グレタ・トゥーンベリのこと
2019年の「今年の顔」。ニュースを見かけない日はない。今日は、グレタ・トゥーンベリと、チャールズ皇太子の面会があったとニュースに出ていた。
日本で、彼女はあまり好意的に受け止められていないようだけど、こちらではヒーローだ。特に、若い世代への影響力は計りしれない。彼女にインスパイアされて、「自分にもできるはず」と勇気をもらった子は多い。肉食をやめた子もいる。行動を起こす子が増えた印象だ。
息子は昨年、クラスの有志と環境保護のデモに参加をした。ローティーンの子たちが、学校を休み、大人の活動家と混じってロンドン中心部を行進するということで、親たちにとっては、そう簡単にゴーサインをだせるものでもなかったけれど、彼らは、真摯に向き合って、みんなで協力して、反対する大人たちの説得にあたった。「警察に捕まった時に理解しておかなきゃいけない自分の権利」なんかの情報もまわしていた。これはちょっと冗談としても、正直、ちょっとぐっときた。
グレタがした国連でのスピーチに、拒絶反応を起こしてしまった人もいるかもしれないが、10代の子にあそこまで言わせた自身の不甲斐なさを省みるべきだと思う。本来なら、彼女でなく、私たち大人が発言すべき内容……その前に、そんな発言は必要ないように、言い訳ばかりせずに真摯に現実と向き合って行動をおこすべきだった。
彼女は、普通に学校にいって、子どもらしく過ごす権利があったのにーそうであるべきなのにーそれをできなくさせたのは、私たち大人。スピーチの中で、「夢と子ども時代を奪われた」と述べている。なんて痛々しい心の叫びなんだろう。「未来の世代はあなた達をゆるさない」若い世代、今はまだ存在しない世代も含めての本音だろうと思う。
言葉の強さや、彼女の性質などを批判して問題をすり替え、メッセージの本質を歪めることがないように気をつけたい。親世代として、きちんと受け止められる人間でありたい。
自分の子どもたちには、今の快適な暮らしが環境保護とは相容れないこと、便利な生活を諦めるという事がどういうことか、説明をしている。自分が我慢をしても、犠牲になっても守りたい地球なのか、綺麗事でなく、しっかり考えさせたい。そして、彼らの意思を行動につなげられるようにサポートできたらいいな、と思う。
そして、目を覚まさせてくれた彼女に感謝したい。