女性も男性も一緒に「カラダの変化」、「出産、育児」を考える
法人むけに「カラダの変化」と「出産、育児」についてセミナーを開催
クラウドサービスを提供するIT企業で「出産、育児」と「カラダの変化」をテーマに、私と助産師がスピーカーとなり、社員の方を対象にオンラインでセミナーを開催しました。
このセミナーの目的は、社員が「出産、育児」のことを学び、本人、パートナーそして組織が理解を深めることで、仕事をしながら、育児をすることを、みんなで考えるきっかけを与えることです。さらに、それぞれの立場で、自分ごととして仕事と育児について考え、チームのメンバーがお互いに状況を理解することで、新しい働き方ができるのではないかということにチャレンジします。
当日は、社長自ら参加頂き、50名を超える方に参加いただきました。
その中には、来月出産を予定されている女性社員の方もいて、非常に熱く質問を頂きました。「出産、育児」というテーマでありながら、妊娠中の人や育児中の人だけが参加するのではなく、全世代、全社員を対象に開催したので、誰もが理解できるように客観的な情報を提供しつつ、医療資格者からエビデンスに基づく情報をもとに、いろいろな事象についてロジカルに説明するようにし、誰もが自分ごととして考えてもらえるように心がけました。 その結果、非常に多くのことを私たちも感じることができ、気づきがたくさん頂けたセミナーとなりました。
セミナーを企画頂き、ご協力頂いた方々に感謝しております。ありがとうございました。
「出産、育児」について
私は、現代の出産、育児における大きな課題は、「ぶっつけ本番」だと考えています。
知識も経験も事前準備もなく、我が子が産まれたら、誰のサポートもなく、いきなり生命のある生身の人間をお世話することになります。そして、このような状態になることを、学校でも家庭でも誰からも学んでいないし、学ぶきっかけすらない状況です。どうすれば学ぶきっかけを与えることができおるのかと考えた時、産休、育休を取得する社員と接点がある企業に協力してもらうことで、解決できるのではないかと考えました。
この仮説を、実際に法人に協力を頂き、これから出産を控えている社員の方にも参加いただく中で、「出産、育児」についてお話しすると、どんな反応を得ることができるのかを、今回のセミナーで確認することができました。
社員の方々の「出産、育児」に関する関心は、非常に高いテーマであることを実感しました。こちらからテーマを働きかけることで、多くの方が自分ごととして考えることができるテーマであるとも感じました。
実際に法人向けにセミナーを開催してよかったこと
1) 産前から「学び」の必要性に気づいてもらえたこと
2) パートナーと参加いただけたこと
3) もし産後に困ったことがあればどうすれば良いかを伝えることができたこと
4) 周りの人たちはどのように子育て夫婦に係れば良いかを伝えることができたこと
など
ライフスタイルとワークスタイルとカラダの変化について
これまで「出産、育児」は、女性のことであり、男性が考えることではないと考えられてきましたが、男性も女性も仕事も家事、育児をする時代となり、一緒に考えるテーマです。組織(チーム)の中に、本人が出産したり、パートナーが出産するので育児がはじまる人がいることは、特殊なことではありません。しかしながら、「出産、育児」のこと、そしてその時のカラダの変化について、詳しく理解し、どう対応するべきかを知っている人は多くありません。だから、今回のセミナーでは、「出産、育児」をテーマにしますが、ハウツーを話すのではなく、当事者の「カラダの変化」、特にホルモンの変化を中心に話すことで、カラダの中ではどんな変化が起きているか、その時周りの人たちはどう対応すればよいのかを、医療従事者である助産師から説明し、考えてもらうことにポイントをおいて話しました。
カラダの変化と言う視点から、女性の出産、育児だけにフォーカスするのではなく、男性の変化、そして女性の生涯の変化として更年期のテーマまで広げてお話をさせて頂きました。少しテーマが広範囲になりましたが、女性のカラダの変化だけでなく、男性のカラダの変化を同時に知ることで、お互いに相手の生物学的な性別によるカラダの変化を知ることで、これまでと違う気づきが生まれたのではないかと思っています。
「カラダの変化」と社会で活躍することとの関係
多くの人は自分のカラダのことを知らないし、異性のカラダも当然知りません。だからまず自分のカラダのことを理解するところから始める必要があります。そのためには、自分のカラダについて興味を持つことが大事だと思います。そして、人生においてキャリアを築くとき、自分のカラダに変化があることを理解した上で、自分の活動をどのようにしたいかを考慮し、プランを立てることが大事です。カラダの変化があることを知っているのと、知らないでは実は大きな差が生じることが、まだ認知されていません。いくら気持ちは積極的に行動しようと思っても、カラダの変化によってそれが叶わない時はストレスになるため、自分のカラダの変化と行動計画を一致させる方法を考える必要があります。
法人が「カラダの変化」、「出産、育児」を考える意義
1)産前にメッセージを届けることができる
出産、育児の課題は、「ぶっつけ本番」であると言いましたが、子どもの頃から赤ちゃんと接触する経験もなく、学校や家庭で学ぶことがなく、さらに産前は誰もが当たり前のように子育てできていると思っている状況では、学ぶ必要があるという意識がありません。このように意識されてない課題をいくらこれから大変だと言っても、どれくらい大変かがわからないため、行動することができません。一方、男性も育休を取得するような流れができてきていることもあり、企業は社員から産前から相談を受ける機会が増えているので、産前の人たちにリーチできるチャンスがあり、このチャンスを活かしたいと考えています。
2)「カラダの変化」を真剣に考えることで、「ダイバーシティ」が見える
人はいつまでも若くないし、いつも同じ状態ではないということは、誰もが知っていますが、職場でわざわざこのことを議論するテーマではありません。一歩間違うと、セクハラと言われかねないからです。しかしながら、組織が「ダイバーシティ」を考えるとき、社員のライフスタイルの変化や健康状態の変化は重要なテーマであり、お互いを理解することが求められます。いろいろなバックグラウンドを持つ人たちが集まるチームでは、何から手をつければ良いかが難しいですが、誰も持っている「カラダ」にフォーカスすることで、自分ごととして考えることができるのではないかと思い、私たちは「カラダの変化」に着目しました。
3)正しい情報と客観的な情報を活かすことで、チームで議論できる
チームで「カラダ」のことを議論するために、第三者による中立的な考え方や客観的なデータを活用することが良いのではないかと考えています。なぜなら、チームメンバーの中の一人から問題提起をしても、そのケースがその人固有の課題か、他にも同様の課題を抱える人がいるかが不明確であり、議論が発展しづらいからです。
また、「カラダ」の変化についてはいろんな人がいろんな説を発信しているため、どれが正しくて、どれを信じて良いかわからないため、一般の人でも理解できるように、専門家の通訳が必要です。これらの条件をチーム内だけで行うことは難しいため、外部の力を活用することで、事象や課題を抽象化して、チームで一般論として議論できるようになります。
このように従来ではチーム内で、カラダの変化まで踏み込んで、お互いに理解をするということができていませんでいたが、第三者と専門家を介すことで、より深くお互いを理解することができる可能性が広がります。そして、お互いに何をしなければならないかを共有することができることで、より強いチームができます。
法人でのセミナーはきっかけでしかありませんが、セミナーをインプットにチームで議論することで、実践することで、強いチームになると信じていますので、今後の変化に注目したいと思います。