見出し画像

産業現場のメンタル不調予防でカギを握る人たち


メンタルヘルス対策の予防に穴

産業カウンセラーの役割にはメンタルヘルス対策の支援がある。
*メンタルヘルス対策
 不調を未然に防ぐ(一次予防)
 早期に発見・対処する(二次予防)
 復職を支援する(三次予防)

予防に越したことはない。
が、どうも腑に落ちないのだ。
残業削減、有給取得促進、環境改善、セルフケアに関する情報提供、
管理監督者によるラインケア、復職支援。
予防対策は一次から三次まで多岐にわたるが、
どうも一つ足りない。

たしかに過労を防ぐことは最優先である。
しかし、過労現場以外にもこころの不調は存在する。
その原因が人間関係であることは想像に難くない。
特に上司との人間関係。
こちらの調査では1位となっている。
また、産業医を対象にした調査でも同じ結果がでている。
世の中は、ストレス要因となる上司がとても多い。
ストレス要因そのものである存在が、
ラインケアをするという矛盾が起こっている。

ストレス要因になる上司

では、ストレス要因になる上司がとても多いのは、
上司だけの責任だろうか。
管理職になる人は皆性格が悪いのか。
そんな訳はない。むしろ逆だろう。
つまり、そうならざるを得なかった上司が多い、ということではないか。
管理職も人間だ、余裕がない時もある。
イライラや焦りが言動にそのまま出てしまうこともあるだろう。
ストレス要因にならない上司でもそれは同じはずだ。
それでも部下と円滑な人間関係を築ける方は、何がちがうのだろう。

おそらく、余裕を欠いた言動に対する後処理の仕方が違う。
とてもシンプルな方法で受けとったことがある。
謝るのだ。
「内容は言えないが結構大変な時期でピリついていた、申し訳ない」
「私の勘違いだった、無駄骨を折らせて申し訳ない」
私が受けたストレスが軽減されただけでなく、
上司への好感度がむしろ高くなった。
また、上司自身もスッキリしたのではないだろうか。

かたや、何もなかったことにしたり、
最もな理論をたてて保身に走る方もいるかもしれない。
この場合、上司は自分のこころだけ、うまくバランスを取れている。
決して悪いことではない。
まずは自分のこころだ。
しかし、バランスを取れているように見えて
自身の罪悪感に蓋をして押し込めているなら、
それはそれで辛いことだ。
また、部下から盛大に嫌われ、それを感じ続けるのも辛い。

部下のストレス要因になるかならないかは、
ここに分かれ道があるように思う。

  • 他人をケアする余裕がある

  • 自分以外はケアする余裕がない

管理職とて、こころに不調をきたす。
一般職より大きな「~すべき」「~であるべき」を常に背負うのだ。
そこに上層と部下による「板挟み」が乗っかる。
蓄積したイライラの向こうに悲しさを抱えているかもしれない。
「皆の知らないプレッシャーに耐えて頑張ってきたのに」
「自分が若手の時はこうやって上司を支えたのに」
「良かれと思って発破をかけているのに」
「なのに、部下は○○(成長しない/自分を理解してない等)・・・」

管理職こそケアが必要

部下は管理職をケアしない。
管理職のさらに上司がその責を負うが、
それこそ余裕がないのではないだろうか。
私は管理職にこそ、定期カウンセリングが必要だと思う。
冒頭の「一つ足りない」予防策だ。
こころの状態に関係なくカウンセリングを定期的に実施する。
余裕のない時は、
責任転嫁でも愚痴でも、思いのままカウンセラーに聴いてもらう。
人ではなく環境の課題も見えてくるかもしれない。
余裕がある時は、
自身や部下の言動を違う目線で振り返れたら
部下との関係も円滑になるのではないだろうか。

「お局さん」という言葉を知らない人が増えてきたように、
管理職のケアが当たり前になれば、
ストレス要因の上位からゆっくり消えていくと信じている。

私はと言えば・・・

こんなことを書きなぐっておきながら、
自分が書いたことに自信がない。
管理職でもなければ、まだカウンセラーでもない。
何かできることはないかと思う反面、
「私には無理だし、こんな話はとうに誰かが語り終えたに違いない」
と思考が言う。
(現に調べたらすぐ素敵な記事がでてきた)
「無知が自信満々にバカなことを発信してしまったと記事を削除する日がくる」
とも言っている。
大層ふがいないが、これがいまの私である。
恥を忍んで書いておく。
自分のために書いておく。
人はいつだって、今の自分の最高を選択している。
最高が変わった時には、素直に「変わった」と言えたらいい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?