モノクロおじさん誕生
ときどき見るYoutubeのムービー。
幡野さんのツイートで紹介されたもの。
「blur」
不鮮明、ぼやけたもの、ぼんやりしている とグーグル先生は翻訳してくれている。
息子の日常や風景を父親(アンドリュー)が撮る。しかし眼があまり良くない。
物語は観てもらえればわかる。15分程度。
「独特の世界にいるそれが良くも悪くもなくその人である」
前回noteで書いたように僕は生まれ持って色覚異常。
これは遺伝だから仕方ない。僕の背が高いのも遺伝。
赤緑色弱というもので、好きな山の緑や紅葉、熱が高い人の肌の赤みとか感じにくい。
それを絵や写真で表現しようとすると一般的な人の見ている色との差異が出て見た人は違和感を感じるようだ。
「いい写真は誰でも撮れる その2」
2024年3月10日
写真家の幡野広志さんが講師のワークショップに参加できた。
朝6時に自宅を出て新幹線に乗る前に写真撮って乗った。
東京駅に着いて写真撮って、千代田線に乗った。
車内がとても空いててお客さん全然いないから、格好良い運転席の写真撮った。代々木上原駅につき、テクテクあるいて開始時間の午前10時の10分前に会場に到着。
会場の真ん中には大きなテーブルがズドンと置いてあり、それを囲むように11人の参加者が座る。男性6人、女性が5人だったかな。
僕は幡野さんから一番遠い奥の角席に座った。
身体が大きい僕はなにかと邪魔になりがちなので、端の席が空いてたら必ずそこに座る。
おかげで窮屈な思いをせず、しっかりワークショップを楽しめたし、あとからわかるんだけど、この席がいちばん良い光が入るので良い写真を撮りやすいらしく、実際に楽しめた。ラッキー。
午前はカメラの仕組みと写真を撮る際の心構えを聞かせてもらったあと、自然光でそれぞれ撮影。
美味しいお昼ご飯と珈琲をいただいて午後は、お腹いっぱいになって幸せ気分で眠くならないうちにパソコンで現像の実践。そのあとは、それら現像した写真を回収して幡野さんのモニターでみんなで見て、検証。
数名は幡野さんにその場で現像してもらうことができて、にっこりして終わりって感じ。
「カメラ持ってる人は土佐犬と一緒」
怖いから離れて撮るようにしましょうってこと。
これバイクも一緒。
バイクって基本的に社会にウザがられてるし、家族には乗ること自体が危険だからって否定的な会話になりやすい。
だからできるだけ集団で動きたくないし、ツーリング先もお邪魔させていただきます的な感じでいるようにしたいししている。
ほんとにうるさいバイクや乱暴な運転するバイクは爆発すればいい。
スーパーカブは少し違って風景に目立たず混ざりやすいの。
土佐犬じゃなくてトイプードルくらい(犬苦手な人はこわいだろうけど)
ナンバープレートが犬山市とか住んでるとこがわかりやすいし、ご当地ナンバーとかもあるので現地の人とコミュニケーションが取りやすいっていうメリットもある。#広告(笑)
でね、告白しちゃうけど僕は当日に大失敗をしたの。
ワークショップの終わりがけに僕がバイク屋店主ということで幡野さんからAPトライクの質問をいただいた。
「これでツーリングってどうでしょう」って。
「壊れたら部品が手に入りずらそうだから大変かもしれませんね。カブいいですよ」なんて僕は言ってしまった。
失敗だわ!全然ダメだわ、そんなこと聞いてないし、つまんねぇおじさんだわ。クソリプです。ごめんなさい。
「えっ!いいですね。乗って壊れたら、その時ですよ。それから考えればいいじゃないですか」って答えるべきだった。ほんと恥ずかしい。
学べたこと
「撮影は配慮して感謝して距離と光に注意して好きなものを真ん中で撮影する。データはRAIDで保管。そしてパソコンで現像しまくって、お箸を持つようにそれらの作業にまずは慣れちゃいましょう。わからないことはまずはググれよ」って理解した。
最高でしょ。全然わかんないでしょ。いいのそれで。
気になったら幡野さんのワークショップに参加してね。
あっという間ってこともないんだけど、終わっちゃう時間には「よーしやりまくるぞ」って気持ちになってた。
プロから知らないことを聞けてマンツーマンじゃないにせよ少人数のWSをこの金額で開催していただけることって、とてもとてもありがたい。
ずっと一言一句を聞き逃さないようにピリッと緊張してたわけでもなくて、幡野さんの使うMacBooKがアタッチメントみたいなのを三脚に取り付けたアルミの台の上にあるの見て「あれいいじゃん」って思ってスケッチしたり、会場にはびっしりと本が置いてあるのでそれらの背表紙見たりもしてたら終わっちゃった感じ。
現像が難しい
