、ジブチ、フィージー、ラオスなどから30名ほどいた。建築学、特に橋の建設を学んでいるのとか。
私が「それぞれの国へ行ったことがあるよ」と言い、主な観光地の話をしてあげると皆喜んでくれた。
こんな所で、いろんな国からの人達と話ができるなんて夢にも思わなくて、時代は変わったなあとつくづく思った。
 
1.白馬寺
中国最古の仏教寺院で創建は68年。
名前の由来はアフガニスタンから二人の高僧と共に重たい経典と仏像を背負い、苦労して運んでくれた白馬を称えたことによる。
ここにも空海の銅像があって愛媛県の十三霊場会によって寄進されたとある。

鄭州に戻り市内観光
2.鄭州博物館
唐三彩はもちろん展示されていたが、宋三彩なるものがあると知り、時代によって使い分けているのだと納得。宋時代の枕で花、鳥などが描かれていて、緑、黄、赤と色も綺麗だった。

3.二七広場散策
4.徳化歩行街散策
 
夕食のレストランへ向かう途中、バスの中からたくさんの凧が揚がっているのが見えました。物凄~く高くてガイドさんによると高度1kmはあると言っていた。コレマタ、びっくりの光景でした。
 
6月20日(木)帰国
 
毎日が暑くて大汗をかきながらの観光でした。
中国は行く度に発展していて、毎回驚きます。特にITが。

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