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日本で暮らす外国人との共生、まずは「Googleレンズ」と「やさしい日本語」で歩み寄りたい

あなたの周りに外国人の方はいますか?


最近ようやくインバウンド需要も復活し始め、街が賑やかになってきたのを感じますよね。そんな中、最近の都市部の店舗では外国語で接客できる日本人スタッフさんの存在が当たり前になりつつあるのを感じることができます。

またここ数年は、国内の特に飲食店や工事現場などで外国人の方が働く姿を以前より多く目にするようになりました。日本の環境や文化、治安の良さなどを理由に、働く場所として日本を選ぶ外国人の方が増えているようです。

それに比例して「多文化共生」という言葉も耳にするようになりました。
「多文化共生」とは、「国籍等の異なる人々がお互いの文化的差異を認め合い、対等な関係を築こうとしながら地域社会の構成員として共に生きていくこと」です(引用:総務省)。

日本は「多文化共生」の実現に向かっている途中だそうです。
すでに国内では以下枠内のような取り組みがなされていますが、外国人を受け入れる環境や外国人を受け入れる心の準備がまだ足りていないのが実態だそうです。

外国人との共生社会の実現に向けた取組/出入国在留管理庁
外国人との共生社会の実現に向けたロードマップ/出入国在留管理庁
地域における多文化共生推進プラン/総務省
東京都多文化共生ポータルサイト/東京都 など

わたしたちの日本でこのように目まぐるしくグローバル化とオープン化が進む中、

日本人のみなさまは
暮らしと仕事、
これからどうしていこうとしているんだろう?
どうしていきたいと考えているんだろう?

そんな疑問が湧いたので今回はまず、多様性社会の中でも”日本に暮らす外国人の方の生活と仕事”を皆様と共有したいと思います。


日本に暮らす外国人

-日本に住む外国人は2%


日本人1億2500万人のうち、
外国人の占める割合は約2%だそうです。

数にすると307.5万人で、
大阪市の人口よりちょっと多いくらいです。

大阪です

日本に住む外国人の中には、言語の問題でコミュニケーションがうまく取れず、結果、正規雇用されず生活困難となるケースがあります。

具体的には

・お子様の学校からのお便りが読めない
・行政からの案内に対応できない

など外部との情報交換ができないだけでなく、

・子供とうまくコミュニケーションが取れない
などもあるそうです。

これだけ読むと日本人の私たちは「な、なぜそんなことも…?」とつい思ってしまいますが、例えば、いきなりアラビア語の資料が自分の元に大量に来たら困惑しますよね…。外国人の方が日本に住む理由は数あれど、日本語は誰もが読める言語ではありません。

私が最も驚いたのは、日本語だけでなく”母語”もうまく話せないまま日本で生活をしている方々が一定数いることでした。親が子供とうまくコミュニケーションを取れないということは、子供もまたうまく言葉を扱えない環境で成長する…という悪循環が生まれます。そうなると、家族が頼れる人も場所もわからずに居場所が限られていくのは想像に難くありません。

外国人支援をしている事業や施設は日本各地にあり、さまざまな活動をされています。しかしそれが全ての受け皿となっているわけではなく、生活困難な状態の方が一定数存在するのが現状です。


日本で働く外国人


日本で働いている外国人の方は、2022年末で約182万人います。
これはざっくりと福島県人口と同じくらいです。

福島県です

-日本の労働力を支える外国人


日本で働いている外国人人材は、右肩上がり増加し続けて2022年で過去最高となりました。

この背景には2019年に日本が制度化した「特定技能制度」があります。「特定技能制度」とは、国内での人材確保が困難な業界に「一定の専門性・技能を有し即戦力を持った外国人を、”専門人材”として日本に受け入れる制度」です。日本は今特に、以下の業界で人材確保が深刻です。

▼「特定技能制度」で日本が受け入れている12分野
1)介護分野
2)ビルクリーニング分野
3)素形材・産業機械・ 電気電子情報関連製造業分野
4)建設分野
5)造船・舶用工業分野
6)自動車整備分野
7)航空分野
8)宿泊分野
9)農業分野
10)漁業分野
11)飲食料品製造業分野
12)外食業分野

