勝手雑感:GO田中氏のセミナーから考える広告代理店の営業の未来。
数年前から経営方針の中に急遽「専門性の特化」が入りだした。HR系の経営方針はそれだけだったので、兎に角頭に残ったし、自身の「専門性」について考えるようになった。
デジタルの部署はバイイングにしろ、企画にしろ兎に角専門性が「立ちやすい」。専業に比べると弱く映るのかもしれないが、総合なりの強さがそこにはある。
企画系のセクション(広告クリエイティブの制作ディレクションや、オンオフのイベント企画、PR全般)も尖れば果ては大学教授で1コマできるくらいになる。
ストプラ(戦争KW由来で戦略とか練るチーム)に関してもスタートアップのCMOとかにヘッドハンドされるケースもあるくらいに、サービスや会社のポジショニングから今後の展開方向を示唆できる。
メディア(特にオフライン系)は超ニッチで、取引先のメディア事業、周辺情報には超強い。過去の取引形態考えても、関係値の構築がベースにある取引は会社として強い。またそこから派生するビジネスをメディアフラットに考えられるのはエージェンシーだけだったりして、それも強い。
はて、「営業」はどうだろう。
広告会社の営業とはなんだろう。
クライアントの機嫌とったり、浅く広いようなマーケのナレッジを持っていたりして、本当に「使いまわし」がきかないんじゃないか。
「営業さん」とか社内では言われたりして、ちょっと偉そうだが、クライアントグリップしてないやつは「生きる資格なし」という感じで、専門性なんかあるんだろうか。グリップするだけの専門性ってなんだろうか。
いろんな「袋」を握ってるやつが偉いんだろうか笑
そんな感じでメディア→営業に異動してきて5年が経過してモンモンとしているところにGO田中氏の講演(#ADBOX)が飛んできた。ブレイクスルーカンパニーを評して博報堂出身の三浦氏と電通出身のだれかが立ち上げている会社の営業の責任者の模様。
GOでは「営業」とは言わないで「ビジネスプロデューサー」と呼ぶらしい。あくまでクライアントの御用を聞いたり、案件を進める役割ではなくて、「ビジネス」を「プロデュース」する役割を持っていると。
参考までだがGOは「BP(ビジネスプロデューサー)」と「CD(クリエイティブディレクター)」が2個1で動くらしい。CDも金の話をするし、BPも企画を出すらしい。海猿のバディのようだ。
最初は、なんかいきった高校生のような、東京の私立の大学生のような「はずかしー」みたいな感じでBPをとらえていたが、結構クリティカルなんじゃないかと思いだした。
ぼくは「営業」です。とジブンで考えるのと「BP」です。と考えるのでは大きく仕事に影響が出そうだと聞いていて思った。ペンキ塗りしているわけじゃなくてパリの街並み作っているみたいな話。
営業なので、「企画」はださないだろうし、
営業なので、「ストラテジック」は考えないだろうし、
営業なので、「コピー」も考えないと思う。
実際ジブンも社内社外の優秀なクリエイター(マジでよく案件の相談をメールや電話しただけでそんなに面白い企画だせるなと思う)をアサインして客先連れてまでが仕事だと思うことが正直結構あった。クライアントが言う無茶ぶりを調整していくこと、予算にはめること、スケジュールを調整すること、そんなことが「営業」の仕事なんだろなーと思っていた。
一言、ジブンを「BP」だと言うだけで(考えるだけで)
BPなんで、「企画」も1つや2つ考えて会議行くだろうし
BPなんで、ジブンが思う「ストラテジック」も考えるだろうし
BPなんで、的外れかもだけど「コピー」も考えると思う。
クライアントや生活者や世の中が考えもしない「アイデア」を世の中に実現させて「カタチにしていく」。「カタチにする」為にベストな方法はなにかを考える。時には客先に「それはちがくないっすか?」ともいうだろうし、クリエイターの1球目の提案に「もうちょっと真剣にやろうよ」とかも言うんだと思う。
だれも問題視してこなかったが「広告営業」というコトバで「拾えなかった仕事」が結構過去もあったんだと思う。やれメディアが売れない、やれ利益率が低い、やれ予算が合わない。というのは広告営業から見た世界であって、ビジネスをプロデュースしていく、クリエイターのアイデアを世の中でカタチにしていく、そういう仕事をしていると思うと、ちょっと目線が変わる。
ビジョニングの話でNEWPEACEの高木氏も言っていたが、@コスメが「マーケットデザインカンパニー」と名乗るところから集まる人材は変わるし、競合とするマーケットは変わる。
「ブランドは過去の資産の積み上げ」で「ビジョンは未来への共感、参加」みたいな話だと思う。「営業」は過去の広告会社の歴史そのものであって、今後は新しいカタチを見つけないといけない。それが「ビジネスプロデューサー」なのかはアレだけど。
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