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橘始黄

今日(12月2日)から七十二候の「橘始黄」に入る。
(「たちばなはじめてきばむ」と読む)

「橘」は万葉の頃から多くの歌人が歌に詠んだり、
平安の頃には上流貴族の「源平藤橘(げんぺいとうきつ)」
といわれる主流の4派(源氏、平氏、藤原、橘)の
一角を占めるようになったそうだ。

「橘」は常緑樹でいつ見ても変わらない永遠性と
風雪にも耐える凛とした姿を有しており香気も強い。
冴えた黄色が深いみどりの葉にも映え、
清々しさも映し出す。
人徳があり奥ゆかしい人を「橘のようだ」と
なぞらえたという逸話もあるようだ。

文化勲章のデザインは「橘」がモチーフとして使われている。
調べてみると、当初は「櫻花」の予定だったそうだが
昭和天皇の意向で「橘花」に変更されたそうだ。

その理由は「櫻花」は、
昔より「武」を表わす意味に用いられているが、
「橘花」は文化の永久性を表現するのに最も適するので
「文」の方面にはよいのではないかというものだった。
この辺り、昭和天皇のセンスの良さが汲み取れる。

私は総じて柑橘類は好きだが、
橘の黄色はことさらに好きだ。
そういえば、我が家の家紋は
「隅きり角に橘」紋である。

今日という日に、
私もまだまだ精進せねばならんなぁ、と思った次第だ。


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