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「文学的ミステリー A Vintage Shortのすすめ」~英語多読のための読書ガイド [ミステリー]~
英語学習誌『多聴多読マガジン』連載記事「多読のための読書ガイド」からのスピンアウト! 多読のプロたちによるおすすめの良書(英語の本)を紹介するコーナーです。
ミステリー編 ~2024年04月号~
執筆:河出 真美 (梅田 蔦屋書店 洋書コンシェルジュ)
文学的ミステリー A Vintage Shortのすすめ
A Vintage Shortは、電子書籍限定の短編作品のシリーズ。
ポーなどの古典作品から現代作家の作品まで、様々な作品を読むことができます。
今回はこのシリーズから文学の香りが漂うミステリーを二編ご紹介します。
一作目はイアン・マキューアンの『My Purple Scented Novel』。
イギリス文学界の大物であるマキューアンが作家の事情を語るなんて、面白くないわけがない。
売れない作家と人気作家、数十年来の友人同士のふたりの立場が、ある事件をきっかけに逆転する。
その真相は? 19ページでさらりと読める、ある作家の罪の物語です。
二作目はナム・リーの『Cartagena』。
舞台はコロンビア。ひとりの殺し屋が窮地に陥る。
特筆すべきは語り手であるその殺し屋が十代の若者であること。
特に終盤は緊迫感にあふれていますが、作者の筆は詩的で、時に人と人の絆を切なく描き出し、ラストも忘れがたく美しい。
いつもと一味違う文学色の強い文章に触れてみるのはいかがでしょうか?
『My Purple〜』のように単行本未収録の貴重な作品も含む、おすすめのシリーズです。
(1)『My Purple Scented Novel』 (A Vintage Short)
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著者 Ian McEwan
出版社 Vintage
総語数 4,620 語
売れない作家Parkerと人気作家Jocelyn、学生時代からの友人同士のふたりの立場はある事件をきっかけに逆転する。
この事件を引き起こす人間の心理や事件発覚後の騒動、更に事件後のふたりの関係の描き方がいちいちリアルでさすがはマキューアン。
たった19ページでParkerの目から数十年にわたるふたりの関係を描き、非常に密度の高い物語。
(2)『Cartagena』(A Vintage Short)
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著者 Nam Le
出版社 Vintage
総語数 14,140 語
会ったこともない男からの依頼を受けて人を殺し、大金を稼いできた主人公。
しかしある時、わけあって仕事を遂行できず――とあらすじを書くと、よくあるノワールだと思われるかもしれない。
しかし主人公はまだ子どもと言っていい年齢で、そのために読んでいて深いやるせなさを感じずにはいられない。そしてこのラスト。
なんともいえない余韻を味わってほしい。
『多聴多読マガジン4月号』発売中!
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4月号の特集1は「アクティブ英語多読のすすめ」です!
本をどんどん読んでいくことで広がる世界がある。高校生から83歳を過ぎて多読を始めた人まで、本とともにたくましく世界を拓いてきている人たちから多読の力とその可能性をみていく。
特集2は「生成AIを活用して実現!3つの英語学習法」
2023年に旋風を巻き起こしたChatGPTを代表とする「生成AI」を利用し
たツールたち。みなさんは使いこなせているでしょうか?
2024年2月現在ではさらに強力かつ使い勝手の良いツールへと成長しています。特に音声認識や音声応答に対応したことで、より一層英語学習に役立つようになっています。
ぜひこの機会に生成AIを英語学習に活用してみてください。
英語スピーチはエド・シーラン、映画スターインタビューは『哀れなるものたち』主演のエマ・ストーン。