狐とね

欧州在住の移民一世、多国籍児のこども二人の母です🇪🇺🇯🇵🇫🇷🇬🇧🇪🇸🏳️‍🌈こどもの福祉と教育機会の平等に強い関心があります。自分の未来を信じられる子が一人でも増えたらいい。現在日本語教育について集中的に勉強中。

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欧州在住の移民一世、多国籍児のこども二人の母です🇪🇺🇯🇵🇫🇷🇬🇧🇪🇸🏳️‍🌈こどもの福祉と教育機会の平等に強い関心があります。自分の未来を信じられる子が一人でも増えたらいい。現在日本語教育について集中的に勉強中。

最近の記事

自分の真ん中にあるぼんやりしたものに名前をつけられた話

1月にnoteを毎日書いてみました。 いつも頭の中でごちゃごちゃと色々考えていたのですが、全く整理されず、悩みや不安、不満が膨らむばかりだったので、少し自分のことを確認してみたかったのです。 何もプランを立てず、思いついたままに、思いついたことを書くだけ。それだけ。 それでも、30個くらい書けば、自分の興味の対象がはっきりしてくるんだなぁ、と驚きました。アウトプットの必要性がよくわかりました。全然バラバラに考えていたことが、根底ではつながっていたのだとわかりました。

    • Young Carerという存在。子どもでいられない子どもたち

      文化的なものか理由は定かではありませんが、移住してからボランティアやファンドレイジングに関わる機会が多くなりました。 大きな団体から、小規模のものまで、様々な団体が社会的困難にある人たちに目をむけ、助けになろうと活動しています。その人たちの広報活動を通して初めて社会問題を意識する場合もあり、自分の無知…というか視野の狭さをはずかしく思うことも多い日々。 そうして知ってからずっと気にしているのが、「young carer」という ・18歳以下で ・家族に病気や障害、アルコ

      • EUの話をする時に経済やお金の話ばっかりしないでよ

        イギリスの人は、「continent」という言葉をつかって欧州各国を表す。彼らにとっていつでも、厄災はcontinentからやって来る。病気しかり、戦争しかり…。 今は移民が怖いらしい。 安くて質も高いために、労働市場を荒らすEU東側市民の移民も嫌だが、EUが受け入れを表明した難民達を分担して受け入れるのはもっと嫌。欧州として発展し、世界の中でプレゼンスを高める為であっても、欧州内の他国の為にお金を分担なんてしたくない。イギリスの地方はかなりEU予算をもらっていると誰かが

        • 自分に甘く、他人にも甘い社会は生きやすい。

          これは、今でも思いだすと涙ぐんでしまうほど、心に焼き付いた思い出。私のイギリスに対する印象だけでなく、いろんな事をがらり変えてくれた。ずいぶん前のことだけど、思い出すといまだに感情が昂ってしまうので、うまくまとめられるかわからない。でも、一度言葉にしておきたいと思った。この日のことを振り返る度に、胸がいっぱいになる程あふれる感情は、心の底からの感謝だ。 事故にあった話 私は日本生まれの日本育ちなので、カルチャーショックは割とあって、引越し当初イギリスにはかなり不満があった

          日本語は形容詞が少ない、という話

          子ども達が学習する様子をみていて、日本語を教えるのは、特に「書く能力」は、つくづくむずかしいなぁと感じています。 まず、国語辞典が使いにくいし(頻繁に無限ループに陥る)、 形容詞が……少なくないですか? 「嬉しい」とか「悲しい」とかを一語で置き換えられないので(私だけの問題でしょうか)、表現のバリエーションを出そうと思うと、妙に堅苦しくなったり、ポエティックになったり、大仰だったりで、ちょうどいい感じがみつからないんですよね。しかも、子どもだけでは、どうにもならないので、

          日本語は形容詞が少ない、という話

          自立とは、「助けて」と言えること

          私は、息子が4歳の時にフランス式の教育に出会いました。 フランスの学校は3歳から義務教育が始まります。3歳だとお昼寝時間もあったり保育的な要素もあるのですが、名前にもちゃんと「学校」とつく立派な教育課程の一つです。この小さな学校に3年、そこから小学校5年が初等教育です。 この8年間で1番大切にされているのが、「自立」しているかどうかということ。なぜなら、11歳から始まる中等教育では「自立した態度・意識・思考」が求められ、これがないとカリキュラムについていくのが非常に厳しく

          自立とは、「助けて」と言えること

          母の役割

          夜が好きだ。 もともと夜型だったけれど、最近はなおさら夜が好きだ。家族が寝て、しんと静まりかえった部屋にいるのが大好きだ。誰にも邪魔されない。朝まで時間が永遠にある。やっと自分に戻れるという気がするから。 フリーで仕事をしたりもしているけれど、それが生き甲斐とか、情熱の対象という訳でもなく、私の今の生活の大半を占めるのは、「母」という存在として生きている時間だ。 私は母性溢れる人間ではない。長男が生まれた時も、感動というより疲れ切って「やっと眠れる」と思ったのが一番で、

