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度が過ぎればそこで試合終了

こんにちは! 

こしあんです。

突然ですが、あなたは試験の前日に夜遅くまで遊んでしまったり、急に部屋の片づけを始めたりした経験がないですか?

私はかなりの頻度で部屋の片づけをしてしまった記憶があります。

このような、ちょっとした現実逃避のような行為は「セルフ・ハンディキャッピング(自我防衛機制)」とか「自己ハンディキャッピング」と呼ばれています。

この他にも、試験当日に「昨日はゲームをやり過ぎたから、ほとんど勉強はしてないんだ」といったやり取りなどが挙げられます。
まあ、これって学生あるあるかもしれませんね。

さて、このように私たちは失敗したときの「いいわけ」を事前に準備したりします。
そして、自尊心を守るために「失敗したとき・成功したとき」のどちらに転んでもいいように予防線を張るわけです。
つまり、失敗しても周囲の評価を下げないようにし、成功したときは評価を上げることを狙っています。

でも、ちょっとした「いいわけ」は誰にでもありますよね。
しかし、過度の「セルフ・ハンディッキャッピング」とても危険です。

今回は、放っておくと向上心やチャレンジ精神が育たなくなってしまう「セルフ・ハンディキャッピング」についてのお話です。


【周囲からの評価がこの行動をおこさせる】

そもそも、実力差のある人たちが競う場合、ゲームを面白くするためにハンデ(ハンディキャップ)をつけることは、あなたも納得がいくのではないでしょうか。
そうしないと、一方的なゲーム展開になって面白くないですよね。

テレビでも「有名選手と未来のスターたちがハンデをつけて勝負する」なんて番組もありますし、将棋なんかでも「飛車角落ち」というハンデがあります。
このようなものが普通、「ハンデ」と言われるものだとは思いますが、セルフ・ハンディキャッピングは自分で自分にハンディキャップを負わせます。

自分で不利な状況に追い込んだとしても、「いいわけ」をしなければ問題は無いのかもしれませんが、冒頭でも書いたように大体は自分の自尊心を守るためにこのような行動をおこします。

あなたも試験当日の教室を思い出してみてください。
「勉強しようと思ったけど、途中で寝ちゃった」とか「ノートを教室に忘れて勉強できなかった」、「バイトが急に入って」など、勉強できなかった理由が飛び交っていたのではないでしょうか。

しかし、このような理由を本当に人に言わなければいけないのか?と考えると、わざわざ報告する必要はありませんよね。
自分の胸にしまっておいても誰も困らないはずです。
でも、つい言ってしまうのはなぜでしょうか?


シカゴ・ロヨラ大学の心理学教授E・B・ゼックミスタとJ・E・ジョンソンは、「セルフ・ハンディキャッピングが起こりやすい状況は、一つには、自分の行動とその結果が他人の目に触れ、さらに人からの否定的な評価を受ける可能性がある場合」だとしています。
たとえば、苦手科目で赤点を取りそうなとき、事前に不利だった状況を並べ立てたりします。
ちなみにある実験では、自分の行動が他人に知られない時には、セルフ・ハンディキャップはほとんど行われないことがあることもわかっています。

もう一つは、成功・失敗が本人の自尊心に関わる重要な問題の場合です。
より正確にいえば、「失敗すること自体よりも、失敗の原因が自分の内的な要因(特に能力)にあることが判明することの方が脅威であるような場合である」と言っています。

つまり、仕事で失敗するよりも「こいつ、使えないな~」と思わることを避けたいと感じているわけです。
まぁ、誰だって「無能」だなんて思われたくありませんよね。
私だって嫌です。

誰もが”自尊心を守るためならしょうがないよね”と思うかもしれませんが、セルフ・ハンディキャッピングの問題点は、これが失敗した後の言い訳ではなく、結果が出る前に用意されている言い訳だというところです。


【2つのセルフ・ハンディキャッピング】

セルフ・ハンディキャッピングは大きく「獲得的セルフ・ハンディキャッピング(自己ハンディキャップ行動)」「主張的セルフ・ハンディキャッピング(ハンディキャップの自己報告)」に分けられます。

