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思い悩む人が囚われているもの

こんにちは!

こしあんです。

あなたはその日の出来事を思い出して、グルグルと思考を彷徨わせることがありますか?
それとも一日寝ればスッキリしてしまう方でしょうか。

ただ、あまり気にしないという人でも思い悩むことはありますよね。
年収や職業、年齢に関係なく人それぞれあります。

忘れようとして何か違うことをやっていても、ふとそのことが頭をよぎりいろいろ考えてしまいます。
また、その思考に囚われ過ぎて体調を崩してしまう人もたくさんいます。

なぜこんなにも自分を苦しめてしまう思考を延々と繰り返すのか?
いわゆる「反芻」という行為をやめることができずにいるのはなぜなのか?

今回は、何度も反芻を繰り返してしまう人が囚われていることについて話をしていきます。


【それが知りたい】

仕事や家庭、人間関係で問題が起こると「どうしてこんな事になったんだろう?」とか「なぜ私の時に限って」と考えてしまう人たちがいます。

わたしかな?

これがなぜ起こるのかと言えば、「答え」を見つけたい、「原因」をハッキリさせたいという気持ちがあるからです。

原因がわからず、モヤモヤした気持ちのままでは集中できないし、枕を高くして眠ることもできません。
そのため、その答えが間違っていたとしても追求せずにはいられないんです。

だから「あーでもない」「こーでもない」とグルグル思考を巡らせているわけですね。

しかし、この反芻を繰り返して「問題が解決してスッキリした!」という経験をした人はいないのではないでしょうか。
考えれば考えるほど深みにハマってしまうのが反芻です。

実際、慢性的にストレスを抱えている人ほど反芻する傾向が強いと言います。

誰だって、対人関係や仕事で起こったトラブルがあればそれを解決したいと思いますよね。
また同じ失敗をしないように原因を突き止めようとします。
しかし、ある研究では反芻は問題を有効に解決することの妨げになると言います。

私たちは原因を探るうちに何度も嫌な気持ちを思い出し、精神的に疲れてしまいます。
こんな状態では問題を建設的に解決することなどできません。
相手に怒りを覚えたり、自分を責めて落ち込んでしまうのが関の山です。
酷くなると不安からアルコール依存や摂食障害に陥ることもあります。


イェール大学で行なわれた実験で、うつのレベルが異なる大学生を調査したものがあります。

この実験では中程度の精神不安(うつ病と診断されるとは限らないが、何らかのうつ症状を見せたことがある学生)のグループと精神不安が見受けられない学生たちのグループを比較しました。

この調査さに協力した学生は「自分の現時点のエネルギーレベル」「自分の感情が意味するところ」「自分が特定の反応を取った理由」といった自らの思考や感情について考えるよう指示されます。

いずれも中立的な質問で、抑うつ的な思考に誘導するものではありませんでした。
これを8分間、学生たちに反芻してもらいます。

実験後、学生たちのうつレベルを測定したところ、自分のネガティブな感情を抱く理由について考えただけで、もともと症状が見られた学生は以前よりも深刻なうつ症状が現われました。

一方、精神不安が見受けられない学生のグループは反芻によってうつ症状が現われることはありませんでした。

「じゃあ、メンタルが安定している人は反芻しても大丈夫なんだ」と思うかもしれませんが、波があるのが人の感情です。
どんな人でも落ち込んでいる時に反芻を繰り返せば、精神が不安定になると研究者たちは考えています。


【大切な距離感】

答えが見つかりそうもない問題に建設的に取り組むには距離感が大切です。
よく言われることですが、一歩引いて他者の視点に立って自分を観察することで得られる効果は大きいと言います。

反芻は繰り返すことでその問題に深く入り込んでしまい、当時の体験を通して感情が激しく揺さぶられ冷静に問題を見ることができません。
なのでちょっと離れたところから自分を観察することで冷静になることができます。

ある実験で、人間関係の衝突を解消する上で、自分との距離を置くことの重要性を実証したものがあります。

被験者を2つのグループに分け、両方のグループに誰かと衝突して激しい怒りや敵意を感じた時のことを思い出してもらいます。

一つのグループには「その体験から少し距離を置いてください。その衝突が再び起きている状況を想像して、離れたところから観察してみてください」という指示を出します。

そして被験者たちが新しい視点に立つとさらにこう指示します。

「離れて観察しているときに浮かんだ感情について、さらにはそういう感情が生まれた理由について考えてみてください」

残りのグループには最初の指示以外は何もしません。

その結果、他者視点を取り入れたグループは衝突した出来事を自分のこととして思い出したグループに比べ、意識的にも無意識ていにも覚えた怒りの量が格段に少なかったそうです。

また1週間後に再び集まってもらい、怒りや敵意を覚えた出来事を思い出してもらった場合でも、マイナスの感情を口にすることが著しく少なかったんです。
しかも「距離を置いて観察するように」と指示を出していないにも関わらず、冷静に問題を見ることが出来ていました。

一度距離を置いて当時の状況を見たおかげで、その新しい視点が残っていたのではないかと研究者たちは考えています。

もし、「一歩離れたところの自分を想像するのが難しい」と感じるなら、家で動き回るときのあなたを撮影してみると良いかもしれません。
今ならスマホがあれば簡単に撮れますよね。
歩き方、姿勢、口癖など普段気づかない情報がてんこ盛りです。
そういった視点を手に入れれば、一歩離れたところから自分を観察することが容易になるのではないでしょうか。


【一つじゃない】

「なぜこうなってしまったんだ、、、」といった原因を問う質問で、答えが見つかることはありません。

いろんな出来事が絡み合って結果があるのに、ある部分だけを修正すれば万事うまくいくという幻想を捨てきれずにいます。
映画やドラマでは過去の一部を変えて上手くいくことがありますが、私たちの人生はそう単純なものではありません。

たとえ原因を問う質問で正解を見つけたとしても、それは違う結果を得たい場合に避けるべきことの最適解でしかありません。

私たちが建設的な思考、行動をするためには起きてしまったことの原因に執着するのをやめ、離れた視点で出来事を見ることが必要ですね。


今回はここまで

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最後までお読みいただきありがとうございます。

それではまた次回お会いしましょう。

※この記事は読んだ本をもとに考察し、私の経験したことなども踏まえて書いています。
そのため、参考にした本とは結論が異なる場合があります。
あくまで、一つの意見として見るようにお願い致します。
※書いてある文章は予告なく変更する場合があります。ご了承ください。

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