見出し画像

「実務経験3年以上」の壁|イラレ職人月報2025/01

デザイナーになりたい!と思って求人情報を調べたら、「実務経験3年以上」の壁が立ちはだかり、ヤキモキしたことのある人は多いでしょう。

僕にも覚えがあるので、理不尽だ!という気持ちはわかります。しかし今になって振り返れば、これはちゃんと必要があってのことなんだなぁとも思うんです。

7年かかりました

僕はデザイナーに転職したいと考えたタイミングで、運良く未経験OKの会社に入社できました。イラレフォトショなどの制作技術は大学4年間で一通り身につけたつもりでしたが、全っ然ダメでした。本当にダメダメでした。

学校の課題に取り組む時のように、「万全の状態」で制作に集中できることはそうそうありません。

制作時間は短いし、他部署やクライアントとのやりとりもあり、想定外のトラブルや理不尽も発生する中で制作をします。日々の業務で体力もメンタルも削られるでしょう。デザイン力の前に、社会人としてのコミュ力や実務能力が問われます。

唯一自信があったイラレなどの「制作技術」も、「限られた時間で」「自分以外の人も扱う想定で」「トラブルを起こさない作り方」といった、学校では求められない技術や専門知識が山ほど必要でした。

言うなれば「会社という環境で働く技術」が足りなすぎたのです。

それから失敗し続け怒られ続け、もちろん個人差はあるでしょうが、「なんとか足を引っ張らないレベル」になれたのは、入社から3年くらい働いた後でした。

なので経験則ではありますが、「実務経験3年以上」は根拠のない数字ではなく、「最低限それくらいの経験は積んでもらわないと戦力にならない」という指標なのだと今は思います。

大学4年と実務3年、計7年を費やしてようやく「スタートライン」です。一人前を名乗れるのは10年20年とかかるのでしょう。本当に厳しい世界です。

デザイナーになりたい人へ

まずは未経験OKの会社を探そう!…と言いたいところですが、おそらくそう簡単ではありません。

もちろん「新人を育てる余裕のある真っ当な会社」も存在するとは思いますが、「真っ当な人材を雇う余裕もないブラック企業」や昨今のデザインブームを狙った詐欺も混在しているでしょう。安易に飛びつくのは危険です。

残念なことにこの世界はゲームと異なり、初心者が無理なくクリアできるようにデザインされていません。それぞれがそれぞれの都合で勝手に動いています。

そういう前提を踏まえた上で、きちんと調べて、しかるべき人に相談しましょう。そしてこれから何を学び、どう行動するかの判断材料にしてください。「道は自分で切り開く」しかないのだから。

以上です。
それでは良いイラレライフを。🐶

ここから先は

0字
イラレのテクニックや解説、イラレ職人コロの活動の裏話などを月4回お届け。

本日のイラレマガジン

¥100 / 月 初月無料

Adobe Illustratorともっと仲良くなれるWebマガジン

エサをください。