妙にカラダが軽いと思ったら
胸にぽっかり大きな穴が空いていた
しまっておいた大切なものや
あふれるばかりの感情が
勝手にもれだしては困るので
あわてて両手でふさごうとした
一箇所をふさいだら
別の場所にまた穴が空いて
風が勝手に通り抜けて行った
おいおい大丈夫か
どうすれば穴がふさげるのか
次々と開いていく穴と
ふさごうとする手の追っかけあい
手でふさぐのをやめたら
穴は一箇所でどんどん大きくなる
何かでふさがないと
何かで充たさないと
焦るぼくは
見つけられない歯がゆさを
隠せないまま 眠るしかなかった
翌朝目覚めれば穴はどこにもなく
どうしたのかわからないまま
びっしり汗をかいて
朝日を浴びていた