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徒然雑感:世界を変えたネット広告(杉山恒太朗さん)/時代を捉えた広告が時を経てなんと心にしみることか。



おそらく今週の月曜だったと思う。

いつものように日経を読んでいて、大きな衝撃を覚えた。

久しぶりに広告クリエイティブの可能性を感じたし、大学生の頃の「広告クリエイティブ」に対する熱い熱い思いを思い出すことができた。やっぱり「広告業」っていいよなぁーっと改めて感じた。

上記が日経の元記事です。

そもそも杉山恒太朗さんが好きで、そのきっかけとなるのは「アイデアの発見」だった。過去の広告クリエイティブの中で、杉山恒太朗さんのお眼鏡にかなったものが選ばれているが、その言葉選びや感性、広告を見る視点などどれもが、とにかく「知性的」で「文化的」だった。ちょうど10年広告業に従事しているが、きっと昔のアドマンは「文化」に近く、もっとプライドがあったはずだった。戦後復興の日本をもう一度文化的にしようとしたアドマンたちの「魂」をコトバの細部から感じる。

全然関係ないけど、新卒採用にも少し関わらせてもらってるが、その時のような優秀な学生も入ってこないし、そのような「魂」を持つ学生も広告業界には来ないと感じる。それは、もうヒシヒシ感じる。優秀な学生はいるが、業界や、一国の文化を語るような学生はもうきっと業界には来ない。


さて、本題に戻ります。

誰も経験したことのない未曾有のコロナウイルスや、一人のアメリカ人の死がもたらす米国の分裂。

07年に制作されたCMだが、様々な色彩が融合することで発色する黒色と人種差別が対比されて表現されている。今、このタイミングでのdiversity is strengthは本当にココロに刺さる表現だなと感じた。

どちらの正義が正しいとか、そういう強さの基準比較ではなく(AorB)、

「違い」を融合させていくことこそ、「強さ」である(AandB)と発想を転換させるクリエイティブジャンプが広告表現の妙なのかと思う。

テラハの花ちゃんの件もそうだが、「正義」の競い合いというものは常に「危うさ」を秘めている。そんなことは、とっくの昔にガンダムが教えてくれている。お互いに「正義」があることを認めなくてもいいから、認識しないといけない。そのくらいは島国の人間でもわかる。

この表現以来、業界ではsocial goodが口癖のようにMTGに登場するようになった。代理店もクライアントも社会課題の解決の為にその一旦を担うことが是であるという現在のSDGsにつながる思想の根底に連綿と流れている。きっと。

日経の結びにも杉山さんが書いているが、「元来伝えることが仕事」である広告業界の人間が「今、この瞬間」にできることは結構あると思う。

クライアントの予算や、オリエンを待つのではなく、自ら動き出し「世の中」にアクションしていく姿勢が、「未来の文化」を作っていくと感じている。

さて明日も頑張るかな。

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