土居分小菜との出会い
「土居分小菜(どいぶんこな)」というお野菜、皆さんはご存じですか?
私はこの野菜に出会ったのが2018年。6年前のこと。
岡山県真庭市の二川(ふたかわ)地域でしか栽培されていない伝統野菜です。
見た目は小松菜の様なアブラナ科の野菜で、辛味や独特の風味もあり、柔らかで美味しい野菜です。ほの苦さや優しいえぐみもあり、私はこの個性が大好きです。
元々は江戸時代から栽培され、地域の食を支えてきた野菜で、他の野菜が少ない寒い時期に雪の下でも育つ貴重な葉野菜だったのだそう。
昭和30年に湯原ダムが完成されたことにより、地域の大部分が水没し、住人の多くの方が他の地域に移ることになってしまった。
そして、一度は消えかけてしまったこの「土居分小菜」を復活させるべく、地域の取り組みのお手伝いをさせていただきました。
二川地区について
最初伺った時には、地域のお母さん達が中心となってお菓子作りをされている団体様へ、技術補助の様な形でお手伝いさせていただきました。
「どうやったらより美味しくなるか」「綺麗に焼き上がるか」だったり、一年で春と秋しか収穫されないこの野菜をどう保存してお菓子に上手に使っていくかなど、野菜の特性や食味を見極めながら、お手伝いさせていただきました。
元々美味しく仕上がっていたお菓子でしたが、パティシエの方にも一緒にご協力いただき、より良いものになったと思います。
そのご縁もあり、昨年メニュー開発のお手伝いで再度伺うことになりました。
"幻の伝統野菜"と言われ一般流通はしていない野菜なので、地域の方にも広く知っていただけるよう、家庭でも作りやすく気軽に食べられる品目を選び、レシピを作りました。土居分小菜のほのかなえぐみや苦味もちきんと美味しさとして生きる様に4種類のメニューを作りました。
特に子供達には、様々な味を味わって欲しいと願っています。
「土居分小菜」で町おこし
読売新聞さんが記事にしてくださいました。
料理教室や商品開発など色々な形で食と向き合いますが、この様な取り組みに携わることができて嬉しく思います。
貴重な伝統野菜を守り続けてくださる二川地域の皆さんを尊敬し、これからも応援しています。