獲得的セルフ・ハンディキャッピング(自己ハンディキャップ行動)とは、実際に自分にとって不利になる行動を取ることを言います。
最初に言った、試験の前日に急に部屋の掃除を始めたり、夜中まで遊んだりする行為がこれに当たります。
実際に不利になる行動をとるので、失敗する可能性も高くなります。

もう一つの主張的セルフ・ハンディキャッピング(ハンディキャップの自己報告)は、そうした行動はせず、失敗したときの言い訳を前もって周りの人に発言することを言います。
本当は、夜遅くまで勉強していたのに「昨日は勉強せずにすぐ寝てしまった」とか絶好調なのに「今日は体調が悪い」などの予防線を張ります。
でも、このような会話のやり取りは、友達同士で割とあるのではないでしょうか。

その程度であればあまり影響はないのかもしれませんが、いつもこのような主張的セルフ・ハンディキャッピングをしていると、次は本当に獲得的セルフ・ハンディキャッピングに移行してしまうことがあります。
つまり、「テレビを観ていて、勉強できなかった」という予防線を張り続けたため、本当にテレビを観るようになり、勉強しなくなってしまうことも有りうるのです。

また、プリンストン大学の水泳部を対象にした実験もあります。
研究者は、シーズン開始時に各選手ごとの「セルフ・ハンディキャップ傾向」を質問紙検査で測定します。
そして、シーズン中の各選手の練習量を観察しました。

調査の結果、セルフ・ハンディキャップ傾向の高い選手は、その傾向の低い選手に比べ、大事な試合の前の練習量が少ない傾向にあることがわかりました。
それほど大事でない試合の前だと、セルフ・ハンディキャップ傾向の高い選手と低い選手の練習量に大きな差は見られなかったそうです。


【比較するのは他人ではなく過去の自分】

セルフ・ハンディキャッピングは、自分の能力を最大限に発揮しなければならない大切な試合なのに練習をサボってしまったり、実力が発揮できなくなるような行動をいつのまにか取ってしまいます。
しかも、これが慣習となり、その人の生き方にさえなってしまう危険性があるのです。

私たちは周りの目を気にして、失敗したとき自尊心を守るためにこのセルフ・ハンディキャッピングを使ってしまいます。
なぜそうしてしまうのかと言えば、これをいつでも自分の意志で実行できるためです。
つまり、気晴らしにゲームをしたり、急に部屋を片付け始めたり、言い訳を考えたりするのは、いつでも自分の意志でできるということです。

他人の評価を気にして自分に足かせをする必要はありません。
もちろん、一生懸命頑張ってもその努力が必ず報われるとは限りません。
どんなに努力しても失敗することってありますよね。
そもそも、私たちのコントロールを超える面もあるので仕方がない場合もあります。

しかし、そうは言っても、私たちは他人の評価を気にしてしまいます。

その時、あなたの努力を否定し、周りと自分を比べるのは間違いではないでしょうか。
「才能がない」とか「無能」と呼ばれるのが怖くて、自分にハンデをつけるのは変な話だと思いませんか?

あなたが比べなければならないのは過去の自分です。
例えば、学校のテストなどで、前回の点数を超えることを目標としているのに、「ノートを学校に忘れちゃって」とか「寝不足で」なんて言い訳はしませんよね。

セルフ・ハンディキャッピングは自分で自分を追い込みます。

これを続けることで失敗しても自己評価が下がらなくなったり、向上心やチャレンジ精神が育たないといった弊害もあるようです。
これを避けるためには、自分の言動に注意するしかありません。
まわりの評価が気になって、予防線を張ってしまう人は要注意です。

そんな時は「他人と比べない」ということを思い出してください。
他人と自分を比較してもメンタル的にも良いことはありませんからね。
比べるのは過去の自分ということを忘れないでください。


今回はここまで

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それではまた次回お会いしましょう。

※この記事は主に私のアウトプットを目的に書いているものです。
参考にした資料(主に読んだ本)をもとに考察したもので、私の主観が多分に含まれています。
そのため、参考にした論文とは結論が異なる場合があります。
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