特定技能生はこれまでほぼ単身で日本で働きに来ていました。でも今年からは制度上、技能レベルや条件を満たせば介護分野以外は本人の家族も日本に住めるようになりました(これを「家族帯同」と言います)。今は家族帯同が可能になっているのは建築分野で8名のみですが、これからより増えていくのが見込まれます。

私に親和性の高い”農業分野”を特筆すると、以下の動画のように働いていらっしゃる外国人の方々の姿がありました。下動画では、日本でどのように働き、日本はどのように映っているかなどが見て取れます。
◎外国人インタビュー導入部分から観たい方はここをクリックしてください
◎動画の最初から観たい方は下動画をクリックしてください。

日本語を半年ほど学んで、母国の家族にお金を送る目的で日本で暮らし始め、仕事を覚え作業する日々を過ごしされています。この動画だけでもあらゆる価値観が見て取れますね。



外国人と日本人に、2つの提案


ここまでをざっくりまとめると、

・日本には労働人口が足らない
・今は海外からの労働力を増やしている途中
・しかし日本はまだ海外からの労働力を受け入れる体制と覚悟があまり整っていない
・そのため生活困難に陥る外国人が課題となっている

という側面があるということがわかりました。

わたしたち生活者には、ハード面の改善はなかなか難しくてもソフト面では何かできるかもしれない…。
そこで、外国人の方も日本人の方もすぐトライできる方法を1つずつ以下に挙げてみました。


-日本に住む外国人の方へ

読めない日本語は「Googleレンズ」で読もう!

学校や行政など特に重要なお知らせは、ぜひ「Googleレンズ」を使ってください。資料をカメラでかざすだけで、日本語が母語で読めるように変換してくれます。


-日本人の方へ

やさしい日本語」で会話しよう!

ポイントは「ゆっくり、易しい、短い日本語を使う」です。

「やさしい日本語」は1995年の阪神・淡路大震災をきっかけに生まれた、誰もが理解しやすい日本語の話し方ルールです。外国人だけでなく、障害を持った方やお年を召した方にも有効な話し方です。


この2つは、お互いの「歩み寄り」の方法です。
とても小さな一歩ですが、「やさしい日本語」はきちんと通じるし楽しくより良いコミュニケーションが取れることは私の経験でも実証済みです。
皆様もトライしてみませんか!


さいごに


タイムリーに、最近こんなニュースが入ってきました。

●技能実習制度に代わる新制度案を発表、条件を満たせば転職も可能に/法務省有識者会議

法務省出入国在留管理庁は18日、第12回「技能実習制度及び特定技能制度の在り方に関する有識者会議」を開催し、技能実習制度に代わる新制度の創設を求める「最終報告書(たたき台)」をとりまとめた。新制度は、技能実習生には原則として認めていない受入れ企業からの転籍(転職)について、技能検定と日本語検定の一定要件を満たせば、それまでの就労先と同じ分野に限って就労2年目から認めるとしている。(中略)受け入れを仲介する「管理団体」の許可要件も厳格化する。
https://www.moj.go.jp/isa/policies/policies/03_00001.html

メールマガジン労働情報/第1910号より一部引用
労働政策研究・研修機構(JILPT)

詳しくは上記URLをご覧ください。(ページ内の詳細はURL先の各PDFをダウンロードして「chat PDF」に要約してもらうと便利ですよ!↓)


近々、日本の外国人雇用に大きな動きがありそうですね。



最後までお読みいただきありがとうございました。

ではまた!
お相手は、”小さなトリコ”を大切にしたい地域と農のブランドデザイナー兼キャリアコンサルタントの、コトリコ江藤梢でした。

▼この記事で参考にした資料
「外国にルーツを持つ世帯の子育てと労働を考える(主催:労働政策研究・研修機構)」
多文化共生の推進/総務省
令和4年末現在における在留外国人数について/出入国在留管理庁
第2章 人口・世帯/総務省統計局
「外国人雇用状況」の届出状況【概要版】(令和4年 10 月末現在)/厚生労働省
Explanatory video for working in agriculture in Japan (SSW)/特定技能の在留資格で日本の農業に就労するための説明/全国農業会議所
Googleレンズ/Google
在留支援のためのやさしい日本語ガイドラインほか/文化庁
技能実習制度及び特定技能制度の在り方に関する有識者会議(第12回)/出入国在留管理庁


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