駆け込みでクリムト展
思い立って、気になっていたクリムト展に行った。友人のツイートをみて、展示期間の終了が迫っていることを知ったからだ。
もうすぐ終わりが近いこともあり、大勢の人が見に来ていた。
見終われるか不安になるくらい盛況だった。
紹介文でグスタフ・クリムトと見た私が初めに思ったことは、「あ、マーラーと同じ名前だ」だった。
兄弟共同制作や弟さんの作品も展示されていたが、弟さんの甲冑の絵に魅入ってしまった。甲冑の煌めきと存在感に驚いた。
グスタフと女性たち
グスタフ・クリムトは、女性を描いている画家だった。むしろ男性は少なかった。
説明に、彼は生涯独身だったようだが、14人のこどもがいたと書かれていた。モデルたちが生んだ子ど常に周りに女性がいることで描かれる雰囲気。今回の目玉の一つ、『ユディトⅠ』の女性の表情が美しく、品の良いエロさを感じた。優美だった。写真で見ていたよりもずっと惹きつける何かを感じた。
まるでファッション雑誌の表紙を見ているようだった。
生と死
最後は、性愛や妊婦など、生と死をモチーフにした作品たちだった。老人の死に顔や自らの子の亡骸の絵。18ヶ月しか生きれなかった息子の安らかな顔。青白い肌。絵の隣には写真も飾られていた。
どんな気持ちで筆をとったのだろうかと想像した。私は死を避けてきた。お葬式で、亡くなった人の写真を撮ることを避けてきた。だから尚のこと気になった。絵を描くことで何かの区切りになるかもしれない、そう思った。
性愛や生と死をテーマにしたもの、三世代を描いたもの、どれも目が離せなかった。
蛇足
余談だが、クリムトの女性遍歴の中でマーラーの妻アルマも出てきた。彼女の初恋と書かれていた気がする。私は初恋の相手と同じ名前の人と結婚したのか、なんて下衆なことを考えていた。
時間が限られていたことが悔やまれるけれど、作品のエネルギーが凄いと感じた展覧会だった。
東京は7月10日まで。
私のように知識がなくても楽しめたので、もしもまだ観に行っていない方には、是非お勧めしたい。