その孤独を構成する全て

レオ・レオーニ展に行ってきました。

彼の展示を見るのは数年前に Bunkamura で開催されたとき以来なので、わりとよく見ている方なのかもしれません。

当時はとても可愛いカメレオンが印象で、ふんわりとした良い展示という印象でした。今回も、友人に誘われたとき、ああ、あの可愛らしいレオ・レオニか。という気持ちで二つ返事に行くと回答。またあの絵に会いたいな。そんな気持ちで出かけて行きました。

さて、今回。損保ジャパン日本興亜美術館「みんなのレオ・レオーニ展」。初っ端からこってり油彩がお出迎えしてきます。あれ、レオ・レオニってこんな感じだったっけ??水彩じゃないの??

キュビズムの影響受けてるようなタッチや、暗い色彩の中にビビットな青、赤、黄色。時代の影響もあるのか、前衛美術をしっかり取り入れている印象の絵画です。絵本は可愛らしくて安心する…と思いきや、岡本太郎みたいな抽象画も出てくる! おそらく時代的に、教養とするルーツが同じなのでしょう。

結構これは、我の強い作家だな? (作家は多かれ少なかれ我が強いとは思いますが) 絵本の内容も、きちんと読んでみると結構な教訓的資質。私は、こういうときは、こう思わないといけない、というような、解釈が一定の話はあまり好きではなく、多分、レオ・レオニは実際いたら友達になりたくないタイプです。

彼の晩年のドキュメンタリーを見てとても納得。良い意味で偏屈なおじいちゃんでした。

私は、好きだと感じない気持ちはとても大事に思っていて、それは自分の心が動いている証拠だから。嫌だな、と思わせる作品は、誰かにとってはすごく魅力的なのだと思います。

最後に彫刻で作られた植物を見たときに、静かで暗い広がりを感じられて、この人は孤独を持っているのだな、と、初めて彼自身を感じられたような気がしました。彼は多分、こういう人だったのだ、と。

この展示をきっかけに、自分にとっての新しいレオ・レオーニに出会えました。絵本を読んでいる以上に、一番、彼に迫れる空間でした。設計した人すごいな。おすすめの展示です。

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