          母の役割

          「かわいい」の根拠とは。

          海外に住む息子は、土曜日に日本語補修校に通っている。 ある日、中1の課題として「美術鑑賞文」の宿題がでた。 「好きな絵を1枚選んで、その絵から感じたことを、その根拠も踏まえて400字〜800字でまとめなさい」 彼は困った。「自分の感情の根拠って何?」 彼が通っているフランス系の学校では、この種の課題は「美術」の授業範囲で、徹底した美術史と、作家のバイオグラフィー、時代背景とを絡めて学んだ上で、構図の解説などを行い、「Critical writing」としてレポート提出

          「かわいい」の根拠とは。

          外国語を学ぶ理由

          イギリス人は外国語習得が苦手(または嫌い)だというのは有名な話で、統計上でも明らかになっています。複数言語を話す人口が、最低でも70%(最高は99%)を超える欧州大陸の国々にくらべ、約半数の38%しか外国語の読み書きができないそうです。 若い世代でもその傾向は変わらず、GCSEと呼ばれる中学卒業時の試験で、外国語を受験する生徒の数は減少傾向をたどっており、毎年最低記録を更新しています。 楽器と同じで、語学も地道な学習が必要なので、語学の試験で好成績をおさめるのは大変なこと

          外国語を学ぶ理由

          ゆとりだと、ダメなの?

          その世代が社会に出始めた関係だか、なんだか、数年前から「ゆとりが、ゆとりが」、と耳にしていましたが、「ゆとり教育」や「ゆとり世代」に関して全く明るくなかったので、ちょっと調べてみました。 「ゆとり教育」 無理のない学習環境で子供たちがみずから学び考える力の育成を目指した教育。暗記中心の知識の詰め込み教育や過度の受験競争が,いじめ,不登校,少年非行を誘発しているとの批判をうけ,偏差値重視の教育を廃止してゆとりのある教育に転換し,生きる力を育成しようという趣旨のもと実施された。

          ゆとりだと、ダメなの?

          グレタ・トゥーンベリのこと

          2019年の「今年の顔」。ニュースを見かけない日はない。今日は、グレタ・トゥーンベリと、チャールズ皇太子の面会があったとニュースに出ていた。 日本で、彼女はあまり好意的に受け止められていないようだけど、こちらではヒーローだ。特に、若い世代への影響力は計りしれない。彼女にインスパイアされて、「自分にもできるはず」と勇気をもらった子は多い。肉食をやめた子もいる。行動を起こす子が増えた印象だ。 息子は昨年、クラスの有志と環境保護のデモに参加をした。ローティーンの子たちが、学校を

          グレタ・トゥーンベリのこと

          ハーフのアイデンティティ問題ー国籍選択について

          縁あって国際結婚をして、自分の国でも、相手の国でもない第三国で暮らすことになった。引越しを繰り返し、いわば根無草生活。どこに行っても外国人。 息子は顔立ちや日本語能力から「日本人」と認識されることが多い。思考のパターンは教育を受けている外国人学校の影響が絶大で、習慣や文化としては、在住国であるイギリスに最も親しみを感じているはずだ。家系を辿ると縁のある国はもっと出てきて、パスポートをとろうと思えばあと2つくらいは可能らしい。まさにカオス。 正直いって彼が何人であるか、私に

          ハーフのアイデンティティ問題ー国籍選択について

          はじめの2歩目ーとにかく20日

          今日で、20日連続投稿となりました。 はじめの数回で、早くもくじけそうだったのですが、むりやり続けてやっとやっと20回。拙い投稿を読んでくださったみなさま、本当にありがとうございます。自分の頭の整理のために書いているものばかりですが、読んでくださる方がいるという事が、こんなに励みになるとは思ってもいませんでした。 この20回で、少し自分の気持ちがはっきりして、ここ数年悩みに悩んだ問題に決断を下すことができたのが、大きな成果です。いつも、なにか大きな決断をする時は、最終的に

          はじめの2歩目ーとにかく20日

          こども時代を奪わないで

          中学受験に関する日本の記事を読んでいると、恐ろしい。 10歳前後の子ども相手に一体何をしているんだろうと感じてしまう。 昼間学校へ通って、その後塾で勉強し、帰宅後宿題をこなす。睡眠時間は? 充分な睡眠時間(小学生なら10時間以上)はこの時期の子どもの心身の健全な発達に一番大切な事なのに。 それだけの時間を勉強に割かなければ習得できないのならば、学習内容は学齢に対して適切なのか?入った先の中学校では何を勉強するの? 先取り学習をよしとする風潮も疑問だ。 今年1時間かけ

          こども時代を奪わないで

          日本はどんな国になっていくのかな

          娘が7歳の頃、すごくすごく久しぶりに日本に帰国することになった。それまでにも何度か、一緒に帰国したことはあったけど、幼すぎて、娘には日本の記憶が残っていない。 その時の宿泊先では、事情があってお風呂が使えなかったので、せっかくだし、近所の銭湯を体験するのもいいかな、ということで、家族で銭湯へ。 私はこどもたちと、一緒に入浴したことがない。着替えるところもほとんど見せないし、裸になったことなんて全くなかった。銭湯に行くということは、親どころか知らない人とも裸になって一つの空

          日本はどんな国になっていくのかな

          白い朝

          湿度の高いイギリスの冬。 少し気温の低い朝は、雪がふらなくても視界が白っぽくなります。芝生にも、車にも、家のやねにも霜がおり、うっすらと薄化粧。 長く、暗い冬ですが、こんな風に美しいものにも出会えます。 そして、春が来たときの喜びといったら!