[外国人と働こう!] 日本で増えるムスリムとの働き方 Vol.1 食事
日本国内で働く外国人が前年比12.4%増の204万人に達しました。
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上の記事にもありますが、増加率の1位はインドネシアとなりました。
1位 インドネシア 56.0%増 (121,507人) 〔+43,618人〕
今日はそのインドネシアで87%と一番多いイスラム教についての記事となります。今回のVol.1では特に食事に関してとなります。日本でイスラム教の方が働く場合、日本の企業は何を準備すればいいのか、考えていきます。
イスラム教とムスリム
イスラム教とムスリムってなんだろう。
イスラム教を信仰している人々のことをムスリムといいます。
世界に何人のムスリムがいるか、ご存じですか??
その数、なんと約18.5億人となり、世界人口の1/4を占めます。
半数以上がアジアで暮らしています。
日本企業は確実にムスリムの方のための準備が必要な状況です。
食事について
ハラル
まずは、ハラルとラマダーンの基本情報となります。
ハラルとは、イスラム教において「許されている」という意味です。ハラルフードは食べることを許された食べ物となります。
逆に禁じられている食べ物をハラムといいます。
〇ハラルフード例 (許されたもの:食べられるもの)
魚介類・野菜・果物・米・小麦・牛乳・卵
イスラム法に則った食肉処理がされた牛肉や鶏肉
〇ハラムフード例 (禁じられたもの:食べないもの)
豚肉・アルコール・豚が含まれた餌を食べた家畜・血液
イスラム法に則った食肉処理がされていない牛肉や鶏肉
なお、この分類は国や地域、個人や学派で異なるため、必要であれば従業員個人との会話で確認しましょう。
また、日本でも広がってきている"ハラル認証マーク"があります。
このマークがあれば原材料や調理方法がハラルである目印になります。
ラマダーン
一年に一度、夜明けから日の入りまで断食をする断食月(ラマダーン)があります。食べることも、なんと水を飲むことも許されていません。
これはお金持ちも貧乏人も身分に関わらず等しく空腹などの辛さを味わい、恵まれない人々を思いやるなどの理由があるようです。
逆に、日没から翌日の日の出までは飲食は許されています。
ちなみに、旅行中の人、重労働者、重病人や高齢者、妊娠中・生理中・授乳中の女性、乳幼児などは免除となります。ただ、その中でも旅行中の人や妊婦など、後で断食をやり直せる見込みのある者は、やり直す必要があります。 (厳しいですね)
子供は6~7歳ごろから徐々に体を慣らして始めるようです。
企業として準備
ここでは、ハラルとラマダーンを考慮した準備や注意点を挙げていきます。
・社員食堂がある場合は、ハラルフードか否を明示します。ハラルフードのメニューには、ハラル認証マークをはっきりと見える位置に貼りましょう。
・ハラルフードの調達が難しい場合は、他の従業員と不平等にならないよう、留意しましょう。例えば社員食堂を福利厚生として安価で提供している場合は、その恩恵を得られていない分の手当てを支給しましょう。
・ハラルフードを入手できる店や、ハラルフードを選択できるレストランを調べてあげましょう。
・飲み会を開催する際にはハラルフードを選択できる店にしましょう。また、無理にお酒を勧めないようにしましょう。
・ラマダーンは非常に体力的に疲弊します。この時期には普段以上にムスリムへ気を使い、感情を逆なですることなどはやめましょう。
・ラマダーン期間に無理やりランチやランチミーティングに誘うのはやめましょう。
・歓迎会を開催する場合は懐石料理などではなく、ボリューム満点のハラル料理にしましょう
ただ、最終的に食べられる料理の判断はムスリム個人が行います。よく話し合って社内ルールを決めるようにしましょう。
終わりに
以上となります。今回はイスラム教の食事に関する記事でした。次回は1日5回の礼拝についての記事を書こうと思います。
お読みいただきありがとうございました。
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