1年「じどう車くらべ」ビフォーGIGA アフターGIGA
3年前に1年を担任した際も、今回も、教科書で3つの自動車について読み取り、学習した後に、図書資料から自分で自動車を選んで「じどう車カード」に「しごと」「つくり」をまとめていくという、同じ流れで学習しました。
流れは同じでも、学びの深まりという点で、違いを感じました。
例① ビフォー
「コンクリートミキサー車の『つくり』には、何と書けばいいかなあ」「本に、『ドラムというコンクリートをためる場所がある』『まわる』って書いてある」「じゃあ、それを書こうかね」「『まわる』って、どんな感じかなあ」「こんな感じかなあ(ものを動かして考えてみる)」★
(「先生のiPadで調べてみようか」と言いたいが、30人以上いて、一人ひとりに個別対応でiPadで調べさせる余裕がないため、諦めた。)
アフター(今回)
上の★の続き
「先生、タブレットで調べていいですか」「もちろん!」
…「先生、いい動画を見付けました!ゆっくり回っていて、中はこうなっているんだよ。ネジみたいだね。これでコンクリートが固まらずに混ざるんだ。」「それに、ここに『レバー』があって、回すスピードや向きを変えられるんだよ!コンクリートを外に出す時は逆に回すんだよ!」
「レバーのことも『つくり』に書くよ!」「えっと…何と書けばいいかな」「今先生に話したように書けばいいよ!」「えっと、もう一度動画を見て、説明を考える!」
そうして自分で何度も見ては、説明の文を考えていました。さらには、「このじどう車カードに、おすすめ動画のQRコードを載せたいな~」「先生、今日見ました!本当に回っていました!中に入っていたんだね」と、彼の学びはその後も続いていました。
例② ビフォー
「木材運搬車の『つくり』には、何を書こうか…」「う~ん、本に何も説明が書いていないね。トラックと同じで、『荷台が広い』ことかな」「けれど、それじゃトラックとほとんど同じだね。違いは?」「この棒かな」「この棒のおかげで、木が積み下ろししやすいし、木がたくさん積めるんじゃない?」「この棒って、つけたり外したりできそうじゃない?」★
(一緒に調べたいが、30人が「ぼくもiPadで調べる!」「私も!」と押し寄せて来ると支援が必要な子への支援ができなくなるので、「先生が調べてみるね」と言って、家で調べてくる。)
アフター
上の★の後、「タブレットで調べてみようよ」「『木材運搬車 つくり』で検索してみよう」「この動画はどうかな」「…わああ!棒を取って、木が一気に落ちた!」「このことを書きたい!」
こうして、手助けを受けながらも、自分の端末で自分で調べることで、自信をもち、伝えたい気持ちでいっぱいの様子でした。「棒を取ることで、木を一気に下ろせる」ということも、何とか文にして書けました。
この子はこの後、2枚もカードを書きました。
例①②以外にも、5人くらいが、本で調べてみてさらに調べたいことをタブレットで調べました。
本で調べて、分かって、疑問が出て、
タブレットでさらに調べて、分かって、伝わるように文章を考えて、(探究サイクル!)
できて、うれしくて、
「思い」と、「本にはない知識」が込もっている分、みんなで読み合う時にも自然に熱が入っていたように感じました。
GIGA端末の有無以外にも、クラスの人数の違い(3年前は34人、今回は14人)もありますので、単純には比較できませんが、学びの深まりを感じた国語科での使用例でした。
補足
3年前も、今回も、同じワークシートを使い、『じどう車カード』をかくこと」を「単元を貫く言語活動」として、学習を進めていきました。(トラック、クレーン車、と進んでいくにつれて、□(空欄)が大きくなるようにしました。最後に自分で自動車を選んで書く際には、枠のみの用紙です。
振り返りの「むずかしかったこと」は、「おもったこと」に変えました。