全員が現像した写真を幡野さんと参加者の皆さんが見る時間が午後にある。
小池さんが作ってくれた美味しいお昼ご飯や会場にあるお花を撮ったりする。その写真を各自のPCで現像。
で、その現像した画像とRAWデータをフォルダに入れて幡野さんにエアドロする。
僕は送るフォルダの中に千代田線の電車で撮った写真もその場でなんとか現像して入れて送った。
現像のやり方は幡野さんが操作するLightroom classicの使い方を見て、僕らは真似をする。コピー先を間違えない。これ大事。
色味の決め方は色温度と色被り補正のスライダーを振り子のように動かしていい感じのとこで止めるってやり方。
僕は色弱(流行んない歌みたいだけど)
この振り子の作業が実にむずかしいの。
スライダーをググーっと右へ左へ振って、良い感じの色味へと絞っていく。
「はい、こんな感じ」って決めていく。
この良い感じってのがどうにもこうにもわからない。(ブルドッグって言いたい)
普段は、このスポイトマークをクリックして画像内の白いものを拾ってアプリ任せで、なんとなしの色味を調整していた(Lightroom classicにしてもらっていた)
変わっていく画像の色味が僕には赤っぽいのか緑っぽいのか茶色っぽいのかわからない。
現実の色味がみんなとずれてるんだからモニター上で合わせられるわけなんてない。全然心地よい正解に出会えない。
普段通りにスポイトでチュチュっと吸うなんて作業は、朝も早よから新幹線に乗ってわざわざ東京まで来たのでイージーすぎてもったいないし格好悪いって思っちゃった。イージーで良いのに。苦しんだ方が正解があるって思っちゃうのよ。ほんとマジでやめたい(笑)
色弱おじさんは、おじさんなりにスライダーチャレンジして色味をふんわり決めて現像してできた写真をフォルダに突っ込んで提出したの。
で順に送られた参加者の方々の写真を見ながらワークショップが進行。
最後の方で僕の写真を幡野さんと皆さんに見ていただいた。
モノクロおじさん爆誕
僕のフォルダ開けて写真見ると幡野さんが「おや?」って感じで動きが止まった。
「ちょっと、よつばさんのカメラの設定を見せてもらっても良いですか?」って幡野さんに言われた。
「はいはい、もちろんお願いします」ってカメラを幡野さんにお渡しして、アシスタントの狩野さんに僕のカメラの設定の確認の指示をする際に「ちょっとマゼンタ」って聞こえた。
瞬間に脊髄反射‼︎
「幡野さん!僕、色覚異常です。赤緑色弱です」ってお伝えした。
色の不具合の原因がそれだと気付かれたようだった。
カメラ本体の設定ミスではなく、僕が振り子でギュンギュンとスライダーチャレンジした結果だった。無念。
「あーそうなんですね、モノクロにしましょ。モノクロいいですよ」って幡野さんからアドバイスをいただいた。
(あーやっぱりそうなっちゃうかぁ、逃げのモノクロとか言うし、なんかマイナスのイメージがあるんだよなぁ)って心でつぶやいてからせっかく東京まで来てるんだから色弱おじさんとして言いたいことは言おうと思って
「カラーの方がかっこいいじゃないですか、なんとかカラーで現像をやりたいんですよ」って言ってみた。
「いやモノクロいいですよ、ほんとに」「見た目も白と黒でモノクロだし(笑)」ってもういちど言ってもらえた。
「わかりました! 僕、今日からモノクロおじさんになります」
あっさり言えました。頭髪やヒゲも白髪混じりだしね。
幡野さんは「めっちゃ素直ですね」って笑ってくれて、参加者の皆さんも笑ってくれて、もう忘れられない思い出。
遺伝の結果だし、努力しても僕には手に入らないもの。そこに時間を使うのは勿体無いし、できることを続けていく方がいいよね。
カラーの現像やめるわけでなく、手段が目的ってやつにならないように適当にゆらゆらと楽しみながらモノクロ現像しようって今は思ってます。
暇つぶしのひとつで、楽しくて写真を撮ってるのに、そこで苦しくなったら意味ないじゃん。
自分が楽しいって感じで写真と言葉で残せたらいいわって。
ヨシタケシンスケさんも色塗りはお任せしてるって言うし。
現像で色味さわって微妙に心が不安になるの嫌だし、モノクロ現像であれば他人の力を借りず、全て自分で済ませることができる。これ大事だもん。
アンドリューのボヤけた写真と同じように色味がおかしくても僕の世界はそうなんだし、僕しかみてない独特の世界なんだから僕のこと大事にします。
「記憶の再現。自分が何をみたか、見たままの状況が良いんです。」って幡野さん。
写真はじめて良かったし、僕が良いと思ったことに良い感触の反応があると嬉しいのでnoteも続けていこう。
良い暇つぶし見つかった。