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Penguin Readersの現代小説が面白い!~ [英語]多読のための読書ガイド 2022年4月号①~
英語学習誌『多聴多読マガジン』連載記事からのスピンアウト!
多読のプロたちによるおすすめの良書を紹介しているコーナーです。
GR/LR編 ~2022年4月号~
執筆:古川昭夫(SEG英語多読教室主宰)
GR=Graded Readers: 外国人の英語学習者向けに語彙制限されたリーダー
LR=Leveled Readers: 英語圏に住むネイティブの子ども向け学習リーダー
Penguin Readers の現代小説が面白い!
Graded Readers(英語学習者用段階別読み物、略してGR)というと、古典文学の簡約版かGR作家によるオリジナル小説というイメージを持っている人も多いでしょう。
しかし、最近では現代小説の簡約版も、 少しずつ増えてきています。
特に、 Penguin Readers(7レベル構成のGR)は、版元が、現代小説を多数出版しているPenguin Random House(PRH)社ということもあり、 最近の人気小説の簡約版が多くあります。
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現代の作家が書いた現代の香りのする小説は、21世紀に生きる私たちの心に響いてきます。
ここでは、 Penguin Readers の現代小説から 2 冊紹介します。いずれも若い読者向けですが、大人でも十分に楽しめる内容です。
(1)『Boy in the Tower』 (Penguin Readers Level 2)
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●出版社:Penguin Random House ●総語数: 4,896 語
イギリス在住の現代女性作家が小学校教師時代に書いた良作。
ロンドンの街のコンクリートの建物が倒れ始めた。
コンクリートの破片は青くなっているのが常だった。
時が経つにつれて、どんどん倒れ、少年の住む高層マンションの周りの建物もどんどん倒れていく。
どうして、彼の住むマンションは無事だったのか?
そして、いつまでも無事なのか?
謎が明らかとなり、人類は反撃をはじめる。
オリジナル版はこちら↓ 表紙がGR版と同じなので、購入の際にはご注意を。もちろん英語の難易度はぐっと上がります。
(2) 『The One Memory of Flora Banks』 (Penguin Readers Level 5)
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●出版社:Penguin Random House ●総語数: 17,645 語
旅行小説を得意とする現代女性作家が少女の自立を描いた作品。
重度の記憶障害で、あったことをすぐ忘れてしまう 17 歳の高校生 Flora は、母親と親友に世話をされて生きていた。
親友の彼氏 Drake とキスをしたことがきっかけで、親友とは仲違いし、自分のことを愛してると言ってくれた Drake を探しに、ひとりで海外旅行に出かける。
結局 Drake はダメ男だったとわかるが、旅行の過程で Flora は自分自身を取り戻していく。
オリジナル版はこちら↓ こちらも表紙イメージはGR版と同じです。
他にもおすすめな現代小説はこちら
この他にも、One of Us Is Lying、 Wonder、Me Before You、How High the Moon、Simon vs. the Homo Sapiens Agendaなどの現代小説がおすすめです。
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