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「ものの」ってどんな時、どう使う?

Ms.Hidari が先月『「こそ」って何?と聞かれれば“強調表現“と説明はつくものの、いざ教えるとなると・・・』と書いていましたが、、、これもそうかもなと。

「ものの」の使い方は理解しているものの、なかなか使いこなせていませんよね〜。この「ものの」って、「けれども」「が」にだいたい言い換えることができちゃいます。「けれども」は話し言葉ですが、「ものの」は書き言葉的です。これも一理ありなのですが、こうなると学習者は「ものの」の特徴をうまく掴むことができないですよね。

今日は「ものの」を掘り下げてみたいと思います。いつものように例文をCoto講師から募集しましたので、こちらに挙げていきます。

「ものの」で例文を挙げてみた

  1. 友達から気になっていたマンガを全巻借りたものの、忙しくてまだ一冊も読めていない。

  2. 新作ドレスを買ってみたものの、着る機会が全くない。

  3. 流行りのカフェに行ってみたものの、なんだか場違いで全然楽しめなかった…

  4. 何とか勝利したものの、個人的には満足のいく試合ではなかった。

  5. 念願叶って、獣医師国家試験に合格したものの、突然、重度の動物アレルギーを発症し、獣医師の道を断念せざるを得なくなった。

  6. はりきってレシピを買ったものの、一回もそのレシピの料理を作ったことがない。

  7. 3年ぶりに彼氏ができたものの、仕事が忙しくてデートに行けない。

  8. ラブレターを書いたものの、1週間出せないでいる…。

  9. ちょっと時間がかかったものの、美味しいクッキーが焼けました。

  10. 子供の名付けの際、画数は気にしないとは言ったものの、周りの人の言うことが気になる。

まずは形から。「ものの」の前、はじめに募集をしたら1〜10のように動詞の「た形」が多く出てきましたが、「た形」だけじゃないですね。みなさん、いかがですか。それ以外のもの、例をあげてみてください。


「ものの」のニュアンス:残念な気持ち・反省・もやもや

さて、この「ものの」。たとえば、3の「新作ドレスを買ってみたものの、着る機会が全くない」で見てみましょう。「新作のドレスを買った」・・・はい、それはわかっているのよ、買ったのは事実です。きっとどこかに着ていくことを期待して買ったはずなのです。でも、思った通りにはならない、そこから進展がない、そううまくはいかないのよ・・・。そんな感じでしょうか。

これが「せっかく買ったのに、着なかった」で、「のに」を使うと、強い不満・非難の気持ちが感じられますが、「ものの」だと「ん〜、着る機会がなくて残念」で遺憾、「お金の無駄だったかもね…」などの反省の気持ちが感じられます。

上の例文にはありませんが、例えば「ロールプレイで学生の誤用をよく耳にするものの、直すタイミングが難しい」先生あるあるかもしれませんね。「誤用だとわかっているのよ、でもね〜、ロールプレイを中断するのもなんだし、なかなかね…」

8もそうですね。「ラブレターを書いたことは書いたんだけどね〜うーん、なかなかね…」腕組みしたくなっちゃいますね。このもやもやっとした感じ、wishy-washy感、葛藤する感じも「ものの」の特徴の一つかもしれませんね。

皆さん、なんだか煮え切らないんだよね〜と腕組みしながら「ものの」の例文、ぜひ考えてみてください!あ、マイナスばかりではなさそうですね。「た形」以外の品詞を使った例文と考察のつづきはコトハジメのブログ記事をご覧ください!

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