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「人生を変える運命の日。夫婦×パーティーの二編」~英語多読のための読書ガイド [ミステリー]~

本記事は、英語学習誌 ❄『多聴多読マガジン』❄ の連載「多読のための読書ガイド」からスピンアウト掲載したものです。 多読のプロたちによるおすすめの良書(英語の本)を紹介しています。


ミステリー編 ~2025年02月号~

執筆:河出 真美 (梅田 蔦屋書店 洋書コンシェルジュ)


人生を変える運命の日。夫婦✖パーティーの二編

夫婦でパーティーに参加したことをきっかけに、ふたりの運命が大きく変わってしまう。

今回ご紹介するのはそんな二編です。

一編目は People Like Them

隣人たちが集う毎年恒例のディナーパーティーで、周囲の注目の的だったのはヴェロニカとライアンのハートリー夫妻。

いつも寄り添いあい、他者を寄せつけないようなところがあるふたりは、一見したところ完璧なカップルでした。

しかしディナーコースが進むにつれ、異変が……。

二編目は The New Year’s Party

大晦日の晩、ちょっと贅沢なパーティーに出席したキャリーとアンディの夫妻。

同じテーブルについた他の出席者と新年の決意の話になります。

するとそのうちの一組、マーティンとミカエラが、思いがけないことを言いだして……。

二編とも最後に驚きが待ち受けるストーリーです。

外からはその夫婦の真の姿はわからないし、相手をよく知っているつもりでいても、夫/妻には秘密があるかもしれない。

夫婦とパーティーというシチュエーションは同じでも、まったく違う個性を持った二編、どうぞお楽しみください。

(1) 『People Like Them』

YL 5.8
著者 Minka Kent
出版社 Amazon Original Stories
総語数13,860 語

本作で描かれるprogressive dinnerとは、食前酒はAさんの家、前菜はBさんの家…というふうにいろいろな家を回ってディナーコースを少しずつ食べる形式だそう。

本作では視点が各家の女性たちを転々としながら物語(と食事)が進んでいきます。

最後はタイトルの意味が胸に迫る、ひねりのきいた一編です。


(2) 『The New Year’s Party』

YL 5.8
著者 Daniel Hurst
出版社 Daniel Hurst Books Limited
総語数 14,560 語

ネタバレを避けるため詳しくは語れませんが、本作ではいろいろな登場人物の思惑が錯綜し、何重にもどんでん返しが用意されていて、心地よく翻弄される感覚を楽しむことができます。

著者ダニエル・ハーストは著書多数の人気作家。

それもひねりのきいたストーリーを得意としているようです。その匠の技を楽しんでください。


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【特集】英語キーワード150で読み解く
「どう変わる? アメリカと世界2025」

トランプ大統領が「MAGA(Make America Great Again)」を掲げ、再び政権に復帰しました。その影響はアメリカ国内にとどまらず、世界全体に広がることが予想されます。

1. 外交 2. 経済 3. 地球温暖化 4. 多様性 5. 民主主義

本特集では、上記の5つの視点に基づき、decoupling(関係断絶)、climate justice(気候正義)などの150の英語キーワードを通して、トランプ政権の政策がもたらす世界の変化を予測し、考察します。

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