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「言葉に魅了された人たち」~英語多読のための読書ガイド [絵本]~

本記事は、英語学習誌 ❄『多聴多読マガジン』❄ の連載「多読のための読書ガイド」からスピンアウトさせて掲載したものです。
多読のプロたちによるおすすめの良書(英語の本)を紹介しています。


絵本編 ~2025年02月号~

執筆:柴田 里実 (金城学院大学准教授)

言葉に魅了された人たち

英語多読には、英語力を高めることだけでなく、様々な魅力があります。

美しい言葉を発見したり、日本語の本では出会わないような偉人に出会うことができたりと、宝探しのような楽しさがあります。

2025年は何冊の素晴らしい本に出合うことができるでしょうか。

今回ご紹介する絵本は、言葉に魅了された人たちのお話です。

言葉を愛する人たちのお話を通して、2025年の英語多読をスタートさせてみてはいかがでしょうか。

(1) The Right Word: Roget and His Thesaurus

著者 Jen Bryant
イラスト Melissa Sweet
YL 1.5-2.0
出版社 Eerdmans Pub Co
総語数 1,227 語

本が大好きなPeterは、8歳で本を書き始めます。

ただ、彼が書いたのは、物語ではなく、単語のリスト。

ラテン語、植物の名前と、次から次へと書き留めます。

ある日、母に、fineと答えながら、何か違う気がします。

もっとぴったりの言葉は何だろう。

Peterのワードリストはどこまでも続きます。

この本は、Thesaurus(シソーラス:類語辞典)を作ったPeter Mark Rogetのお話です。

Thesaurusとはラテン語で「宝物」。

ぴったりな言葉を探し続けることはPeterにとって宝探しだったのです。

サイバート賞など数々の賞を受賞。


(2) Six Dots: A Story of Young Louis Braille

著者 Jen Bryant 
イラスト Boris Kulikov
 YL 1.5-2.0
出版社 Knopf Books for Young Readers
総語数 1,763 語

好奇心旺盛で賢いLouis。

彼は、不慮の事故で視力を失いますが、本が読みたいと10歳のときにパリの盲学校へ入ります。

優秀な生徒だけが読める本を読みたくて勉学に励み、ついにその本を手に!

でも、何ページも指で触れて、やっと1文。

あっという間に終わってしまい、「これじゃない! 自分で書きたい、自分で読みたい」とLouisは、誰でも読めるシンプルな点字の開発を目指します。

この本は言葉を愛し、点字(braille)を開発した Louis Brailleのお話です。

シュナイダー・ファミリーブック賞受賞。


(3) The Word Collector

著者 Peter Hamilton Reynolds
YL 1.0-1.5
出版社 Orchard Books
総語数 310 語

皆さんは、何を集めることが好きですか。

Jerome少年は、単語を集めるのが大好き。

早口言葉、町のポスターで見つけた美しい言葉、音の響きが素敵な言葉。

Jeromeと一緒に、お気に入りの単語集めをしてみませんか。

Jeromeと一緒なら難しい単語も、覚えられそうです。

数々のベストセラー絵本を生み出しているPeter H. Reynoldsの絵本。


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【特集】英語キーワード150で読み解く
「どう変わる? アメリカと世界2025」

トランプ大統領が「MAGA(Make America Great Again)」を掲げ、再び政権に復帰しました。その影響はアメリカ国内にとどまらず、世界全体に広がることが予想されます。

1. 外交 2. 経済 3. 地球温暖化 4. 多様性 5. 民主主義

本特集では、上記の5つの視点に基づき、decoupling(関係断絶)、climate justice(気候正義)などの150の英語キーワードを通して、トランプ政権の政策がもたらす世界の変化を予測し、考察します。

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