「多読学習者におすすめ! 人気作家の短編」~英語多読のための読書ガイド [ミステリー]~
ミステリー編 ~2023年12月号~
執筆:河出 真美 (梅田 蔦屋書店 洋書コンシェルジュ)
多読学習者におすすめ! 人気作家の短編
今回ご紹介するのは、人気作家による短編二編です。
最初は、ジェフリー・ディーヴァーのSurprise Ending。
組織犯罪の捜査官に思わぬ話を持ちかけられたミステリー作家アランの運命を描きます。
51ページのボリュームの中に意外な展開をいくつも盛り込み、驚きの結末まで読者を翻弄するその匠の技はさすがディーヴァー。
あっという間に読めてしまうこと間違いなしの一編です。
次は各種ミステリーランキングを総なめにした『二流小説家』のデイヴィッド・ゴードンによるThe Amateur。
パリのカフェで出会った見知らぬ男が昔話を語ります。
彼はある時アートスクールに通い始め、そこで知り合った絵のモデルに心を惹かれて個人的にもモデルを頼むようになったのですが……ここから物語は驚きの展開を見せます。
たった29ページですが、映画を一本観終わったような満足感と共に読み終えることができる犯罪小説です。
どちらも多読にうってつけの長さで、Kindle Singleとして単品で電子書籍が販売中です。
人気作家の凄みが詰まった、短いながらも文句なく面白い、おすすめの二編です。
(1)『Surprise Ending』
日本でも人気を博すベストセラー作家ジェフリー・ディーヴァーは、大長編を飽きずに読ませるだけでなく、どんでん返しを詰め込んだ短編の名手としても知られている。
本編も犯罪捜査への協力を要請された作家アランの二転三転する運命を見守りながら手に汗を握り、意外な結末に「やられた!」となること間違いなし。
(2)『The Amateur』
パリのカフェで出会った見知らぬ男が身の上話を始める。
アートスクールに通い始めたところから始まるその話は思いがけない方向に進み、一見普通に見える男の意外な顔を明らかにするのだった。
バイオレンスに彩られたスリリングな物語で、コーエン兄弟あたりに映画化してほしくなってしまう。
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