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烈火の先

2月23日 私はタビトの発言によって舌を噛みちぎってしまいそうな程に歯を食いしばり、ぎゅうぎゅうと握られた掌の中で爪が皮膚に食い込んでいるけど痛みも感じなかった。

私の怒りは頂点に押し上げられ、次の瞬間に何かが消えた。

その後から、何を言われても何の感情も湧かず、メイサが何か話しているけど頭に入ってこなかった。何故か敬語になって受け答えしていたるのだけは覚えているけど、何を話したのかぜんぜん思い出せない。

味がしない。唯一口に出来る果物も野菜ジュースも大好きなアイスも味が…。

やっと味がしてきたと思ったら、舌の上に変な味が出てくる。苦いみたいな酸っぱいみたいな。

催眠術にかかって、大好物が次の瞬間に不味く感じるってこんな感じかもしれない。

ただでさえ食べられる物が少ないのに。

ぼんやり一日を過ごして気づいたら夜になってって朝になった。


でも翌日の昼過ぎに、嘘みたいに心が晴れやかになった。

長くて暗いトンネルを抜けたような、霧が晴れたような、痛みが消えたような、抜けたようなそんな感覚になった。

メイサいわく、自分自身で不穏な周波数を断つことが出来たらしい。

メイサたちがすごく驚いていた。

どうしてそうなったかは私自身よく分からないまま3日経った。

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