ポテトチップス 大量消費レシピ
昨年末、コストコで大きなポテトチップスを買った。
年始に行くスキーの夜の宴席でみんなのおつまみになればと思って買ったのだ。ところが私はそのスキーで早々に膝の靭帯を損傷するという大怪我を追ってしまい、その日の宴席ではポテトチップスを振る舞うことも出来なかった。大きな袋を見せて出オチを狙っていたのに。なので、私は人が準備してくれた日本酒をただただ飲み続けた。怪我でみんなに迷惑をかけてしまった私には、酒を飲むことくらいでしか感謝を表せなかった。
コストコの大きなポテトチップスは、一袋が907gという重さだ。
これは工事現場の赤いコーンの重さに匹敵する。
一人で食べ切れるわけがない。でも、何度かに分けてでもコンプリートしたい。一度開封してしまったら畳み掛けるように片付けるしかない。そのためには、ポテトチップスを大量に食べなくてはならない。どうする? 近所に配る? いや、近所には年寄りしかいないからダメだ。彼らにはポテトチップスを消化するエネルギーなんて残ってない。では、生徒に配るか? いや、ポテトチップスをご褒美にくれる先生ってどうなの。「上手に歌えました」と言って紙に包んだポテトチップスをあげるとか、もう変態じゃない? じゃあ、どうするの? 抱えると赤ん坊くらいある大きさのこの袋のポテチ、どうするの?
ということで、ポテトチップスをなんとか料理に使えないかと考えた。
ところで、カルビーのじゃがりこは、発売から29年経った今でも売り上げランキング10位圏内に入る売れ筋商品だ。皆さんはご存じだろうか。そのじゃがりこの入ったカップにお湯を注ぐと、じゃがりこがじゃがいもとしてよみがえるということを。
それなら、ポテトチップスもお湯に戻せばよみがえるんじゃね?
私は頭の中に記憶しているじゃがいも料理をざっと振り返ってみた。おお、そういえばフレンチの家庭料理 ”ドフィノワ” (スライスしたじゃがいもを牛乳で煮て作るグラタン)があるじゃないか。他にもじゃがいものテリーヌとか、いろいろあるなー。
ポテトチップスは既に皮も剥かれてスライスされて更に火まで通っている。それらの手間が省けると考えると、ポテトチップスは美味しいフレンチのチート材料にもなるということだ!
これはすごい発見ではないだろうか。
私は自分の発見にわなわなした。私、天才かもしれない…。
ドフィノワは、レシピによって生クリームを入れるものもあるが、私は基本的に牛乳しか入れない。ガーリックを入れるとアルフレットソースみたいになって美味しいし、仕上げに刻んだ生ハムを散らしても美味しい。いずれにしても、最終的にはオーブンで焦げ目を入れる必要がある。オーブンがない人は、オーブントースターや魚グリルを使うとよいと思う。
今回は牛乳にチーズを入れて、チーズソースでポテトチップスを煮てみようと思う。果たして、ポテチはよみがえるのだろうか。
【材料】
玉ねぎ(なくてもいい)、にんにく(なくてもいい)
ベーコン(なくてもいい)
小麦粉、牛乳、チーズ、塩コショウ、ナツメグ(なくてもいい)
厚めのポテトチップス、
【作り方】
1. にんにくと玉ねぎのみじん切りを炒める。油はバターでもオリーブオイルでもこめ油でもいい。玉ねぎの量は適当でオーケー。全体の30%くらいの量が適量かと思う。にんにくは無くても大丈夫。ベーコンを入れるならこのタイミング。
2. 玉ねぎが透き通ってきたら、小麦粉を材料がうっすらかぶるくらい入れてさらっとするまで炒める。今回はソースをさらっとした状態にしたいので小麦粉は少な目がいい。
3. 2に牛乳を入れる。中火にかけながらゆっくりとかき回す。とろっとしてなくても大丈夫。
4. 3にとろけるチーズを入れる。牛乳の量に対して30~40%を目安に。
5. チーズが溶けたら、ポテトチップスを入れる。じゃがいも約1~2個分くらいが適量かと思うけど、様子を見て決めてほしい。ちなみに私はバサッと一息に結構な量を入れてみた。
6. じゃがいもを浸しながら、柔らかくなるまで煮る。優しく数回かき回すこと。思いのほか柔らかくなるのは早い。
7. 塩コショウで味を調える。あったらナツメグを入れると風味が増して美味しい。
8. 7を耐熱容器に入れて180℃に熱したオーブンで15分~20分で完成。オーブントースターや魚グリルの場合は焦げ目がついたら完成。
※生ハムを散らすなら焦げ目をつけた後でオーケー。
チーズソースはさらさらな方がじゃがいもが柔らかくなりやすい。もったりとしたソースだと柔らかくなるのに時間がかかるか、硬めの仕上がりになる。
出来上がったポテトチップスグラタンがこちら。
味はもちろん、もちろん美味しかった。ポテチが既にジャンクなのに、更にチーズを追加していることでより一層ジャンクさが増していた。それほど油を使っていなくても、ポテチが自動的に脂っこいのでそれが旨味となってよい風味を出している。これは、ありよりのあり。っていうか、あり。ありすぎるほどのあり。
心に余裕がある方はぜひチャレンジしてもらいたい。簡単だし、幸せになること間違いなしだ。
ちなみに私はこの料理と共にレモンサワーを頂いたが、これは白ワインとも絶対に合う。もちろん、ビールとも合う。もともとはポテチだしな。ポテチと合う酒はなんでも合う。
アレンジとしては、これに牡蠣を入れても美味しいだろうし(その時はクミンを入れると美味しさアップ)、ゆで卵を入れても美味しいと思う。鶏肉を入れても美味しい。マッシュルームを入れてももちろん美味しい。
自分なりのアレンジを加えて楽しんでもらえたら嬉しい。