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「レモニー・スニケットの世界へようこそ」~英語多読のための読書ガイド [ミステリー]~
英語学習誌『多聴多読マガジン』連載記事「多読のための読書ガイド」からのスピンアウト! 多読のプロたちによるおすすめの良書(英語の本)を紹介するコーナーです。
★8月号の『多聴多読マガジン』の特集は 「英語ミステリー」!
下記のテーマで、初心者でも読みやすい洋書ミステリーをセレクトしました
・語彙制限されたリーダー
・児童書ミステリー
・古典名作
・コージーミステリー
・旬なタイトル
古典名作&コージーミステリー&旬なタイトル……は、このnote記事の執筆者でもある、洋書コンシェルジュ・河出真美さんによる納得の選書です★
ミステリー編 ~2024年08月号~
執筆:河出 真美 (梅田 蔦屋書店 洋書コンシェルジュ)
レモニー・スニケットの世界へようこそ
映像化された「世にも不幸なできごと」シリーズが有名なベストセラー作家のレモニー・スニケットは、児童向けミステリーも発表しています。
今回は皮肉たっぷりの独特なユーモアがあふれるその作品から二冊ご紹介します。
一冊目は File Under: 13 Suspicious Incidents。
さびれた町Stain’d-by-the-Seaに滞在し、何やら秘密組織の極秘の仕事に従事しているレモニー・スニケット少年が、そのかたわらで町の住民たちを襲うちょっとした謎を解決します。
個性豊かな人物たちがくりかえし登場するのも楽しいところ。
二冊目はPoison for Breakfast。
ある日朝食を食べ終えたレモニー・スニケットは、部屋の扉の下から差し込まれていた紙切れを拾います。
そこに書かれていたのは「おまえが食べた朝食は毒入りだ」という衝撃の一文。
いったいどうしてこんなことに?
迫りくる自分の死の謎を解くために家を出たスニケットの運命は?
シンプルでわかりやすい英語で綴られるひねくれたユーモアまじりの文章には、次々読みたくなってしまう魅力があります。
皆さんもどうぞ、レモニー・スニケットの世界へようこそ。
(1)『File Under: 13 Suspicious Incidents』
![](https://assets.st-note.com/img/1718936885131-rZtYRKMMlC.jpg)
著者 Lemony Snicket
出版社 Little, Brown Books for Young Readers
総語数 44,688 語
レモニー・スニケットが語り手を務める「世にも不幸なできごと」シリーズのプリクエル(前日譚)で、スニケット少年が秘密組織の仕事に従事している様子を描いたシリーズ“All the Wrong Questions”の番外編が本書。
総語数を見ると長いと感じるかもしれませんが、十三話収録で一話あたり3,500字程度なので読みやすい長さです。
(2)『Poison for Breakfast』
![](https://assets.st-note.com/img/1718936988142-h06J3FT8Iw.jpg?width=1200)
著者 Lemony Snicket
出版社 Rock the Boat
総語数 37,100 語
「レモニー・スニケット、自分の死の謎を捜査する」の巻。
なにせ「知らないうちに毒を飲んでしまった」という極限状態に置かれているもので、家を出たスニケットの精神はあちこちへさまよいだし、捜査も一直線には進みません。
こちらも十三の章に分かれているので一話は平均2,800語程度です。
『多聴多読マガジン8月号』発売中!
![](https://assets.st-note.com/img/1719451614585-YuM1w5krCj.jpg?width=1200)
特集は「ミステリーを英語で読むための4ステップ大作戦」。
犯人は誰だ!? 結末が気になるミステリーは最後まで読み通す強い動機づけになり、多読におすすめです。多読継続のために、そしてミステリーファンのために、4段階の無理のない読み進め方を提案します。
最初は英語学習者向けに語彙制限されたリーダーからスタートし、児童書、シャーロック・ホームズものやアガサ・クリスティーの名作、綾辻行人や東野圭吾の英訳本とステップアップ。
さらに、まだ翻訳されていない作品にも、癖がなくてすらすら読みやすく、とびきり面白い本があります。最後はそんな旬のミステリーの世界にご案内します。