「する」と「やる」って何が違うの?
「する」と「やる」、これはどちらも英語なら“do”ですね。
「する」と「やる」は類義語ですが、同義語ではありません。日本人母語話者も「する」ではなく「やる」を使うことも多いので、使い分けを教えなければならない動詞です。
初級のうちは「する」で統一して教えたいところですが、、、実際に教科書で出てくるので触れざるをえません。ということで、いたしかたなし。触れるなら、なるべるルールは簡単にして学習者には伝えたいですね。
「する」「やる」両方使えるものもあれば、絶対置き換えができないというのもあります。それでは、早速使い分けについて見ていきましょう!
1. 「する」が自然で、「やる」だと不自然または使わない例
漢語熟語の名詞+するをつけて動詞化するときは「する」の方が自然ですね。
「成功する、増加する、減少する、上達する、回復する」など意志をもって行うことではないものは「やる」の対象にはなり得ないので説明が簡単です。
2. 「やる」が自然で、「する」だと不自然または使わない例
「やる」は単に「する」と同義というだけでなく、さまざまな動詞を包括的に指し示すような使い方があります。
また、“To-Do リスト”という言葉は日本語にすると「やることリスト」で「することリスト」とはあまり言いませんね。そういう意味では「やる」は単独の形で使えて、意味の幅が広く、ハイコンテクストな印象があります。
「やるね〜」「ちゃんとやってよ!」「まだやっていないの?」「やってらんないわ」「今日、やってます?(営業をしていますか)」「今晩、一杯やっていきます?(お酒を飲んで行きませんか)」「いやあ、小遣い3万じゃやっていけないよ。(生活していけない)」「あーあ、またやっちゃった。(失敗してしまった)」などが挙げられます。「やる」は多義的で、どこかとらえどころがないように感じます。
3. goo辞書の類語辞典では
1.「する」は、ごく一般にいろいろな動作、行為についていう。
2.「やる」は、口語的な表現。具体的な内容の目的語をとるより、漠然と動作、行為を表わすことも多い。
4.もうちょっと・・・
「する」と「やる」の使い分け、テキストなどで明確な記述もあまり見たことがありません。気になっていながら、なんとなく語感やニュアンスの違いでやり過ごしてきた人も多いのではないでしょうか。もうちょっと「する」と「やる」を深堀りしてみたい方、ぜひコトハジメのブログ記事をご覧ください。
「やる」と「する」も例文をたくさんあげて、コロケーションを見てみると面白いです。コロケーションとは、ある単語と単語のよく使われる組み合わせのことです。コロケーションを検索できるサイトに、日本語作文支援システム「なつめ」というものがあります。無料ですのでぜひ使ってみてください。
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