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ビタミンC~皮膚からとるか口からとるか~

コスメの森の読者の皆様、はじめまして、やまだと申します。私は、4年生大学農学部を卒業後、医学研究科で医科学博士を取得し、これまで研究を続けてきました。もともとは、基礎研究をしていましたが、途中から臨床に近い研究に従事してきました。分野のキーワードとしては、大腸菌、ゲノム編集、遺伝子治療、再生医療などです。

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研究の傍ら、X上で腸内細菌をはじめとする腸活やアンチエイジングについての情報発信を行っています。

今回は、みついさんからご紹介いただき、美容に関連するアンチエイジング等のトピックを執筆させていただくことになりました。どうぞよろしくお願いいたします。


はじめに

こんにちは、やまだです。
今回は、ビタミンCについて解説したいと思います。視点としては、経口摂取と、経皮摂取のどちらが良いかという視点から解説したいと思います。
そもそもヒトやサル、モルモットを除いて多くの動物は自分でビタミンCを作れます。それほどに大切な物質です。

ヒトやサルなどの霊長類がビタミンCを体内で合成できない理由は、進化の過程でビタミンC合成経路の最終段階に必要な酵素であるグロノラクトン酸化酵素(GLO)の遺伝子に変異が生じ、その機能を失ったためです。

この遺伝子変異は約6,100万年前に霊長類の祖先で発生したと推定されており、当時の祖先がビタミンCを豊富に含む果実を主食としていたため、体内で合成する能力がなくても生存に支障がなかったと考えられています。そのため、ヒトやサルのような霊長類はこの酵素を持たず、食事からビタミンCを摂取する必要があります。

一方で、多くの哺乳類や鳥類はこの酵素を保持しており、グルコース(ブドウ糖)からビタミンCを合成できるため、進化上の環境や食生活の違いがこの能力の有無を分けた要因といえます。

ビタミンCを作れなくなったわけ

ビタミンCとは

ビタミンCは、自らが酸化されることで抗酸化作用を発揮する物質としてアンチエイジングにおいて大切です。皮膚に関する効能だけでも以下のようにたくさんあります。

1.ニキビ跡のケア:メラニンの合成阻害とメラニンの還元、血行促進でニキビ跡のシミの予防やシミを薄くする働きがあります。
2.毛穴ケア:皮脂の酸化を防ぎ、毛穴の黒ずみ防止に役立ちます。また、コラーゲンの合成促進により、たるんだ毛穴が肌内部から持ち上がるのできめの細かい毛穴になります。
3.シミ・くすみケア:メラニンの合成阻害とメラニンの還元、新陳代謝促進により、シミの排出が早まります。
4.シワ予防:肌の弾力にコラーゲンは必須ですが、コラーゲンの合成促進にビタミンCは欠かせません。また、コラーゲンの活性酸素によるダメージを修復します。

そこで気になるのが、日ごろレモンやみかんなどのフルーツ、ビタミンCのサプリメントなど食品として摂取するのがよいか、もしくはビタミンCを含む美容液などを用いるのが効果的かということです。

どういった目的で摂取するかで最適な方法は変わってくるかもしれませんが、今回は美容目的で使用する場合について考察したいと思います。

大きく分けてビタミンCの摂り方は、2つあります。
1.経口摂取:サプリメントやフルーツ、野菜を摂る方法
2.経皮摂取:皮膚に化粧品を用いて塗る経皮摂取や美容クリニックなどでのイオン導入など。

ビタミンCの抗酸化メカニズム

そもそもビタミンCは、化合物名としては、アスコルビン酸といいます。
ビタミンCが抗酸化作用を発揮するのは、自身が酸化されることによります。ヒトは、常に酸素をエネルギーとして使い、日々酸化というものを使って生きているわけです。つまり、生きているものの宿命ですね。老化=酸化ということです。

酸化還元反応を高校で習った人も多いかと思います。酸化は、ざっくりいうと酸素と結合すると酸化であり、水素を失っても酸化です。さらに本質的にいうと、酸化還元は電子の授受です。つまり、電子を失うと酸化であり、受け取ると還元です。ビタミンCは、下記のように自分が電子を失い、他のタンパク質や脂質、抗酸化物質(ビタミンEなど)もしくは活性酸素種(ROS)に電子を受け渡すことで抗酸化力を発揮します。

ビタミンCの抗酸化作用

体の中では、臓器のgあたりで一番ビタミンCを消費しているのは、
1位:副腎
2位:小脳
3位:大脳
となっています。副腎では、ストレスホルモンであるコルチゾールなど様々なホルモンを作り出しており、その働きを維持するためにビタミンCやビタミンB群が必要です。

小脳や大脳では、同様にエネルギーを作り出しますが、その際に活性酸素がたくさん生じるので、その除去にビタミンCが必要というわけです。
そして、皮膚についても、gあたりではかなりの量を使います。

経口摂取の場合

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