選ばれし者の務め
最近、東大生をおもしろおかしくイジる番組がよく放送されている。
賛否両論あるようだが、個人的にはそれなりにおもしろいと思う。
東大生と言えばエリート中のエリートだが、一部社会適応性を欠いている学生もおり、その数が年々増えているようである(番組を見てるとなんとなくわかる)。
しかし大半は将来、社会の要職に就いて日本を支えていく人材であることに間違いはない。そんな彼らに送られた、入学式の式辞が話題になった。
以下、印象に残った部分の引用。
あなたたちはがんばれば報われる、と思ってここまで来たはずです。ですが、冒頭で不正入試に触れたとおり、がんばってもそれが公正に報われない社会があなたたちを待っています。そしてがんばったら報われるとあなたがたが思えることそのものが、あなたがたの努力の成果ではなく、環境のおかげだったこと忘れないようにしてください。あなたたちが今日「がんばったら報われる」と思えるのは、これまであなたたちの周囲の環境が、あなたたちを励まし、背を押し、手を持ってひきあげ、やりとげたことを評価してほめてくれたからこそです。世の中には、がんばっても報われないひと、がんばろうにもがんばれないひと、がんばりすぎて心と体をこわしたひと...たちがいます。がんばる前から、「しょせんおまえなんか」「どうせわたしなんて」とがんばる意欲をくじかれるひとたちもいます。
あなたたちのがんばりを、どうぞ自分が勝ち抜くためだけに使わないでください。恵まれた環境と恵まれた能力とを、恵まれないひとびとを貶めるためにではなく、そういうひとびとを助けるために使ってください。そして強がらず、自分の弱さを認め、支え合って生きてください。
能力にめぐまれても決して奢らず、その才能を他者のため、社会のために使って欲しい、ということである。格差問題解決の指針にもなりそうな名スピーチだと思う。賛否両論あるだろうが、個人的には支持したい。